遊ぶ、寝る、収納がここで完結。小上がり@マンションリノベって最強!

寝室兼リビングの畳スペース

「戸建ては管理や手入れが大変そう」と考えていたMさん夫妻は、工夫次第で自分たちの思い描く家が実現できると感じた中古マンションのリノベーションを選択。ファイナンシャルプランナーに今後のお金のことを相談しながら予算を検討し、土地勘があった大阪市豊中市に建つ築年数44年のマンションを1500万円で購入します。

平野玲以建築設計事務所に設計を依頼し、工事費1000万円(税・設計料込み)をかけて、3人の子どもとのびのびと過ごせるぬくもりあふれた空間をつくり上げました。

ワイドな畳スペースは小上がりにして収納量を確保

小上がり

敷地内に子ども用プールや豊富な緑があり、住民同士の挨拶が心地よく交わされるマンションにM邸はあります。特徴的なのはLDKの半分を占める畳敷きの小上がり。

リビングであり、寝室であり、また子どもたちの遊び場でもあるという多様な畳スペースは、床下が収納になっていて、主に寝具をしまっています。通常よりも薄いタイプの畳を選ぶことで、下の収納スペースをできるだけ広く確保したのだそう。

さらに、夫の希望だった大容量のオープン棚にも本やDVD、子どものおもちゃまでたっぷりしまえるという、収納力の高い空間になりました。

デスクコーナー畳スペースからリビングを見ると、3人の子どもたちのデスクが並ぶスタディスペースがあります。デスクはキッチンカウンターや小上がりの天井と同じラワン合板で造作しました。上部にスリットを設けることで、壁の向こうに位置する玄関に光を届けています。

キャットスペース小上がりはぐるりとL字型に障子で囲われています。あえて窓側にも障子を設けているのは、断熱効果を期待してのこと。

また、明るい窓際にはモルタル土間のキャットスペースをつくり、猫用トイレを配置しました。窓の上には、雨の日などに便利な室内干用のバーも取り付けてあります。

ナチュラル空間にスッと溶け込む男前キッチン

風通しのいいリビングダイニング

部屋の東西に窓があるため、リビングダイニングは心地よい風が通り抜けます。フローリングには色ムラや節が多いのが特徴である、アカシアの無垢フローリングを採用。「表情があるフローリングの方が好みなので、気に入りました」と妻は話します。

キッチンキッチンカウンターはラワン合板で仕上げて、リビングダイニングの雰囲気に似合うナチュラルなテイストに。カウンター前にダイニングテーブルを配置したので、配膳や後片付けもスムーズです。

厨房のような無骨なキッチン

壁一面にタイルを貼ってアクセントにしたキッチン。「仕事中もずっとタイル選びのことで頭がいっぱいでした」と妻は笑います。

最終的にはtoolbox(DIYショップ)で購入した「ハニカムタイル」をチョイス。コバルトブルーの六角形タイルはムラがあり、どこか懐かしい雰囲気をまとっています。

キッチン厨房のような無骨なキッチンを希望していたMさん夫妻は、予算に合うIKEAのステンレスキッチンを採用。広い天板を利用して、子どもたちとパンやお菓子づくりを楽しんでいるのだそう。大量の食器や調理器具が洗える食洗器を今後設置する予定です。

雰囲気を変える障子

キッチンからはリビングダイニングが一望できます。小上がりの障子をすべて閉じると、空間全体が端正な表情に一変。夫が夜勤明けの日中も、障子が日差しをやわらかく遮ってくれるのでぐっすり寝られるそう。

5人そろって靴を履けるゆったりめの土間

玄関

趣味のロードバイクが置けて、家族5人が一斉に靴を履ける広い土間は妻が最もこだわった空間。収納には靴のほかに自転車のツールもしまってあり、このスペースでメンテナンスをしているのだそう。

ウォークインクロゼット廊下沿いには家事室を兼ねたウォークインクロゼットを設けました。衣類のほか、家電や季節用品などもこちらに収納。また、懐かしい雰囲気の引き戸のガラスには、防災も考えてデザイン性の高い飛散防止フィルムを貼っています。

サニタリー

ウォークインクロゼットの向かいはサニタリー。LDKに入る前に手を洗って洗濯物を出し、向かいにある家事室で着替えを済ませるという動線が整い、子どもたちはひとりでも片付けができるようになったといいます。

洗面祖母宅の洗面台をイメージして、花の形のタイルを施したノスタルジックな仕上げに。収納扉の右側にはティッシュペーパー入れをセッティングして取り出しやすくし、その下にダストボックスにつながる丸い穴を開けています。花粉症の時季にとても役立つとのこと。

