シェアハウス体験記:冷蔵庫を鍋だらけにする証券会社勤務OLの怪

シェアハウスの冷蔵庫を占領するAさん
教員、薬剤師、一部上場企業の正社員など、不思議と社会的身分が高めの女子ばかりが住んでいたというシェアハウス。その中でも、ひときわ目立っていたのが、外資系証券会社にお勤めのAさん(27才)。

有名な外資系証券会社に勤め、年収がいいのに、シェアハウスに住んでいる理由は「住まいにこだわりがないから」。しかし、この高年収女子には、奇行があったのです。

同居していたという不動産コラムニスト・吉井希宥美さんが、その中身を語ります。

Aさんの朝食は一汁三菜で優雅に始まる

私は残業が嫌いなので、早めに出社するために始業時間の1時間以上前に出社しています。でも朝ご飯はしっかり食べたいので、朝6時にはキッチンへ向かいます。

音を立てないようにそっとキッチンのドアを開けると、ドアの向こうに毎日必ずいるのがAさんでした。Aさんは、身のまわりのことをきっちりこなし、出勤前には、ブラウスにも自分の髪にも毎日アイロンをかけること品行方正な女子。Aさんは食べ方も美しく、メニューも朝から完璧で一汁三菜。パジャマを着ていても育ちのよさがにじみ出ています。

いっぽう私の朝食はインスタントのお茶漬け。テーブルの隅でお茶漬けをすすり、さっと茶碗を洗ってすぐ部屋に戻ります。

みんなの鍋は私の鍋?

シェア生活にも少しなじんできたある日、まじまじとAさんの行動を見る機会がありました。まずAさんは冷蔵庫から味噌汁の入った片手鍋を取り出し、コンロで温め始めました。鍋や菜箸、フライパンなどのキッチンツールは共有物で、キッチンには「使ったら元に戻しましょう」の貼り紙がしてあります。

密閉容器やコップなどの私物をキッチンに放置することは禁止。自分の部屋で管理することになっています。ですが、Aさんは温め終わった味噌汁をお玉1杯分だけお椀によそい、残りは鍋ごと冷蔵庫に戻していました。

思わず「マイ鍋ですか?」と問いかけてしまったのですが、「あ、これ、シェアハウスのやつ」と感情の入っていないトーンで答えが返ってきました。シェアハウスでは自炊する人が多いので、鍋を占領してしまうと他の人が困るんじゃないかな…、と心の中でつぶやきながら「そうなんですね」と言ってその場を立ち去りました。

冷蔵庫を占領していたバラエティ豊かな鍋の中身とは

シェアハウスの冷蔵庫は3つあります。基本的にはどこを使ってもいいルールになっていますが、暗黙の了解で誰がどこの冷蔵を使うかが決まっています。私はピンク色の冷蔵庫を、Aさんはシルバーの冷蔵庫を使っているので、普段、銀色の冷蔵庫を開けたことはありませんでした。

ある日、ピンクの冷蔵庫の冷凍室が満杯でだったので、シルバーの冷蔵庫に入れることにしました。その際たと冷蔵室を見てみると、大小の鍋が4つも入っていました。鍋の中は、「味噌汁」「麦茶」「かつ丼の具のような卵とじ」「肉じゃが」。あとでシェアメイトに聞くと、すべてAさんのものだったそうです。

洗面所でもゆったりホットカーラーを

しばらくすると、シェアハウスの管理会社から「料理は自分の密閉容器に移し、名前を書いて冷蔵庫に入れてください」という注意メールが全員に配信されました(管理会社はトラブル防止のため何かあると全員にメール配信します)。

これを読んだとき「さすがにAさんももう冷蔵庫に鍋を入れないだろうな」と思いながら、翌日キッチンに行くと、共有の鍋に水と麦茶パックを入れたものがシンクの上の棚に置いてありました。冷蔵庫に入れなければ共用鍋を占領してもいいと解釈したようです。

シェアメイトの情報によると、私が退去した後も、何度か同じようなメールがその後も配信されているにも関わらず、いまだに麦茶だけは鍋に入れてキッチンに出しっぱなしで出勤しているそうです。

ちなみに、出勤時間がほぼ全員同時のため、歯磨きの順番を待っている人がいるにも関わらず、洗面台の前で毎朝ホットカーラーを温めて髪を巻いていたAさん。シェアハウスの共用部と専有部の違いについて、いまひとつ理解していないようです。

イラスト/押本達希

Source: 日刊住まい

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