木製家具の手入れ「金属による黒ずみにはレモン汁」「ゴムとの長時間の接触は避ける」

リビングボード

引き出しや扉が開けづらくなったり、板が反ったり、天板にシミができたり…。しっかりと考えて、丁寧につくられたものであっても、キッチンや家具は暮らしていくための道具なので、使い続けるうちに何らかのトラブルが起きたり、ダメージを受けたりするのは仕方のないことです。

ですが、きちんとつくられたものであれば、適切な手入れや修理をすることで、ずっと使い続けていくことができます。

「お客様には、使い方やメンテナンスについてのお話をさせていただくことが多いです」
そう話す家具工房「フリーハンドイマイ」の代表・今井大輔さんに、具体的なメンテナンス法について教えていただきました。

納品後、意外によく聞かれるのは引き出しの外し方

オリジナルキッチンとバックカウンター

オーダーキッチンやオーダー家具というのは、つくって納品したら終わりではなく、そこからお付き合いが始まるものです。ですので、納品してしばらく経ったタイミングで、写真撮影を兼ねてお客様のお宅に伺うようにしています。

なぜそのタイミングかというと、家具を使っている様子を写真に納めたいという気持ちももちろんありますが、お客様から実際の使い心地を伺うには、時間をおいたほうがいいから、という理由もあります。

新居の引き渡しのタイミングで納品すると、よく「家全体のボリュームが大きいので、そちらで頭がいっぱいになってしまって、キッチンや家具の使い方まで頭に入ってこなかったです」と後から言われることもありました。

たしかに私が自宅を建てた時もそうでした。住み始めてから慌てて取扱説明書を読み始めたりして…。

引き出しを開けたところ

たとえば、引き出しの外し方。写真撮影に伺ったタイミングで、どのように外すかをお伝えします。

引き出しの隙間からビニール袋や紙、輪ゴムといった細かいものが奥に落っこちてしまい、その際引き出しが外せなくて困る、と相談されることがよくあるからです。

どのレールもワンタッチでロックが解除できるのですが、その解除の方法がレールによっていろいろあるので、使い始めてしばらくしたタイミングでお伝えすると、すんなり頭に入りやすいようです。

ウレタン塗装は基本メンテナンスフリー。傷や輪ジミには注意を

ダイニングキッチン

家具表面のお手入れ方法についても同じタイミングでお伝えするようにしています。私たちのつくる家具は、おもにオイル塗装かウレタン塗装で仕上げることが多いです。

ウレタン塗装の場合は、しっかりした塗膜が表面にできあがっているので、基本的にメンテナンスフリー。水や洗剤をつけたふきんでしっかり掃除していただいて大丈夫です。

ただ、ウレタン塗膜も10年くらい経つと少し劣化してくるので、熱い湯飲みなどを置いておくと、うっすらと白い輪ジミが残ってしまうことも。ですので、茶托やコースターなどを使ったほうが、長くきれいに使うことができます。

また、ウレタンは樹脂ですので、引っかき傷などがつくと白く跡が残ることがありますので、気を付けて使いたいところです。

とくにチェリーやウォールナットなど、元々の木の色が濃いものをウレタンクリアで仕上げると、引っかき傷は案外白く目立ちます。軽い傷の場合は蜜ロウなどを擦り込むと、目立たなくなることもあります。

オイル塗装でも水拭きして大丈夫。濡れた台拭きやゴム製品には注意を

ダイニングテーブルと椅子

オイル塗装の場合は、ウレタンよりも塗膜が薄い分、無垢材そのものの手触りが楽しめるというメリットがあります。ですが、その分どうしても汚れはつきやすくなります。

それを味わいととらえるのも良いのですが、なるべくお手入れをしながらきれいに使い続けたいものです。

もし汚れが付いてしまったら、水拭きしても大丈夫です。固く絞ったふきんで拭くのが理想ですが、たとえば小さなお子さんが納豆や油ものをこぼしてしまったという場合は、多少水気の多いふきんで拭いても大丈夫です。

