住宅の補助金や減税を活用して家づくり。「もらえるお金」いろいろあります

役所へ補助申請

アクア/PIXTA(ピクスタ)

国や地方自治体は、新築住宅を建てたり買ったりする場合、また中古住宅をリフォームする場合などを対象とした様々な支援制度を設けています。
皆さん、「住宅ローン減税」のことは耳にしたことがあると思いますが、ほかにも様々な種類のサポートがあるのをご存知でしょうか。
ここでは国が行う補助、助成、優遇制度と地方自治体の制度を紹介していきます。制度を利用すれば、家づくり予算も自ずと変わってくるはず。お得な家づくりの参考にしてください。

国の税制優遇・補助・助成制度

はじめは国の補助・助成制度を紹介します(地方自治体の補助・助成制度は次のCHAPTER)。
ただ利用の際に気をつけてほしいのは、補助金の財源が地方と国で同じたっだ場合は、どちらか一方しか使えないということです。
しかし併用できるものもあるので、自分の場合はどの制度を利用できるのか、各自治体に確認してみるといいでしょう。

10年にわたり、所得税・住民税から控除される「住宅ローン減税」

返済期間10年以上の住宅ローンの利用者に対する控除制度。

年末の住宅ローン残高に控除率を乗じた金額が所得税から控除されます。
控除を受けられる期間ですが、以前は最長10年間でしたが、2019年10月の消費税の増税に伴い変更になり、2021年12月31日までに入居した場合は、さらに3年間延長になりました。

消費税増税の負担を軽減するための「すまい給付金」

住宅取得者の負担緩和のために、住宅ローン減税の拡充による負担軽減効果が十分に及ばない所得層に対して実施される制度。収入(都道府県民税の所得割額)に基づく給付基礎額に、不動産登記上の持分割合を乗じた額が給付されます。

対象者は住宅を取得し、登記上の持分を保有していて、その住宅に自分で居住している人で、収入が一定以下の人。

  • 収入と給付基礎額の目安。
    450万円以下で最大50万円
    450万円超525万円以下で最大40万円
    525万円超600万円以下で最大30万円
    600万円超675万円以下で最大20万円
    675万円超775万円以下で最大10万円

申請は不動産登記上の住宅取得者(持分保有者)が行います。
また共有名義など1つの住宅に居住する持分保有者が複数の場合は各人が申請します。

地元の工務店で建てるなら「地域型住宅グリーン化事業」

長期優良住宅や低炭素住宅など省エネ性や耐久性に優れた木造住宅の新築時に補助金が交付される制度。住宅と建築物(非住宅)への補助に分かれていて、住宅の場合は、工事を担当する事業者に対して補助される仕組みになっています。

  • 補助される金額(一戸当たり)
    長寿命型の認定長期優良住宅で最大110万円
    高度省エネ型のゼロ・エネルギー住宅等で最大140万円

また、地域木材を過半利用する場合や三世代同居への対応を併せて行う場合は、補助金が加算されることもあるので、地元の中小工務店で長期優良住宅や省エネに優れた住宅を建てたいと考えている人は要チェックです。

ZEHを建てるなら「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)支援事業」

太陽光発電

Ichi/PIXTA(ピクスタ)

国は2030年までに住宅のネット・ゼロ・エネルギー化を目指しています。
その施策のひとつとして、年間の一次エネルギーの収支がおおむねゼロになる住宅であるZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の建築主・所有者を対象に実施される支援制度。

新築住宅の建築・購入、既存住宅の改築等を行う個人を対象としていて、「ZEH(ゼッチ)支援事業」「ZEH+(ゼッチ・プラス)実証事業」「ZEH+R(ゼッチ・プラス・アール)強化事業」の3種類の補助金制度があります。

