【ブランド品】3000円する高級ノートを使ってみた / ゴッホやピカソが愛用したノートの復刻版

最近、文字を手で書いていない。学生の頃は筆記用具とともに生きていたが、今はデジタルの力に依存しきっている。たまに手書きをしようものなら、「この漢字とかいう難しい文字は何なんだ」と悪い意味で初心にかえってしまう。

このままではまずい。何か大切なものが失われようとしている。そんな漠然とした焦りを抱えていた折、何とはなしに文房具を物色していたら、とある商品の存在を初めて知った。そして同時に衝撃を受けた。「モレスキン」というブランドのノートなのだが、無論ただのノートではない。優に3000円を超えるのである

イタリアの文房具ブランドであり、様々な種類のノートを販売している「モレスキン」。

その価格設定は強気であり、Amazonを見ると横罫のミディアムサイズ(11.5cmx17.5cm)で2778円、ラージサイズ(13cmx21cm)で2900円、そしていわゆる大学ノート相当のXLサイズ(19cmx25cm)で3500円となっている(全て2020年3月12日現在)。

何故これほど高価なのか。その理由の1つに、「モレスキン」の歴史的な成り立ちから生まれるブランドイメージが挙げられるだろう。

公式HPによれば、「モレスキン」の原型はフランスの製本業者が作っていたものであり、かつてそのノートをゴッホやピカソ、ヘミングウェイといった錚々(そうそう)たるメンツが愛用していたのだという。

1986年にオリジナルの生産は終了してしまったのだが、それを引き継ぐ形で1998年に復刻させたのが現在のモレスキン社。歴史を背負ったノートであるだけに、価格も重みを増しているのだと思われる。

そうしたブランド力に加え、単純にノートとしての使い心地も優れているらしく、「モレスキン」は知る人ぞ知るコアな人気を誇っているようだ。

そこまで聞いてしまったら、いったい実物はどんなものなのか気になってくる。高いノートを買って己を追い込めば手書きの機会が増えるだろうという小市民的な思惑にも後押しされ、気付けば横罫のXLサイズを購入していた。

色やデザインも様々なタイプが用意されているが、今回選んだのは黒のハードカバーのものだ。光沢といい手触りといい、高級感がすごい。学生時代にこれを手にしていたら何かしら踏み外していた恐れがある。

サイズについては前述の通り、XLとはいえ普通の大学ノートよりも横幅が若干大きい程度で、ほとんど変わらない。ただページ数は192ページと大ボリュームである。よく使われている大学ノートが60ページなので、それよりはだいぶ余裕がある。

また特徴的と言えるのが、ノートを束ねるためのゴムバンドが直接付属している点や……

裏表紙の内側にポケットが備え付けられている点だ。

本のように紐のしおりがあるのも嬉しい。さすがはブランド物、かなりユーザー思いだ。 

さらにノートの1ページ目には紛失した際の届け先を書く欄があり、おまけに拾い主への報酬金額を書く欄もある。ここまでされると逆に少し困ってくる。個人的に報酬金額を書く勇気がないうえに、何も書かずにいたら拾われた時にやや気まずい。

ともあれ、評価の上で肝心なのはやはり何と言っても書き心地だろう。書く前に手触りで紙質を確かめてみると、大学ノートが硬く張りのある質感であるのに対し、「モレスキン」は柔らかくしなやかに感じた。

色味が黄色いのも相まって、新品にもかかわらず「モレスキン」には古書のような風情があって面白い。今までこのようなノートには出会ったことがない。

期待感を胸に抱きつつ、検証のためにまずはシャープペンシルを握る。が、なかなか字を書けない。文字の概念を喪失したわけではなく、高級品ゆえに緊張して書けない。こんなノートには出会ったことがない。

気力を絞り、何とか書けたのは弱々しい平仮名の「ふ」だった。

これだけでは終われないので、次いで適当に漢字を書いていく。ペン先は順調に滑った。初体験のはずなのに、これまで使い込んでいたかのように手に違和感がない。実に書きやすい。

書きやすいのだが、それが何故かと言われると、その理由はすぐには判然としなかった。ひとしきり試し書きを続けるも、「書きやすさ」の正体はつかめない。

これほど滑らかにペンが走るからには、「モレスキン」ならではの特質があるに違いない。「モレスキン」と「モレスキン以外」は何が違うのか。そこで、別に用意した大学ノートと書き比べてみると、みるみるうちに疑問は氷解した。

なるべく同じ筆圧を心がけ、同じ文字を双方において何度も試し書きした結果、「モレスキン」の方が明らかに濃く文字が現れた。要するに「モレスキン」の方が、文字を書くのに力が要らないのである。

大学ノートで濃い文字を書こうとするとシャーペンにグッと力を入れなくてはならないが、「モレスキン」ではその必要がない。柔らかい紙質のおかげか、ペンに込めた力をそのままロスなく受け止めてくれるような感じだ。

一方でボールペンを使って比較した場合は、当然と言うべきか、同じ力で書いても文字の濃さはあまり変わらなかった。書き味の滑らかさについても、はっきり違いを体感することはできなかった。

そんなわけで、「モレスキンはシャーペン(鉛筆)ユーザーに大きな恩恵がある」というのが、筆者なりのひとまずの検証結果である。

ボールペンユーザーに訴える部分が少なくなってしまったのは心残りだが、優しいデザインと書き心地が、「これがモレスキンか」という実感を確かにもたらしてくれた。

とはいえ、この深遠なノートにはまだまだ魅力が隠されていそうなので、長く使って確かめていきたい所存だ。高価な買い物だったが、追い込まれている気はしない。これは間違いなく、引き込まれているのだろう。

参照元:モレスキン日本公式HPAmazon
Report:西本大紀
Photo:Rocketnews24.


Source: ロケットニュース24

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