あえて子ども部屋は設けず、リビングの一角にスタディスペースにデスクを造作したMさん夫妻。

「3つのデスクと3つの棚を横一列に並べました。小学生のお姉ちゃんは、ここで宿題をしています。保育園に通う次女も真似して隣の机に座ったりして(笑)。自分だけの場所ができてうれしいようです」と3人の子どもと猫、みんながリビングでのびのびと暮らすM邸でした。

設計/平野玲以建築設計事務所
写真/水谷綾子
※情報は「リライフプラスvol.31」取材時のものです

Source: 日刊住まい

家族参加型リノベで憧れのヴィンテージマンションに住む

寝室

設計事務所に勤める辻孝祐さんが家族3人で住むのは、築48年のヴィンテージマンションです。「なんて素敵なデザインなんだろうと思ってから3年。憧れ続けたマンションに、今、家族で暮らしている。幸せに思います」と孝祐さん。

なかなか空きが出ない人気物件でしたがタイミングよく64.00平米の物件が購入でき、工事費900万円(税・設計料込み)でリノベーションを行いました。リノベにあたって大切にしたのは「思い出づくり」だったそうです。

風通しがよく自然光に包まれる暮らし

中庭

物件は都心から電車で30分ほど離れた、閑静な住宅街に建つ中規模の集合住宅。昭和を代表する名建築家・内井昭蔵氏が設計したものです。建物はもちろん、緑豊かな中庭も大きな魅力のひとつになっています。

ダイニング

「家づくりの日々を家族の思い出に残るようなものにしたい」と思った孝祐さんがリノベを依頼したのは、施主参加型リノベを提案するハンディハウスプロジェクト。「妄想から打ち上げまで」をコンセプトとする設計・施工のプロ集団です。

孝祐さんは照明などのディテール、妻の寛子さんは全体のイメージを考え、床張りや壁塗りには長男の結斗くんも参加したとか。「息子の3歳の誕生日には、まだ工事中の現場でみんなでケーキを食べたり(笑)。ハンディハウスプロジェクトは家づくりだけでなく、思い出づくりを手伝ってくれている感じがすごくありました」。

寝室

L型のLDだった空間には新たに寝室を設け、腰壁で仕切る形に。窓と同じサイズの内部開口をとることで、風通しと採光に配慮しています。プライバシーを確保したいときは、ロールスクリーンを下ろすそう。

リビング

既存では寝室だったところを子ども室とし、寝室と同様に東西の窓と同じサイズの開口を設置しました。「子どもが大きくなったら間仕切りを入れて個室にしてもいいかな。家族のスタイルに合わせて柔軟に」(孝祐さん)。

子ども室

子ども室には、将来、親子で並んで作業できるようにと長机を設けています。でも今は、結斗くんは「キリンさんの机」がお気に入りの様子。机は辻邸のリノベーションを担当したハンディハウスプロジェクトの加藤渓一さんがプレゼントしてくれたものです。

キッチン

キッチンには南と東に開口があって明るいだけでなく、目の前を遮る建物もないため、見晴らしも抜群。「忙しい朝も明るい日差しを浴びてシャキッと過ごせます」と寛子さん。

オリジナルキッチンは寛子さんがフランス留学時に住んでいたアパルトマンにならってⅡ列型に。

キッチン

1日分の食器が入るASKOの食洗機や大容量の収納、キッチンに置いた洗濯機は、家事のコンパクト化に役立っているそう。

ディテールも思いを込めてチョイス

LD

リビングとダイニングにはそれぞれ正方形の窓があり、その間に、出窓のように外側に飛び出る形の収納があります。居住空間が広くとれるようにと考えられた、このマンション独特の設計です。

リビング

LDKの床に採用したのは、ナラ突板。一般的には縦向きに張るところを、あえて横に張ることでアクセントにしました。

玄関

玄関収納はラワン材で造作。材の色が産地によって異なる点を生かし、遊び心のあるデザインに仕上げました。リビングのテレビボードも同じデザインで造作したものです。

トイレ

風呂、洗面、トイレなど水回りの配置は変えていませんが、色や床材などディテールで自分たちらしさを表現しています。トイレのドアは、既存をグレーに塗装しました。

洗面

洗面所はインダストリアルな雰囲気。ホーローシンクは、バウハウス・デッサウの寄宿舎などヨーロッパのショップや工場などで使われているオランダ・クアンテックス社のもの。壁面のタイルは地下鉄をイメージしています。

リノベから1年経っても「この床は僕が張ったんだよ」「ここの色塗りは大変だったよね」など、家にまつわることとなると、今も家族の会話がはずむといいます。「思い出づくり」をしたリノベ空間では、今日も新たな思い出が誕生していることでしょう。

設計・施工/HandiHouse project
撮影/水谷綾子
※情報は「リライフプラスvol.34」取材時のものです

Source: 日刊住まい

LDKとラウンジでおもてなし。くつろぎスペースいっぱいのリノベ

ゆったりしたキッチン

結婚後、ワンルームの賃貸に住んでいたKさん夫妻。約30平米と手狭だったこともあり、更新を前にマンションの購入を進めました。初めからリノベーション一択で、物件探しから頼めるリノベーション会社を探していたときにブルースタジオと出会い、内覧会などに参加したのちに同社に依頼。

