テレビボードをオリジナルでつくって、収納を広めに確保。リビングで使うものを片づける

テレビを観たり、本を読んだり、くつろいだり。リビングでのひとときに幸せを感じる人は多いでしょう。でも一方で、リビングで使うものが増え、収納スペースを確保するという問題が生じることも。

そんなとき、検討してほしいのが「オリジナルのテレビボードを造作して収納スペースを確保する」という選択肢。建築家の新井崇文さんが、設計した事例を交えながらその手法についてご紹介します。

ダイニングリビングのテレビボード

市販のテレビボードにはない、オリジナルのメリットは?

高さが低めのテレビボード

収納の話をする前に、まずは、テレビボードの基本的な解説から。

市販のテレビボードで多いのは、高さ40~45cm程度のもの。「ソファに座ってテレビの中心を観た際、目線が少し下になって、疲れにくい高さだから」というのが、その理由のようです。

この手のテレビボードでは、内部に大きな収納スペースをとることが難しいもの。DVDプレーヤーや、ソフト、ゲーム機などテレビ関連の機器が入る程度の、コンパクトな収納量となります。

リビングダイニングのテレビボードの高さは60~70cm程度にする

もっとも、テレビはソファに座って楽しむとは限りません。リビングとダイニングがワンルームの間取りでは、ダイニングのチェアに座った位置からもテレビを観ることも。

この場合、テレビボードは高さ60~70cm程度にしてもよいでしょう。ソファよりもチェアのほうが座った時の視点が高くなるし、あまりテレビ位置が低いとダイニングテーブルやチェアに遮られて見えづらいこともあるからです。そして、なんといっても「テレビボードの高さを生かして、収納スペースを確保できる」というメリットがついてきます。

ただし、市販のテレビボードで高さ60~70cm程度のものは種類が少なく、部屋に合うサイズ、気に入った形状やデザインのものが見つからない場合も多いもの。

そこで今回提案するのが、「専用のテレビボードをオリジナルでつくる」ということです。

では、具体的な事例を見ていきましょう。

事例1.カウンターを兼ねた、高さのあるテレビボードで収納を確保

65cmのリビングボード

このお宅は、リビングとダイニングキッチンがワンルームの間取りとなっています。テレビはリビングだけでなく、ダイニングからも観ることが想定されました。そこで、テレビボードはカウンター高さを、やや高めの65cmに設定してつくりつけ、テレビボード内の収納スペースも大きく確保できるようにしました。

扉を閉じたリビングボード

カウンター直下の横長のオープン棚は、DVDプレーヤーなどの機器を設置するためのもの。中央下段のオープン棚はスピーカーを設置するスペースです。そして、左右下段の扉つきの棚は、AV機器まわりとは別で、リビングで使うものを収納する場所です。

扉を開けたリビングボード

扉を開けると内法高さで45cm程度の収納スペースがあり、可動棚が1枚あります。住まい手は現在、ここにおもちゃや趣味のものなどをしまっています。

事例2.キャスターつきの引き出しを組合わせたテレビボード

リノベ物件のテレビボード

こちらのお宅は改修(リノベーション)の事例です。庭に面して、リビングとダイニングキッチンがワンルームの間取りになっています。

コーナーにピッタリのリビングボード

リノベーションでは既存の外壁やサッシを極力生かすことがコストパフォーマンスにつながります。そのため、2つの窓はそのままに。となると、ソファを壁側設置したら、テレビは必然的にコーナー部分に配置することになります。

リビングボードのアップ

コーナー設置のテレビボードは市販品のバリエーションが少ないもの。しかも、大きな収納量も確保したテレビボードとなると、選べるデザインもより限られてきます。そこで、テレビボードを造作することにしました。

テレビボードの下部アップ

テレビを置くカウンターの高さは60cm。その直下にはDVDプレーヤーなどを収納する横長のオープン棚。その下が生活収納のスペースです。ただ、コーナー配置のため奥行きが深いのが難点。普通に扉つきの収納をつくったら、奥のものが取り出しにくくなってしまいます。

テレビボードから引き出しを出したところ

そこで、台車をつけたワゴン式の収納を設計・製作しました。引き出せば、奥にあるものが一目瞭然、簡単に取り出せます。このリビングで使う、愛犬用のドライヤー、子どものぬいぐるみやおもちゃなどが、ゆったりと収まります。

引き出しの裏側

台形のワゴン収納は、ひっくり返すとこんな形。4か所にキャスターがついています。

すっきりとしたリビング

収納の不足しがちなリビングにおいて、このワゴン収納により貴重な収納スペースを確保することができました。

オリジナルのテレビボードをつくって収納スペースを確保する。この2つの事例を、リビングの収納問題を解決するヒントにしてみてください。

●教えてくれた人/新井崇文さん
「新井アトリエ一級建築士事務所」主宰。横浜市在住。植栽を大切に外部から内部までトータルで考える心地よい空間デザイン、暮らしやすさに配慮した収納計画や造作家具、健康で快適な自然素材を大切にした住宅の設計を手がけている

Source: 日刊住まい

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