民法改正で注意!4月以降に家を借りる人が知るべき大切なこと

大家さんにとって春は、入居者募集の繁忙期。今年は4月1日から民法が一部改正され、賃貸のルールもいくつか変更されることになりました。東京・世田谷で大家をしているアサクラさんも、仲介をお願いしている不動産屋さんからレクチャーを受けたそう。

アサクラさんに民法改正のポイントと、そこから考えた大家と入居者の関係についても語ってもらいます。

変更点1:連帯保証人の債務に「極度額」が設置される

連帯保証人の書類

CORA / PIXTA(ピクスタ)

賃貸物件を借りる際、ご家族などに連帯保証人をお願いしたことのある方もいるでしょう。これまで、借り手が家賃滞納などで債務を負った場合、保証人は「無制限に」返済する義務を負っていました。
やや極端な例を挙げると、毎月20万円の家賃を1年払わずに240万円の滞納が発生して借り手が夜逃げしてしまったとすると、保証人はその全額を返済しなければならなかったのです。

新しいルールにおいては、この保証の金額に「極度額」という限度を設定することが義務付けられます。「賃料〇か月分」といった上限が設けられ、それを超える債務については支払う必要がなくなります。
先の例でいえば、もし極度額が「賃料6か月分」とされていた場合、240万円のうち120万円のみを保証人が債務として負うことになります。

変更点2:「一部滅失等による賃料の減額」とは

天井からの水漏れ

hikari / PIXTA(ピクスタ)

2番目のポイントは、貸借物の一部滅失による賃料の減額です。言葉だけ見るとさっぱり意味が分かりませんが、内容は簡単。(借り手に責任のない)トラブルが起こって部屋の一部が使用できないとき、家賃を減らすということです。
たとえば、ベッドルームの天井裏から漏水があり、その部屋が使えなくなってしまったとすると、その分だけ家賃を減額することになります。これまでも認められていた権利でしたが、より明確に定められたかたちです。

ほかにもいくつか細かい変更点はありますが、僕が受けたレクチャーは以上の2点が中心でした。

どちらの変更も、従来よりも借主をより手厚く保護しようという意図が感じられます。年々強くなる借主の権利が、また強固になったといえますね。賃貸を借りる側(入居者)にとっては朗報といえますし、権利としてしっかりおさえておきましょう。

難しいのは具体的な金額をどう判断するか

銭湯

いいこのどん / PIXTA(ピクスタ)

さて、気になるのが「実際にトラブルが起こった際にどうなるのか?」です。たとえば「一部滅失等による賃料の減額」といいますが、トラブルが発生して生活に支障が出た場合、その損失をいくらと評価するかは簡単ではありません。

ベッドルームの例でいえば、部屋全体の面積に占める割合から割り出すこともできるかもしれませんが、もしお風呂が使えなくなった場合、その評価はいくらなのでしょう? 「銭湯代」と「ビジネスホテルの宿泊費」とでは天と地ほどの差があります。
エアコンの故障だったらどうでしょう? 家賃全体に占めるエアコンの金額なんて想像もつきません。ひょっとして季節によって異なる、とか?

不動産屋さんいわく、現時点では、はっきりとした減額の基準があるわけではなく、専門家のあいだでも見解に差があるそうです。実際に法律が施行され具体的な判例が出てから、徐々に目安ができてくるだろうということでした。

結局、大事なのは大家さんと入居者さんの関係

お見舞金

SoutaBank / PIXTA(ピクスタ)

とはいえ、裁判はあくまで最終手段。自分から望んで裁判したいという人はほとんどいないはずです。今回の改正でも、トラブルの発生時には貸主と借主が賃料の減額について協議するよう定められています。

そうなると、大家さんと入居者さんの関係性が問われることになります。

以前、うちのマンションで漏水が発生したとき、入居者さんからは家賃の減額の要求なんてありませんでした。それでも、うちの設備の不具合でご迷惑をおかけしたのですから、お見舞金として3万円をお渡ししました。受け取ってもらうのも大変なくらい、入居者さんが恐縮していたのを覚えています。

この例が「一部滅失による減額」にあてはまるかどうかはわかりませんが、「協議して家賃を減額する」よりも、はるかに気持ちよく解決できました。

物件選びは大家さん選びでもあることを忘れずに

マンションの見学

ABC / PIXTA(ピクスタ)

結局、大事なのは法律の手前の部分、日頃から築いてきた人間関係なのだと思います。「あなたは大家さんをどれくらい信用できますか?」という話。それ以前に、あなたは大家さんがどんな人(会社)か、知っていますか?

もしこの春に賃貸物件を探すのなら、間取りや日当たりや設備だけでなく「その物件の大家さんが何者なのか」も少しだけ考えて賃貸を探してみるといいかもしれません。
いざトラブルとなったときに初めて大家さんと顔を合わせる、なんて事態はできれば避けたほうがいいのではないでしょうか。

Source: 日刊住まい

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