江東区にある築年数43年、専有面積69.30平米のマンションを気に入って購入。コストバランスを調整しながら、ずっと欲しかった家具やブルースタジオの内覧会で気に入った施工を取り入れ、予算内である工事費880万円(税・設計料込み)で上質な暮らしを実現させました。

様々な家具が調和するゆとりあるLDK

家具でゾーニングしたLDK

リノベーションを機に買いたいと思っていた家具がゆったり置ける間取り、駅が近く付近に工場がないこと、マンションに飲食店が入っていないことなどを条件として物件探しを進めたKさん夫妻。その条件をすべて満たし、さらには眺めがいいうえ価格的にもベストだったというマンションを購入しました。

そしてブルースタジオのセレクトオーダー式リノベーションサービス「TOKYO*STANDARD」のベーシックプランを利用して、リノベーションをスタート。

自由設計でありつつ、素材や設備などの仕様は厳選されたメニューの中から選ぶというもので、「アイテムを選ぶといってもフレキシブルですし、セレクトできるもの自体がおしゃれで、とてもいいなと思いました」と夫は話します。

そしてリノベーション完成後はずっと欲しいと思っていたマルニ木工のチェアや波佐見焼の食器などを購入して、暮らしに彩りを添えています。

来客時もくつろげる広いリビング

リビングは来客が多くても十分に対応できるゆとりある空間に。正面の壁にプロジェクターで投影して、映画鑑賞会を開くこともあるのだそう。

また、テレビ台はホームセンターで購入した材料で夫がDIYしたもの。K邸には上質な家具、リーズナブルな家具、DIYした家具が混在していますが、どれも絶妙に調和していて、空間全体に上質さをもたらしています。

リビングには床暖房も検討しましたが、南向きで陽当たりがよいため不要と判断。さらにヘリンボーン張りのフローリングにも憧れがありましたが、シンプルな張り方にしてコストダウンにつなげました。

作業台の広いキッチン

夫婦揃って食事の準備をすることもあるのでキッチンの作業スペースはゆったりと確保。ダイニング側をスッキリさせたかったので、ガスコンロのみ壁側に設置してあります。

ダイニングの壁は既存クロスをはがして塗装する予定でしたが、躯体に残ったパテの雰囲気が気に入り、残すことに。

くつろぎのラウンジスペースはセカンドリビング

廊下のラウンジスペース

読書や家事の合間にくつろぐ場として利用しているラウンジ。玄関を入ってすぐの場所にあるため、視界が抜けて住まい全体にゆとりを感じさせます。

「友達が来たときは男性がリビング、女性がラウンジ、というふうに、いつの間にか分かれていたりします」と妻。壁のアンディ・ウォーホルの写真は、ホームセンターで買ったものを夫が額装しました。

本棚のあるラウンジ

ラウンジをつくるにあたり、サニタリーだった部分を削って廊下部分を拡張しました。そのため、サニタリーがコンパクトになって洗濯機を置くスペースがなくなったので、ランドリースペースを新設。

本棚の先のカーテンがかかっているところがランドリースペースの入り口です。

ランドリースペースではアイロンがけもでき、衣類の収納も備えました。「服を脱いで、洗って、片付けまでここで完結できます」と便利なスペースになったよう。

サニタリーと寝室を隣接させて便利な動線に

オープンクロゼットのある寝室

ふたつある個室のうち、リビングに隣接している寝室には大きな内窓を設置。ブルースタジオが手掛けたリノベ済み物件で見て気に入り、取り入れたのだそう。

黄色いアクセントウォールとの相性もよく、室内に明るさをもたらしてくれます。クロゼットは建具がなく、オープンにすることで使いやすくしました。

寝室とサニタリーが隣接

寝室の隣はサニタリー。「入浴して歯磨きをしたら、そのまま眠れます」とのことで、生活動線が快適になったのだそう。

洗面台のワイドなミラーキャビネットは、収納量がたっぷり。空間を広く見せる効果もあります。また、カウンター下の収納は、取り出しやすさを重視してオープンに。

スッキリしたタンクレストイレ

ラウンジと同じ床材を使って統一感を出したトイレ。トイレはタンクレスにして、シンプルな手洗い器を別で設けました。

リビングダイニングの窓からは荒川や観覧車、ディズニーランドの花火も見えるというK邸。当初から計画していたリノベ予算800~900万円でカフェなどに出かけなくてもくつろげる空間を実現できて、夫妻は満足そうにここでの暮らしについて話してくれました。

