<上質な家づくり建材・設備>つけてよかったものを、プロが主観で紹介

すっきりと整理された上質の空間を家づくりで実現する。その近道は、建材や設備のディテールにだわることです。
プロの視点で、古谷野裕一さん(古谷野工務店)が気になるものをピックアップ。採用した際の効果などを、実際の施工例を元に語ってくれました。

質感や手触りが良い厚突きの天然木化粧合板

寝室とデスクスペースの間仕切りも兼ねた本棚

最初の例は、質感や手触りついて。この本棚は、寝室とデスクスペースの間仕切りも兼ねていて、厚突きの天然木化粧合板を使っています。樹種はチェスナット(栗)です。

一般的な合板の3倍の厚みがあり、木の質感や手触りもとても良いです。お施主さんと工場まで行って選定しました。

室内のさまざまな場所に使用していて、例えばキッチンカウンターの場合、木のコブの配置などまで詳細に検討してベストなものを選びました。

オイル仕上げにも耐えられるので、住んでからのメンテナンスもしやすいです。

上質感が出せる「幅はぎ材」

室内側に窓枠を伸ばして造り付けたベンチ

「幅はぎ材」とは、縦方向は1枚の細長い無垢板になっていて、それを横方向にだけ接合してつくられたものです。

写真のお宅では、もともとあった窓を生かし、室内側に窓枠を伸ばして造り付けのベンチにしています。

とくにマンションリノベーションの場合、大きな面として見えてくる部分に良い素材を使う方がより効果的なので、タモの「幅はぎ材」を使っています。

幅はぎ材はテーブルなどに使われることも多く、上質感が出せる素材だと思います。

モダンでシンプルなWESTの握り玉

WESTの握り玉を使ったドア

小さなものにも目を向けてみましょう。こちらは、デザイン性の高い建築金物が多いメーカー・WESTの握り玉です。モダンでごくシンプルなデザインが気に入っています。

レバーハンドルは、扉らしさがより強くなってしまう気がして、あまり採用しないケースが多いです。もちろんお施主さんからの希望があれば付けることもありますが。

金物のボリュームが小さいとドアの存在感が軽減されるので、壁と一体化して見えるような効果を狙えます。

オリジナルのスチール引き手

オリジナルでつくったスチール引き手

美しい形として存在し、空間の背景に消えてくれるようなものを目指してスチールの引き手をオリジナルでつくりました。既製品にも優れた引き手はありますが、主張が強いというか、空間の中で際立って存在してしまう場合も。

手がかけやすく、使わないときはインテリアの要素の一つとして存在してくれるところが気に入っています。色は真っ黒ではなく濃いグレーで、扉の面材と馴染みやすいようにマットな質感に仕上げています。

シームアンダータイプの洗面カウンター

シームアンダータイプの洗面カウンター

カウンターとボウルの継ぎ目が目立たないシームアンダータイプの洗面カウンターはアイカのもの。素材は人工大理石です。

お施主さんからのリクエストで設置しましたが、良い選択だったと思います。奥行きが浅くて手入れがしやすく、天板の面積が広いので、夫婦ふたりでもゆったりと使えます。

こちらのお宅は、カウンター下をオープンなままとしましたが、収納をつける、つけないでコストをコントロールできる点もメリットのひとつだと思います。

マンションの梁や梁型に馴染む富士工業のレンジフード

富士工業のレンジフードがあるキッチン

ある程度のスペックがあって、できるだけコンパクトで存在感のないものにしたい、という理由で選んだのが富士工業のレンジフード。

他のメーカーでもコンパクトなレンジフードはいくつかありますが、スペックとデザインのバランスがいちばん取れていると思います。

いわゆるセンターフード型だとレンジフード自体が目立ってしまうので、こういうスクエアなデザインの方がマンションの梁や梁型に馴染ませやすいと思います。

古谷野裕一さんのイラスト

古谷野裕一さん(古谷野工務店)
1984 年東京都生まれ。建築家の小川広次氏に師事し、大手設計事務所での勤務を経た後、古谷野工務店に入社。一級建築士として新築、リノベーション、店舗設計まで幅広く手掛けている。

イラスト 高垣秀雄

Source: 日刊住まい

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