防災備蓄2級プランナーでもある、くらし評論家の大木聖美さんは、東日本大震災以降水や食料だけでなくラジオや懐中電灯、非常用トイレなどひと通りのものは準備してあるそう。ですが、被災者の体験談などを聞くうちに、まだまだ足りないものが見えてきたといいます。
それは水のいらないシャンプー、口腔ケアグッズ、爪切り、アルミ防寒シートの4つ。なぜそれらを買い足したのか、詳しく教えてもらいました。
水のいらないシャンプーとドライシャンプーシート
災害を経験した方によると、髪の毛を数日洗えないというのは想像を絶するほどの不快感だそう。入院中の方や介護が必要な方にも重宝されているという水のいらないシャンプーは、災害時にもとびきり役に立つと聞いて、すぐに買い足しました。
近隣のドラッグストアのシャンプーエリアですんなり購入できました。スプレータイプで、透明。香りはエタノールとミントのさわやかな香りがほんの少しする程度です。
私が購入したものはセミロングの方が7、8回使用できる量との記載がありました。4人家族の筆者宅なら1人当たり2回使用できる計算です。価格は400円程度。
災害時は水が貴重になると想定すると、とてもじゃないけど1本では足りなさそう。とりあえず家族の人数分買い足しました。
購入後、試しに使ってみることにしました。髪の根元にまんべんなく吹きかけ、よくマッサージしたあと軽く拭き取って完了。
シートタイプのドライシャンプーシートも購入してみました。こちらは直接地膚を拭き取るイメージで使います。
どちらもあっという間に乾き、スーッとした使用感でかなりの爽快感を味わうことができました。ベタつきなどもなく、髪もサラサラになってとても快適です。
手軽に歯の汚れを取り除ける口腔ケアグッズ
災害時は思うように水を使えなくなることが想定されますので、いつも通りに歯磨きをするのは難しくなりそう。
水がなくても歯を磨ける拭き取りタイプの歯磨きシートを持っていれば、手軽に歯の汚れを取り除くことができて安心です。
どちらも近隣のドラッグストアで購入。右の個包装タイプはトラベルコーナーに、左の大容量サイズは介護用品コーナーにありました。
さらに口をすすぐだけでスッキリするマウスウォッシュも買い足しました。
意外に忘れがち、な爪切り
爪が伸びるととても気になりますし、怪我の原因にもなりかねません。報道やSNSなどで、避難中、爪が切れずに不快な思いをした方が多いと知り、非常用持ち出し袋に追加することにしました。
防寒や防雨、防風にも。軽くて扱いやすいアルミ防寒シート
大判のアルミ素材のシートは、もともと防寒用に非常用持ち出し袋に入れていましたが、子どもの分として2枚しか備えていませんでした。
しかし、寒い季節に被災して十分に暖を取れず寒い思いをした、という方の体験談を報道などで知り、やはり家族の人数分必要だと考え、つい最近買い足しました。
薄くて軽いのでとってもコンパクトに収納できるし、持ち運ぶのもとてもラク。防寒対策としてだけでなく、防雨や防風という役割も果たし、いざというときに体力を温存するのに役立ちそうです。避難所で使うことを想定し、ガサガサと音がしない静音タイプのものを選びました。
いつ起こるかわからない災害に備え、色々なところで情報収集し、必要と感じたものはその都度買い足すようにしています。
備えあれば憂いなし。気付いたものからコツコツと、ひとつずつ。できるときにできることをして備えておきたいと思っています。
●教えてくれた人/大木聖美さん
横浜在住の暮らし評論家。整理収納アドバイザー、防災備蓄2プランナー などの資格を持つ。片付け・掃除・家づくりなど暮らし全般の情報を日々ブログ「我が道ライフ」にて発信中
Source: 日刊住まい