設計/ブルースタジオ
撮影/遠藤宏
※情報は「リライフプラスvol.31」取材時のものです

Source: 日刊住まい

バス&寝室の非日常感がすごい!アジアンリゾートみたいな家

調布市にあるKさん夫妻の家は都内近郊の駅から徒歩数分。共働きなので駅近を優先した結果、敷地は約62平米と狭小になりました。この家はダイビング好きな夫妻の好みを取り入れて、しっとりとしたアジアンリゾートの空気を漂わせています。 キッチンはLDと緩やかにつながっていて一体感を保ちつつ、小さくても集中して作業がはかどる工夫が満載です。

今までで最も狭いけど いちばん快適なキッチン

「さほど広さは望まず、機能的かつ趣味を反映させた家を希望しました」と夫。

夫妻はスキューバダイビングが趣味で、何度も訪れているタイのリゾートホテルの雰囲気を家に思い描いたそうです。設計を依頼したのはMDS一級建築士事務所の森清敏と川村奈津子さんです。

「タイのホテルの写真を見せていただきイメージを共有しました。帰りたいと思える家であること、緩やかにつながる内部空間、などの要望も伺いました」(森さん)。
そこから導き出された形は、奥から手前に徐々に小さくなる家型を連ねた外観の2階建て。内部の意匠にも家型をそのまま反映させています。子どもが描くような家型の仕切りは、海辺のコテージを連想させるようです。また床には段差をつけたことで小さな空間の中に多様な風景が展開し、豊かな表情を与えています。
メインの生活空間は2階。ダイニングとキッチンはひとつながりの空間で、複数の家型で緩やかに仕切られ空間の奥行きを感じさせます。

外に見せてもOK ! のオープン収納で作業が快適

キッチンは人が立つと窮屈さを感じるくらい小さな空間ですが、間口をフル活用して壁には上下段のオープン棚もつけるなど、使い勝手のいい工夫がいっぱいです。鍋やフライパンの類は、正面の壁を活用した3段の造作棚に収納。「オープンな収納を望んでいました。サッと取り出しやすく、片付けもラク」と妻も満足しているよう。
縦長のスリット窓からは風景が眺められるので外の気配を感じ、また外からは窓から内部の気配が感じられ暮らしの温かさが伝わってくるようです。

ワークトップはL字型にして広さを確保しました。何かと汚れがちな加熱機器回りを、ダイニングから視界に入らない側面に配しています。ワークトップのコーナー部に、家電などモノを置きやすいのもL字型のメリットですね。

「体の向きを変えるだけで移動が少なく、さらにテーブル背後のカウンターの活用で、皿の受け渡しもラクです。今まで住んだ家で最も狭いキッチンですが(笑)、使い心地は格別です」と妻。

レンジフードはオリジナルで製作し、ここでも家型デザインをモチーフに。家の中に家がいくつ ? などと数えるのも楽しそう !

冷蔵庫も家型ボ ックスにすっぽりと覆われ、生活感を抑えるのに成功しました。

ワイングラスの収納棚も冷蔵庫の裏側を活用した家型デザインです。 内部に仕込んだ照明が、バーのような大人っぽい雰囲気を醸し出しています。

キッチンとダイニングの間に設置したカウンターの下部を食器棚に活用しました。「調理中にも取り出しやすい位置で助かって います」。

アジアンフードはK家の人気メニューです。この日のランチは、野菜たっぷりのタイ風カレーとサラダ、ローストしたカボチャとヘルシーなメニューです。

ダイニングには、窓際に造り付けベンチを設置。横に手を伸ばせばワイングラスがすぐ取り出せる工夫で、ゲストのもてなしにもぴったりです。

豊かな素材使いで 非日常の雰囲気を

リビングは床と同じウォールナットのフローリング材を壁や天井に張った意外性のあるデザイン。印象的な空間に仕上がりました。特に天井は張るのに手間がかかり、面も広いため、職人さん泣かせだったとか。

しかし仕上がりを見ると、切妻状の天井部の収まりなどは思わず見入ってしまうほどの精緻さ。「天井の美しさを重視して、照明はダウンライトなどをつけず、必要最小限としました。夜は自然に眠くなり、朝は自然に目が覚めるんですよ」

ソファ側から見たリビングルームです。正面の造作TVボードはベンチ兼用。中に客用の寝具などが収められています。写真の右側は、建物とのすき間を活用したテラスになっています。プライバシーを確保しつつ、採光や外の気配を取り込んでいます。

自然石の質感がリゾート感をプラス

ふたり暮らしだからこそできる平面構成、それもK邸の持ち味です。特に反映されているのが、寝室と水回り、クロゼットをワンフロアでまとめた1階です。バスルーム正面の壁は外構などでよく目にする石貼りで、隣り合う寝室の端まで贅沢に施しています。非日常のテイストを取り入れてホテルライクなつくりと、ガラスの仕切りで視線が途切れることがないため、開放感とリラクゼーション効果を同時に味わえます。

