明治時代に日本で最初のラーメンブームを起こした「淺草 来々軒」のラーメンを食べてみた / 元祖にして現代でも通じる高レベルな醤油ラーメン

「淺草 来々軒」というラーメン屋をご存じだろうか? 1910年(明治43年)に浅草にて創業し、日本で最初のラーメンブームを巻き起こした伝説の店である。日本におけるラーメン業界の先駆者。ラーメン屋という概念のスタート地点とも言える来々軒。創業者亡き後も子孫が引き継いでいたが、1976年に廃業している。

もはや未知の味となっていたが、新横浜ラーメン博物館が来々軒を廃業から44年の時を経て復活させ、2020年10月14日から館内にて提供を開始したという。これを食べずにラーメンを語ることなどできまい。100年以上前に日本人を熱狂させたラーメンの味を知るべく、実際に食べてみることに。

・新横浜

復活した「淺草 来々軒」のラーメンは、新横浜駅から10分ほどのところにある新横浜ラーメン博物館内で食べることができる。博物館の入場料は大人380円。

館内ではラーメンの歴史はもちろん、来々軒を復活させるまでのストーリーも知ることができる。詳細は省くが、すでに製法の失われた当時の小麦粉を再現するべく、使われたと思われる稲を探して近い品種を選ぶなど、ガチである。子供だましの再現ではないことがうかがい知れる。

そして博物館地下には、復活した来々軒の店舗が。ちなみに来々軒の他にも、館内では福岡の「八ちゃんラーメン」や利尻島の「利尻らーめん味楽」など、いずれもレジェンド級な複数のラーメン屋が営業している。

・らうめん

券売機にてチケットを購入するスタイルで、「らうめん」は1日100食限定の青竹打ちが1100円。機械で製麺した「らうめん」は930円。「ワンタンメン」が1130円で「チャーシューメン」は1400円。そして一番高い「チャーシューワンタンメン」は1600円だ。ラーメン以外だと、「シウマイ」が1個150円から。

本当は一番豪華な「チャーシューワンタンメン」を食べたかったのだが、平日の夕方に筆者が訪れた時にはすでに売り切れていた。気を取り直して「らうめん(青竹打ち)」と「シウマイ」を3個オーダー。

待つ事しばし、ついに伝説のラーメンが到着。

ちなみにラーメンが入っている丼ぶりも、創業当時の来々軒の丼ぶりを職人が再現したものだそう。その辺りのストーリーもガチすぎるので、ぜひ博物館で詳細をご覧になることをお勧めする。割り箸の袋も凝っている。一体このプロジェクトに幾らかかってるのだろう。

さて、麺がのびてしまう前に食べるとしよう。「らうめん」の見た目はオーソドックスな醤油ラーメン……というか、現代まで続く醤油ラーメンの基本形がこのラーメンから始まったのだろう。

麺は表面がツルツルで断面は長方形のタイプ。柔らかく、モチモチしている。スープをよく吸い、麺にもスープの味が行き渡る感じだ。

チャーシューは、昨今最もよく見る柔らかくトロトロな煮豚ではなく、ハードで味が濃い焼き豚タイプ。このチャーシューもガチに再現されたものだ。ちなみに筆者、このチャーシューの味には覚えがあった。サンフランシスコの英語の通じないチャイナタウンで売られていた、竈で焼かれた豚の丸焼きとよく似ている。

そしてスープはよく澄んだ素直な醤油ベースのスープ。

「シウマイ」はかなりデカく、食べ応えたっぷりだ。今ではラーメン屋といえば餃子だが、なんでも戦前は餃子ではなくシウマイだったらしい。

油断してたくさん注文するとボリューム的に半端ないことになるので気を付けよう。筆者、最初は何も考えず5個頼むつもりだったのだが、3個で正解だった。

・納得の元祖感

ラーメンの多様化が爆発的に進んだ現代からすると、見た目や具材、味そのものに飛びぬけた特徴は無い。が、食べた瞬間に感じる圧倒的な元祖感。あらゆるラーメンの味を遡ったら、きっとここにたどり着くんだろうなぁというような納得が生じる。恐竜の化石と現代の鳥を並べて見比べた時の感覚に通じるものがある。

また、ラーメンが今ほど一般的ではなかった時代にこんなものが登場したら、そりゃあ大ヒットするだろうと。それほどに美味い。まるで米と味噌汁のセットのごとく、味覚になじむ味だ。なんだこの醤油ラーメンは。今まで多くの人気なラーメンを食べてきたが、来々軒の「らうめん」は間違いなくトップクラスに美味い。

元祖ではあるが、これを超える現代の醤油ラーメンというのもなかなか無いのではないか。シンプルで視覚的なインパクトこそ皆無だが、しかし全ての要素がハイレベルな調和を見せている。普通に素でスープを完飲してしまった。

これは是が非でも「チャーシューワンタンメン」を食べに再訪しなければなるまい。元祖なラーメンに好奇心を刺激されて食べに来たが、これほどまでにハイクオリティとは。ラーメン博物館では、創業当時の繁忙期には1日に2500人から3000人もの来客があったというストーリーを紹介していたが、なるほどなぁ。

割と万人にお勧めしたいウマさだが、まあ好みにもよるだろう。ラーメン好きには、茹でた麺は一切認めない博多系や、ニンニクと背脂の量が全てな二郎系、まるでセメント並な濃度の煮干し系といった、何かしらの方面で尖り気味なラーメンのみを至高とする過激派も多い。

来々軒の「らうめん」にはそういった特徴は無い。この通りオーソドックスな醤油ラーメンなので。しかし、シンプルな醤油ラーメンが好みであれば、来々軒の味は最優先で体験しておくべきだろう。

参照元:新横浜ラーメン博物館、Twitter @ramenmuseum
Report:江川資具
Photo:RocketNews24.


Source: ロケットニュース24

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