理想的なパントリーの間取り。位置や広さ、つくれない場合も解説

食器棚の一部をパントリーのように多目的に使える収納スペースに

パントリーがあると、キッチンの使い勝手がぐっと良くなります。
「それほど広いスペースでなくても、ある程度フレキシブルに、キッチンまわりのいろいろなモノがしまえる場所があるといいですよ」
そうアドバイスするのは、たくさんのオーダーキッチンを手掛けてきた家具工房「フリーハンドイマイ」の代表・今井大輔さん。パントリーをつくることのメリットや、どんなふうにつくればよいか、詳しく教えてもらいました。

「とりあえず置いておける場所」があると暮らしやすくなる

決まったモノを決められた場所にしまう収納も大切ですが、「とりあえずどんなモノでも置きやすい場所」があることで、暮らしやすさは格段に良くなります。

お客様のお宅でときどき見かけるのが、収納家具をつくったのに、モノがしまいきれていない状況。具体的には、ミネラルウォーターのペットボトルや缶ビール、お米など、飲み物や食品のストック、キッチンペーパーなど日用品のストックです。

買い置きするモノって、運びやすいように取っ手がついていることが多いですよね。取っ手が付いているとつい、ちょっとだけここに置いておこう、となり、いつの間にかそこが定位置になってしまいがちです。

さらにその上にも細かなモノが載ってしまって、下のモノが取り出しづらくなる、という悪循環になってしまうことも。

モノの場所をきっちり決めて収納することも大切ですが、とくにこうした消耗品などは、一時的にラフに置いておけるパントリーのようなスペースがあると助かるのではないかと思うのです。

パントリーの位置は玄関とキッチンの間、ややキッチン寄りが理想的

キッチンの背面にパントリーを設けたお宅

ではそのパントリーは、どんなスペースだと使いやすいのでしょうか。

今まで私がお客様に提案したパントリーは、半畳~2畳くらいの広さが多く、調理道具や食器以外の、あまり頻繁に出し入れしないモノをしまうことを目的にしています。

ですので、パントリーを設けるのに理想的なのは、玄関とキッチンの間で、ややキッチン寄りの位置、なのではないかと思っています。

例えば買い物から帰ってきたとき、すぐに使うモノは冷蔵庫に、ストックするモノはパントリーにしまいます。「玄関→パントリー→キッチン」という動線があれば、最小限の移動で済むので、時短にもつながります。

私が今まで家具をつくらせていただいたお客様の中で、モノがしまいきれていないように見えたお宅には、やはりパントリーと呼べるような場所がありませんでした。

パントリーと呼べるスペースを取りづらい場合でも、広くなくていいので、パントリーの代わりになるような収納場所を確保しておくと、自然とスムーズな動線が生まれて、部屋の整理整頓も進みます。

パントリー代わりのスペース、でもOK

ちなみに、私の家にもパントリーと呼べるスペースを設けませんでした。パントリーというスペースをつくってしまうと、居住スペースがかなり狭くなってしまうからです。

今井さん宅のキッチン

そこで、広めに取っていた玄関の収納スペースの一部と、食器棚の一部(写真の吊り戸棚の左側)に、パントリーのように多目的に使える収納を設けて、その2か所をパントリー代わりにしています。

パントリーのように多目的に使える収納

食器棚の一部には乾物、お菓子、比較的すぐ補充するお酒(笑)、かさばる密閉容器類、お重などの季節の器、お菓子づくりの道具、ときどきしか使わないオーブンの天板などがしまわれています。

また、直射日光を避けられる玄関の収納スペースの一部には、根菜や果物、ペットボトルの水、資源ゴミなどを置いています。そのおかげで、キッチンにモノがあふれず、使いやすい状態を保つことができています。

パントリーの中は「見渡せる」ことが大切

キッチンの奥にパントリーを設けたお宅

また、キッチンの奥にパントリーを設ける場合もあります。

その場合は、食材やふだん使わない道具などを置くほか、レンジやトースターなどの調理家電、場合によっては冷蔵庫を置くスペースを設けることもあります。そうすることで、キッチン周りを広く取れるので、料理に集中しやすくなります。

家族みんなで料理することが多いお宅の場合は、キッチンからパントリーを抜けてダイニングにアクセスできるようにするなど、回遊性のある間取りにするとより使いやすくなります。

可動式の棚がたくさん並んでいるキッチン

パントリーの中は、そのスペースに入ったら、もしくは扉を開けたら見渡せるようになっていることが大切です。要するに、可動式の棚がたくさん並んでいるだけのシンプルな形がいちばんフレキシブルに使えると思います。

どんなモノをしまうかあれこれ悩むことなく、「とりあえずどんなモノでも見やすく置いておける」パントリー的なスペースが少しでもあると、モノの管理、整理がしやすく、来客時にも慌てずに済みます。

家をつくるときやリフォームの際にこういうスペースを設けておくと、スペースにも心にもちょっとゆとりができて、毎日の暮らしがラクになるのではないかと思います。

●教えてくれた人/今井大輔さん
暮らしに寄り添うオーダーキッチンやオーダー家具を手掛ける家具工房「フリーハンドイマイ」代表。神奈川県高座郡に工房とショールームがある

Source: 日刊住まい

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