浴室隣の寝室。室内の一部に自然の石を用いたいとの夫妻の希望をかなえました。自然石ならではの質感が独特の雰囲気を演出しています。バスル ームと寝室は一部スリット状のガラスで仕切り、双方をシースルーの仕上がりに。

ガラス壁でつながる寝室とバスルームです。「バスルーム側のガラスは透明感をキープするため、毎晩入浴後の拭き取り掃除をがんばっています」と夫。

洗面コーナーには奥行きの浅い棚板を設置し、コロンなどのボトル類の定位置にしました。木製のカウンターは内装の雰囲気にもよく馴染んでいます。

バスルームは、玄関ホールから続く廊下の突き当たり。家に入った瞬間、贅沢な石貼りの仕様が視界に入るのも魅力的ですね。
階段はスケルトンなので、2階からの自然光が階下にまで届きます。廊下の左側には大容量のウォークインクロゼットを造作しました。

屋根型の連なるデザインで、奥行き感を演出した外観です。限られた敷地のなかで、駐車場の確保と出入りしやすい玄関の配置などに腐心したそうです。念願をかなえ、南国のリゾートホテルライクな暮らしを手に入れたK夫妻の小さくて豊かな家を拝見しました。

撮影/川辺明伸
設計/MDS一級建築士事務所
プロデュース/ザ・ハウス
※情報は「住まいの設計2017年5-6月号」掲載時のものです

Source: 日刊住まい

自然素材をふんだんに使った、切妻屋根のかわいい家

OUTSIDE

妻の実家の敷地に家を建てることになったOさん夫妻。建築家が設計した実家で育った妻は、娘にもそんな体験をさせたいと考え、プロデュース会社ザ・ハウスに相談。数ある建築家の中から、遊び心のある空間づくりを気に入った、こぢこぢ一級建築士事務所の小嶋良一さんに設計を依頼しました。

完成した家は、切妻屋根のシンプルな外観と庭を緩やかに囲う木柵やパーゴラが印象的なモダンな家。自然素材で仕上げた内部には無垢材で製作されたテーブルや本棚、ハシゴなどがちりばめられ、楽しさと居心地のよさを感じます。

DINING

建物は箱型で、1階にLDK、2階に個室というシンプルな構成ですが、ダイニング上部の吹き抜けで各室がつながっています。

「足の裏が気持ちいい」(妻)という床は、オーク無垢材。「節や色ムラのあるものを選んでいるので、傷や汚れを気にせず暮らせます。幅広のフローリングは、気持ちをゆったりさせる効果も」と小嶋さん。正面の扉はフランス製のアンティークで、アンティーク建材を扱うショップ「パイングレイン」で購入しました。

ひとり時間を楽しめる、心地よい場所が随所に

DINING

料理好きの妻が「起きている間はほとんどの時間を過ごす」というキッチンからの眺め。庭の緑が四季の移ろいを感じさせ、南側の母屋とも絶妙な距離感。右手には図書室の壁も見えます。

LIBRARY

南側には、建物から張り出す形でOさん夫妻が要望した図書室や、パーゴラのあるテラスを設置。図書室の床もオークで、天井は構造材を表しに。構造材を生かした天井が落ち着いた雰囲気です。壁一面の本棚もオーク無垢材で製作しました。

TERRACE

ダイニングの窓から行き来できる、パーゴラ(ぶどう棚)のあるテラス。床には岐阜の関ヶ原で仕入れてた天然石を使用し、テーブルはパーゴラと同じグリーンハート材で製作しました。

DININGテラスとつながるダイニング。オーク無垢材のテーブルはQUALI家具工房で製作。ラタンのランプシェードも味わい深いです。

キャットウォークなどの遊び心のある空間づくり

CATWALK

ダイニング上部にはハシゴでつながるキャットウォークがあり、長女のお気に入りスペースになっています。このキャットウォークは上部の窓の開閉にも利用でき、黒皮仕上げのスチールの手すりもいい味を出しています。

KOMADO吹き抜けの小窓は子ども室ともつながる、家族の気配を感じられる仕掛け。

KITCHEN

吹き抜けのダイニングや落ち着いた雰囲気のリビングとつながるキッチン。北側の借景の緑を望む小窓も設けられ、風通しも抜群。

MATERIALダイニング側から見えるキッチン背部の収納は家具工事で製作。キッチンの側面は白いタイルで仕上げました。ニッチにも遊び心が感じられます。

自然素材の気持ちよさを実感する日々

LIVING

床はオーク無垢材の幅広フローリング、壁は珪藻土で仕上げられたO邸。リビングや図書室の本棚、キッチン収納、テーブルなど、ほとんどの家具が無垢材で製作されているのも大きな特徴ですが、ほかにもテラス床の天然石や外壁のレンガタイルなど、家全体に自然な質感を持つ素材が巧みに組み合わされています。

