【フードロス対策】結婚式キャンセルで行き場をなくしたギフト販売で厳しい声……消費者にはお得なのか内容を検証してみた

感染症対策で大規模イベントの自粛が求められているが、結婚式も例外ではない。ブライダルアイテムを扱う株式会社PIARY(ピアリー)によると、引き出物として配られる予定だったお菓子のキャンセルが相次ぎ、行き場をなくしたお菓子はおよそ600万個。それらを今回限りのセット商品にして「赤字覚悟の破格値にて、さらに送料無料でお手配」というフードロス対策を打ち出した。

TBSの『Nスタ』でも取り上げられたそうで、筆者もとてもよい取り組みだと思った。1セット購入し、先日ついに商品が届いたのだが、実は気がかりな点がいくつも出てきた。どのような内容だったのか、順を追ってご説明したい。

・筆者が購入したものはこちら

筆者が注文したのは「老舗お菓子屋の高級焼き菓子 マリアージュを楽しむセット コーヒー&紅茶15点おまかせ詰め合わせセット(税込3800円)」で、現在は販売されていない。4月時点では「12点セット」「20点セット」など複数展開されていたが、お菓子は人気のようで次々に品切れになっていった。

内容は「おまかせ」で、「対象商品の中から○点」という目安が写真つきで紹介されていた。結婚式キャンセルはいつあるか分からないので、在庫状況は刻々と変わるだろうし、福袋のようで待っているあいだも楽しく、そのシステムには好感が持てた。

ところが、到着した商品には「お詫び文」が入っており、「セット内容のボリュームが少ない」「届くのが遅い」といった購入者の声を受けているという。口コミを調べたところ大手ショッピングサイトのレビューでは「価格に見合った価値がない」という主旨の書き込みが散見され、SNSではコロナウィルスに便乗した在庫処分ではないか、優良誤認ではないかというような厳しい声もあった。実際にどうだったのか、筆者のケースについて説明していく。

・発送遅延について

筆者の場合、注文したのが4月下旬、到着が5月中旬なので、およそ3週間かかっている。また「発送完了」の連絡の後、実際に配送業者が自宅のチャイムを鳴らすまでちょうど7日間かかっており(自宅は離島などではない)、最近の配送集中があるにせよ、ここまで遅れたことはなかったのでちょっと困惑した。もう1日でも遅れたら、配送事故ではないかと問い合わせをするところだった。

なので、少なくとも商品到着までに時間がかかるという指摘に関しては事実であると思う。ただし、GWも挟んでいたしこの社会情勢なので、筆者的にはそれほど気になるポイントではなかった。「○日発送の予定です」「発送しました」というメールもちゃんとあったので、疑問は残るが連絡は丁寧だったと思う。

・商品のセット内容は……

セット内容は以下の15点。

【高級菓子A】バームクーヘン × 1点
【高級菓子A】ガトーフロマージュ × 1点
【高級菓子A】アーモンドショコラ × 1点
【高級菓子B】ブラウニー × 2点
【高級菓子B】フロランタン × 2点
【プチギフト】オレンジクッキー × 1点
【プチギフト】エディブルフルールクッキー × 3点
ドリップ珈琲 × 2点
ドリップ紅茶 × 2点

高級菓子A・B、プチギフトというのは同社の分類で、単価1000円相当のものが【高級菓子A】とされているようだ。“目玉商品” と言っていいだろう。【高級菓子B】と【プチギフト】の違いはよくわからなかった。

購入サイトで「高級菓子6点 + プチギフト5点 + 珈琲・紅茶各2点」という構成が最初から示され、実際は若干違ったが、価格の不公平はおそらくない。賞味期限は個別の記載はなく、一括して6月下旬になっていた。以下、お菓子の詳細だ。

【高級菓子A】バームクーヘン

【高級菓子A】ガトーフロマージュ

【高級菓子A】アーモンドショコラ

【高級菓子B】ブラウニーとフロランタン

【プチギフト】オレンジクッキーとエディブルフルールクッキー

ドリップ珈琲とドリップ紅茶

・商品はお得なのか

お詫び文にもあった「セット内容のボリュームが少ない」という声。大手ショッピングサイトで星1つなどの低評価がついているのは、ほとんどが同じニュアンスで「期待と違った」「内容にがっかりした」というものだった。

