夏目漱石が愛した『洋風かきあげ』を食べてみたら、実家に帰った感のある懐かしい味がした / 東京神田「松榮亭」

「吾輩は猫である。名前はまだ無い──」名がついていないくせに、こんなにも人びとの印象に深く残っているネコもめずらしいだろう。言わずもがな、夏目漱石さんによる『吾輩は猫である』の一節だ。夏目さんといえば、そのほかにも『こころ』『坊っちゃん』『夢十夜』など数かずの名作を生み出した文人。

晩年は胃潰瘍に悩んだようだが、若かりし頃は大食漢だったと聞く。食に対する興味は人一倍だったことだろう。先日記者は、そんな夏目さんが愛したという『洋風かきあげ』を食べる機会に恵まれた。洋風のかきあげ……? 記者と同じく、なんのこっちゃと思った方は以下をご覧あれ。

・見た目は香ばしそうなオムレツ

『洋風かきあげ』を生み出したのは、明治40年(1907)創業の「松榮亭」だ。なんやかんやあって、夏目さんのために考案され、商品化したものという。池波正太郎さんのエッセイ『散歩のとき何か食べたくなって』にも登場するなど、夏目さんだけでなく多くの人に愛されてきたことが知れる。

同店の看板商品はもちろん『洋風かきあげ』だが、それだけでなく、ほかのメニューもどれもこれも美味しそうだ。ランチメニューのコロッケやロールキャベツにも心を惹かれる……が、グッと我慢して『洋風かきあげ(税込950円)』とライス(200円)を注文。

「揚げるのに少しお時間頂きますねー」という店員さん。ワクワクしながら待つこと十数分。ついに、やって来たぞ!  パッと見は香ばしそうなオムレツといった感じだ。中には何が入っているのだろうか。さっそく食べてみることにしよう。

・懐かしい気持ちになる「洋風かきあげ」

メニュー名だけでは全くイメージが沸かなかったがいざ目の当たりにしても、イマイチよくわからない。味の想像も全くつかない。しかしふんわり漂ってくる油の香りだけで、非常に食欲をそそられるではないか。

ナイフとフォークで塊を割ってみると、中からは厚切り豚肉や玉ねぎが出て来た。そのまま食べてみると、オムレツとお好み焼きの間のような味だ。これはこれでウマい。オイスターソースとからしを付けるとベストだと店員さんに教わったので、その通りにしてみる。

なるほど、それまでの優しい味わいも良いが、ソースとからしを付けると味が締まって良いな。口にするのは初めてであるにもかかわらず、とても懐かしい気持ちになる味だ。

・自家製ラードであげているのでサッパリ

店内に貼ってあるポスターを見た限りでは、「洋風かきあげ」の材料は豚肉、玉ねぎ、たまご、小麦粉とのこと。自家製ラードでじっくり揚げているという。揚げてある割にはサッパリしていると感じたのは、自家製ラードの効果なのだろう。

シンプルイズベストとはまさにこのことだな。見た目の割にはボリュームもあり、夏目さんが嬉しそうにほおばっている様子が目に浮かぶようだ。食べ物だけでなく、店の雰囲気も温かく、実家に帰った感がある。定期的に食べたべたくなる優しい味だったぞ。

・今回ご紹介した店舗の詳細データ

店名 松榮亭
住所 東京都千代田区神田淡路町2の8
時間 11:00〜14:00、17:00〜19:30
定休日 日曜、祝日

Report:K.Masami
Photo:Rocketnews24.


Source: ロケットニュース24

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