STORAGE

リビング壁面に設置した大きな収納もすべてオーク無垢材で製作。1枚だけ扉を付けて適度に隠せるようにしました。

MATERIAL

LDKや図書室の壁には珪藻土を使用。「ニオイがこもらないし、湿気も感じません」(妻)と快適さを実感。ソファも経年変化するデニム地のものを選びました。

「当初は『自然素材の何がいいの?』と思っていたのですが(笑)、住んでみて肌触りのよさを実感。家が呼吸している、一緒に生きていると感じられたのは、人生が変わるくらいの出来事でした」と妻。同じく自然素材に興味がなかった夫も、「この床や家具が古くなって、味わいを増していくのが楽しみ」といいます。

設計/こぢこぢ一級建築士事務所
プロデュース/ザ・ハウス
取材/松浦美紀
撮影/花岡慎一、林 紘輝(本誌)、水谷綾子
※情報は「住まいの設計2018.09月号」掲載時のものです。

Source: 日刊住まい

自然素材たっぷりのLDKで、グリーンやアジアン雑貨を楽しむ

ダイニング

東京都大田区に住むTさん家族。築37年のヴィンテージマンションを工事費1200万円(税・設計料込み)でリノベーションして暮らしています。

もともと新築マンションに住んでいましたが、新建材を多用した内装にストレスを感じていたため住み替えたそうです。
フィールドガレージに依頼したリノベでは、内装に自然素材を使用。グリーンやアジアン雑貨など、夫妻の好きなものがしっくり馴染む空間になりました。

大きなシンボルツリーも溶け込む開放的な空間

LD

購入したのはリノベ済みの物件だったため、浴室などの設備機器は既存を生かし、間取り変更は最小限に。こだわりたかった内装を重視しました。

どこか懐かしい雰囲気のLDKは、「大好きなグリーンが映える空間にしたい」という夫と、「エキゾティックなアジアン雑貨が似合う空間にしたい」という妻の希望を合わせた結果、生まれたものです。

シンボルツリー

LDの壁には漆喰、床にはオーク無垢材、造作の棚板には古材を使用。フィールドガレージオリジナルのダイニングテーブルも馴染んで見えます。

ウンベラータをシンボルツリーとして配置していますが、空間がゆったりとしているため大型のグリーンでも圧迫感はありません。
グリーンを手入れ中の夫

ターコイズブルーのタイルがポイントの出窓には、森林性サボテンのリプサリスなどをハンギング。

ボトルツリーやレピスミウムなど室内を彩るグリーンは多種多様ですが、それらの世話役を一手に引き受けているのが夫とか。「それぞれの調子や機嫌を見ながら、のんびりと付き合っています(笑)」(夫)。

グリーンと雑貨

グリーンと、東南アジアの国々で購入した雑貨の調和も見事です。

ハンギング

ライティングレールを活用して、天井もグリーンで演出しています。

空間ごとに相応しい素材・デザインをチョイス

リビング

リビングには、チークとダグラスファーの古材を使ったL字型のソファを造作。その素材感と、昼寝にもぴったりのサイズ感が相まって、ゆったりとくつろげるスペースになっています。

キッチンとWIC

既存では広いDK だった空間を、キッチンとWICに分割。キッチンはあえて半独立タイプにしました。「ちょっとしたときに自分だけのスペースとしてホッとできる空間にしたかったんです」(妻)。

既存のシステムキッチンは面材を張り替え、壁にはLDの出窓と同じタイルを使用。WICの壁の塗装は夫妻でDIYしたそう。

個室の内装

子ども室の壁には、愛らしいパープルのアクセントカラーを採用。写真右の寝室には、オランダのマリスカ・メイヤーがデザインした植物モチーフの壁紙を選びました。

玄関と廊下

玄関の床はモルタル仕上げ、シューズクローゼットの扉にはチーク材を使っています。
玄関ホールには、キッチン入り口と同様のアーチ開口があり、空間を緩やかにつなげています。壁はあたたかみのある漆喰仕上げです。

サニタリー

トイレには古材を使った棚を設け、エアプランツのハンギングにも利用しています。
身支度が短時間で済むよう、洗面室には洗面ボウルを2つ設置。一部の壁は、石灰を含んだ塗料で夫妻がDIYしました。

「心地よさを最大限に感じられる空間にしたかったんです。そのためには、気持ちよいと思える素材とデザイン、大好きなアイテムで埋め尽くした家が必要でした」と夫妻。多忙な2人を癒す住まいとなったようです。

設計・施工 フィールドガレージ
撮影/山田耕司
※情報は「リライフプラスvol.34」取材時のものです

Source: 日刊住まい

広い庭のある平屋暮らし。10年間思い続けた夢が、Uターンで実現

大きな庭のある平屋

「平屋と広い庭が欲しい」という10年間思い描いた夢を実現させた二宮さん家族。

夫の転勤で兵庫に住んでいたときから、いずれは妻の地元である宮崎に戻ることを想定し、実家のすぐ近くに土地を購入。その後は着々と構想を練り、家と暮らしのイメージを具体的に膨らませていったといいます。