  • 種類ごとの補助金(一戸当たり)交付額
    ZEH支援事業で60万円
    ZEH+実証事業で105万円
    ZEH+R強化事業で115万円

ただし補助金の額は、国のZEH補助金に充てる予算額により変更になる可能性があります。

「住宅資金等の贈与を受けた場合の非課税の特例」では、最高1500万円の資金贈与が非課税に

父母や祖父母からの住宅(床面積:50㎡以上かつ240㎡以下)の取得に関する資金を贈与されても、一定額まで非課税になる制度。

非課税上限額は時期や住宅の種類で異なりますが、例えば2020年4月1日~2021年3月31日の場合、省エネ等住宅は1000万円まで、それ以外の住宅は500万円までの贈与が非課税に。

ただし、贈与を受けた年の翌年3月15日までの入居要件があるのでスケジュールを組む際には注意が必要です。

地方自治体独自の支援制度も上手に利用しよう

親と同居して助成を受ける「三世代同居・近居支援事業」

二世帯住宅に住んでいる人

ciptacikap/PIXTA(ピクスタ)

子育て世帯(義務教育修了前の子がいる世帯)が、親世帯との同居または近居のために住宅を取得した場合、その費用の一部が助成される自治体の制度。

例えば「墨田区三世代同居・近居住宅取得支援制度」では、新築住宅の場合で50万円、中古住宅の場合で30万円の助成金が交付されます。

千葉県千葉市の「千葉市三世代同居等支援事業」では、1年目に最大50万円(市内の業者による施工の場合は最大100万円)、2~3年目には最大15万円が交付されます。

お住まいの地域によって、条件も金額も違ってくるので確認を。

子育て世帯を応援する「子育て世帯(長期優良住宅取得)を支援する助成金制度」

長期優良住宅を取得し居住する子育て世帯に対し、助成金が交付される制度。

例えば東京都福生市では、2015年1月2日から2021年1月1日の間に建築された長期優良住宅を取得して居住している子育て世帯に対して、家屋にかかる固定資産税・都市計画税相当額(1年度につき上限10万円)が、助成金として交付されます(課税初年度から最長5年間で毎年度、申請が必要)。

ただし土地にかかる固定資産税・都市計画税は助成の対象外です。

住環境重視の自治体では「緑化を推進するための助成金制度」も

緑が少ない地域や住宅密集地で、緑化を推奨するために実施される助成金制度。
「生垣や花壇をつくりたいものの、予算が足りない」という人は要チェックです。

例えば東京都世田谷区の場合は、区制100周年の2032年に「みどり率33%」を実現させるため、生垣や植栽帯をつくる場合やシンボルツリーを植栽する場合、建物の屋上や壁面を緑化する場合などに、その費用の一部を助成する制度を設けています。

生垣・植栽帯・シンボルツリー合わせて最大25万円、屋上・壁面緑化の場合は合わせて最大50万円を限度に支給されます。

リフォームに適用される「特定リフォーム(耐震、バリアフリー、環境対策等)にかかる支援制度」

築年数の経過した建物で暮らす場合に、その改修費用を支援する制度。
近年では耐震補強やアスベスト問題への対策、老後に向けた手すり設置等のバリアフリー対策、太陽光発電や家庭用燃料電池の導入などの省エネ・環境対策などが喫緊の課題となっています。

全国の地方自治体ではこうした問題を解決するため、住宅ローン金利の補填から専門家の派遣に至るまで、様々な支援制度を設けています。
一般社団法人住宅リフォーム推進協議会の「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト(令和元年度版)」では、全国の地方自治体が実施する各種の住宅リフォーム支援制度を検索できます(「令和2年度版」は2020年7月に公開予定)。

このように住宅を新築するときも、リフォームする場合も、国や地方自治体では様々な支援制度を設けているのがわかります。しかしそのことについて自治体が広い宣伝活動を行うようなことは滅多にありません。

だからこそ皆さんも自分が住む自治体の情報を積極的に収集し、申請を検討してみてはいかがでしょうか。

※情報は「住まいの設計」2020年6月号掲載時のものです。

Source: 日刊住まい

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