実際のところ、どれくらいお得なのかを単品購入と比較してみた。比較対象は製造元の「オリジナルあい」公式ホームページ。

それによるとバームクーヘン、ガトーフロマージュ、アーモンドショコラはそれぞれ1080円(税込)の商品なので、3点で3000円を超える。

その他の小菓子を合計すると、およそ5700円(税込)相当で、筆者の購入価格3800円は約34%オフということになる。配送料も無料。なので、価格的に損はしていない。

ちょっと気になるのが、ピアリーの公式サイトでセール(記事執筆時点)を行っており、例えば前述のガトーフロマージュは1080円 → 810円と25%オフ。すべての商品を同サイトで扱っているわけではないが、この割引価格を適用するとおよそ5000円相当の商品内容と言えそうだ。割引率は24%オフまで下がってしまう。

・期待とのミスマッチ

普通に買うことを考えると、24%オフは決して悪い数値ではない。しかし、結婚式ギフトは本来、お祝いムードを演出する箱やリボンなど、趣向を凝らしたラッピングをすることが多いだろう。『Nスタ』の商品映像も綺麗にラッピングしたものだった。

お詫び文によると、サービス開始当初はパッケージ済みの商品を送っていたが、それらが完売後は「中身のみ」を発送しているとのこと。筆者に届いたのも中身のみだった。

ギフトは「高級感」や「特別感」込みの価格設定なので、「お菓子そのもの」として見たときには見劣りして割高感が出てしまう。近くで普通に買ったほうが安いよね、となるのは自然な流れ。今回のようにラッピング費用がかかっていないなら、それを還元するくらいのお得感(ボリューム)が求められる。

また「フードロス」と言われると、廃棄されるしかない、商品としての価値を失いそうな食品を食べることで生産者も消費者もWin-Winの関係になることをイメージする。まもなく捨てられそうなのだから、まさに「赤字覚悟の破格値」を期待してしまう。今回のセット内容は、理屈では損ではないのだが、「こんなに!」という驚きは確かに弱い。そこに大きなミスマッチがあったのではないかと思う。

・社会貢献できたのか

今回、筆者としては商品が余って困っている製造業者を助けたいという気持ち半分、そしてお得に商品が手に入れば自分が嬉しいという気持ち半分で購入した。一方だけでもいいのだが、ほとんどの消費者は同じような感覚だと思う。

なので、自分が得をしなくても、寄附のように社会貢献できたなら溜飲を下げることもあると思う。例えば困窮しているいくつかのメーカーの商品を買い上げ、バラエティ豊かな特別セットとして販売するなどすれば、また違ったかもしれない。

しかし、複数展開されていた今回のセットはお菓子も飲料も全て同じメーカーの商品だった。セットにする手間を考えると一社に集約する方が効率的だと言えるが、普通に通信販売で買ったような感覚で、製造業界の助けになったというのが感じにくかった。

ちなみに味は、最高級品とはいかないが、普通に美味しかった。可愛くラッピングされて新郎新婦からもらったら、嬉しく受け取ると思う。

・複数の要因

今回の一件は「商品発送まで長い待ち時間が生じたこと(こんなに待ったのに、という気持ち)」「ギフト商品の特性上、ラッピングがないと見劣りすること」「フードロス対策にも関わらず思いきった値引きでなかったこと」「商品が特定のメーカーだったこと」など複数の要因が重なって、販売者と消費者のミスマッチが生じたように思われる。

実は筆者の商品にはお詫び文とともに、バームクーヘン1点が追加されていた。1080円(セール価格810円)相当の商品なので、ボリューム感はだいぶ増したと思う。なので、善意のフードロス支援と考えれば納得できるものだった。

いち消費者には内情はわからないのだが、捨てられるはずだったお菓子を消費し、製造者の助けになったことを信じたい。なお、対応はケースバイケースだと思われるので、セット内容もお詫び商品も必ずしも他の購入者と同じではないことをご了承願いたい。

参考リンク:株式会社PIARYPIARY楽天市場店株式会社オリジナルあい
Report:冨樫さや
Photo:RocketNews24.


Source: ロケットニュース24