10年ぶりに地元に戻った二宮さん家族が設計を依頼したのは、宮崎市を基点に活動する建築士事務所・COGITEの蒲牟田健作さん。蒲牟田さんには「豊かな自然に囲まれた土地と調和しながら自分たちの時間を手作りしていきたい」と伝えて、家づくりがスタート。

蒲牟田さんは大きなLDKを道路側に配し、一人ひとりの個室は大きな庭に面した長い廊下でゆるくつながるプランを提案。家族仲のいい二宮さん一家らしいオープンな空間をつくり上げました。

飫肥杉(オビスギ)の梁を表したスケール感のあるLDK

梁が映えるLDK

高窓からの採光や高い天井のおかげで、のびやかな印象のLDK。パントリーと浴室以外の天井にはすべて地元の飫肥杉を使いっています。少し短めのピッチの梁が空間にリズム感を与えています。

このLDKと個室の間には通り抜けができる大容量のウォークスルーのクロゼットも用意されました。

ルーバーで仕切ったパントリー

キッチンの奥には全開閉できるルーバー状の室内引き戸を設け、パントリーとLDKを仕切っています。同じ空調環境を維持しつつも、視線を緩やかに遮ぎれるのはこの形状ならでは。

グリーンが彩るリビング

コウモリランをはじめ、たくさんのグリーンやアフリカのオブジェが室内を満たすリビングは、妻が長年かけて選りすぐったのものばかり。様々なものが大きな空間に違和感なく同居しています。

庭の一角の大きなデッキ

庭の一角に設けたデッキは、リビングの床と同じ高さ。引戸を開ければ、屋外と一体化したような気分になれます。今は広々としている芝生の庭ですが、将来は「うっそうとしたジャングル化」を目指し、環境に合えば10m以上にも成長するというジャカランダという植物を植えました。

窓に面して横並びに配置した4つの個室

廊下沿いに並ぶ個室

南向きの庭に面した廊下には、4つの個室が均等に並びます。扉を閉じれば自分の世界に没頭でき、開ければ庭の緑と光や風が開放感をもたらす明るい空間に。

個室にいても声はつつ抜けなので、いつも家族を近くに感じられるのだそう。

子ども室

リビング側から子ども室がふたつ、その先に夫の部屋、妻の部屋と続きます。初めての個室に年頃の姉妹は大喜びしたのだとか。

子ども室

夫の部屋

妻の部屋

各個室の奥には階段とロフトを設けました。

一枚布のカーテン

二宮家には家族がほかにも。知り合いの倉庫で生まれた3匹の子猫たちを家族に迎えています。この長い廊下はそんな猫たちにとって格好の遊び場になっているそうです。

窓には軽やかな一枚布のカーテンを垂らして、強い採光量をコントロールします。

地盤を上げることで豪雨対策も

地盤を上げて豪雨対策

家が建っているのは既存地盤から約70cm上げた位置で、洪水などのときに周辺が冠水しても安心して暮らせるよう配慮されています。

アプローチと庭を仕切る塀の造作は、蛇籠という河川工事の護岸などに使用される鉄線を用いたかごに、砕石を詰めたもの。

高低差はスロープでカバー

駐車スペースと玄関のレベル差はスロープでつなげています。地盤を上げて板塀や石垣の高さは低くても、道路からの視線は確実にカットすることができました。

玄関兼作業土間

玄関に入ると、夫婦が大好きという海をイメージした、鮮やかなマリンブルーの壁が目に飛び込んできます。ここはDIYの作業場としても使える空間です。

ひとつながりのオープンなサニタリー

洗面とトイレ一体型のサニタリースペース

個室っぽい浴室が嫌だったという妻の要望で、洗面、トイレはまとめてワンルームに。

このスペースで皆から好評なのが壁付きのレインシャワー。体全体がまんべんなくお湯に包まれます。冬でもこれだけで済ませてしまうほど快適さなのだそう。

IKEAの洗面

隣の洗面室にはIKEAで購入した洗面コーナーが造作したかのように美しく収まっています。窓から差し込む朝の光を感じ、庭や遠くの木々を眺めながら、今日も二宮家の一日がゆっくりと始まります。

設計/蒲牟田健作(COGITE )
撮影/伊藤美香子
※情報は「住まいの設計2018年1-2月号」掲載時のものです。

Source: 日刊住まい

室内からデッキへ、遊び心満載のリノベ。冬は暖炉も楽しい

デッキ

岐阜県下呂市写真館を営むQさんは仕事の第一線を退き、この先の暮らしを考えて中古の平屋を購入。「ひとりでも暮らしやすく、たまに友人を呼んでお酒が飲めるような家」で暮らしたいとリノベーションを行いました。