さらに落ちにくい食べ物汚れの場合は、少し中性洗剤などを含ませて拭き、そのあとはしっかり水拭きをして洗剤を取り切ってください(アルカリ性洗剤が残ると黒ずみの原因になるので)。

また、濡れた台拭きなどをうっかり置きっぱなしにしてしまうと、黒ずんでしまうことが多いのでお気を付けください。基本は濡らしたら良く乾かすことで、木の表面にあまり負担をかけずに済みます。

また、ゴム製品を置いておくと、乾燥したオイルと反応するのか、黒く跡が残ることがあります。これはなかなか消えないので、ゴム脚の付いたものなどはそのまま置かずに何かを敷いたり、ゴムの部分にフェルトを張ったりすると良いです。

いろいろと書きましたが、ごく自然に使っていれば、それほど汚れはつかないと思います。

金属製品による黒ずみはレモン汁できれいになることも

金属製品による黒ずみにレモン汁を垂らす

お客様からよく相談されるのは、金属製品による黒ずみです。金属製品の内訳は缶ジュース、缶ビール、海苔の缶、茶筒、ホーローが剥げて金属が露出した器やトレイなどなど。

濡れた金属製のものが木の表面に直接触れていると、木の中のタンニンと反応して、黒く跡になってしまうのです。早いと40分くらいでうっすら黒くなることもあります。

そうなってしまったとき、私はレモン汁を使ってきれいにすることが多いです(お酢だとあまり良い効果が見られませんでした)。

黒くなった部分にレモン汁を垂らして、そのまま3、4時間放置すると黒ずみが中和されて、色が抜けていきます。

そのあとにレモンのべたつきを水拭きして、その上から軽くペーパーで研磨をして、蜜ロウを塗ってあげるときれいになることが多いです(樹種や放置した時間、範囲によっては効果が見られない場合もあります)。

肌の手入れと同じように、家具が乾燥してきたらオイルや蜜ロウを

ダイニングテーブル

先ほど、オイル塗装の場合でも、もし汚れが付いてしまったら水拭きしても大丈夫と書きましたが、水拭きすると、オイルが少しずつ除去されてしまいます。

ですので、オイル塗装仕上げの家具は、定期的にオイルを塗ると表面が保護されます。また、エアコンの風や直射日光が当たるところも、木の表面がストレスを受けてザラつくので、やはりオイルをまめに塗ってあげると良いです。

ただ、油分をしみこませるだけだとザラつきは取れませんので、ザラつきが気なる場合はサンドペーパーをあてることをおすすめします。

400番~600番のサンドペーパーで軽く撫でるようにこするだけでザラつきが取れますので、それからオイルや蜜ロウを塗ってあげると、ツヤが出て、手触りも良くなります。

お客様には、「ウレタン塗装はお化粧品でいうとファンデーションのようなもので、外からのストレスをしっかり防ぎます。オイル塗装は内部に浸透して保湿する化粧水のようなイメージです」とお伝えしています。

風が強かったり、寒かったり暑かったりすると、肌は乾燥してカサついてしまいます。木も、オイルが摩耗してくると乾燥して汚れが付きやすくなったり、ザラつきが出たりします。お肌の保湿をするようにオイルや蜜ロウを塗ってあげることで、心地よく使い続けることができます。

家具やキッチンを納品して終わりではなく、お客様が家具やキッチンとともに心地よく暮らしていくためのお手伝いができる。
写真撮影に伺ってお話をするたびに、そうしたお客様が増えていくことを嬉しく感じています。

●教えてくれた人/今井大輔さん
暮らしに寄り添うオーダーキッチンやオーダー家具を手掛ける家具工房「フリーハンドイマイ」代表。神奈川県高座郡に工房とショールームがある。
※フリーハンドイマイのブログ「輪染みを消す方法 テーブルメンテナンス(オイル塗装の木のテーブルの場合)」にレモン汁を使って輪染みを消す方法が詳しく書かれています

Source: 日刊住まい

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