設計を依頼されたのは武川建築設計事務所の武川正秀さん。「幸いしっかりした躯体の家だったので、暮らしやすさを軸に遊びの要素をプラスしたプランを提案しました」といいます。

友人との時間を穏やかに過ごせるウッドデッキ

デッキ

茶室のある北側は既存のまま残し、南側にあった和室2間を寝室とちょうどいいサイズ感のLDKにリノベ。
南に面した広縁は天井を残し半屋外空間としたことで、屋外、半屋外、屋外デッキがつながり、一体化しながらも特徴のある空間構成に。写真右の軒の張り出した部分は、以前の広縁。屋外デッキとつながることで十分な広さも確保できました。

リビング

室内から直接出られるデッキを設けるとき、高さは室内の床と揃えるケースが多いのですが、Q邸ではあえて腰掛けられる高さまで窓台を上げています。これは微妙に仕切られながら、つながるという仕掛け。

デッキには家と町が適度につながる高さの塀を設置し、RCの塀には屋外暖炉を組み込んで、火も楽しめる空間としました。揺らぐ炎を眺めながら友人とデッキでお酒を楽しむこともしばしばとか。

外観

塀は閉鎖的にならず、ほどよく目隠しできる高さ。家の中にいてもほのかに町の気配が伝わり、夜には室内の明かりが町に漏れ出て、温かみある風景になるそうです。

地元の素材を生かして空間を包む

ダイニング

ダイニングと写真左側のキッチンは、ともにシンプルなつくり。今までは「台所に立ったこともない男」のQさんでしたが、ひとり暮らしとなった今では、簡単な料理を手づくりするまでになったそうです。

リビング

無塗装の杉板の床、シラス塗りの壁、コウゾ和紙の天井が織り成す空間は、静かな色みで目にやさしく感じます。

「この地域には古くから杉や檜などの良質な木材やコウゾといった、自然の素材があります。それを無理しない範囲で現代の建築にも取り入れたまでなんです」と武川さん。

穏やかでやさしい家には、自然な素材と炎の揺らぎがよく似合います。

家というのは不思議なもので、つくる人、住む人の気配が伝わるようです。このたたずまいを表すなら、やさしさと穏やかさが同居する家。
もとは茶道の師範の家だったそうですが、今回リノベしていない部分は今もお茶の稽古場として貸しているとか。こんなあたりにも暮らしの穏やかがにじみ出ています。

設計/武川建築設計事務所
画像提供/武川正秀

※情報は「住まいの設計2019年10月号」掲載時のものです。

Source: 日刊住まい

家族が集うLDKは妥協ナシで北欧家具が映える空間に

壁一面キャビネットのキッチン

以前は夫の実家で両親と同居していたHさん一家は、夫の転職を機に、職場に通いやすく、子育てがしやすい土地への引っ越しを決意。窓の外に空と森が広がる景色が魅力的な、愛知県名古屋市昭和区にあるマンションを2300万円で購入しました。

築26年のマンションのリノベーションは、アットホームな雰囲気と丁寧な対応に惹かれたアネストワンに依頼。工事費1430万円(税・設計料込み、施主支給品は別途)をかけて、お気に入りの家具やインテリアが映える心地よい空間をつくり上げました。

北欧家具が映える、居心地のいいLDK

ヘリンボーン張りのLDK

インテリアが好きで、結婚前から北欧家具や雑貨などを少しずつ買い集めていたという妻は、「好きなチークやオークの家具が映える飽きのこない空間」を希望。加えて、家族が居心地よく過ごせる落ち着いた住まいにしたいという思いから、リビングダイニングの床にはヨーロピアンオークの無垢材をヘリンボーン張りにし、壁には漆喰を取り入れました。

そんな自然素材に包まれたリビングに合わせたのは、京都の「B-GeneRATEd」で購入したハンス・J・ウェグナーのソファ。「主人と息子は、その周りでよくサッカーをして楽しんでいます(笑)」と妻は話します。

ダイニング

ダイニングキッチンの壁一面には、「見せる」と「隠す」、両方の機能を備えたキャビネットを造り付けました。下段のキッチン側には食器や鍋を、ダイニング側には日用品を収めることで、LDKは常にすっきり。

そのおかげもあって、LDKはアルヴァ・アールトのテーブルやイルマリ・タピオヴァーラの椅子など、大切に使い続けてきた北欧家具がいっそう映える空間に。棚には新婚旅行で訪れた、北欧4か国で購入した雑貨が飾られています。

キッチン横には食料庫と納屋

壁側にあったキッチンは、対面式に変更。ダイニング側に場所を移動させたことで空いたスペースには、食品庫と納戸を新設しました。LDK入口の右手前の扉から納戸へ入ると、食品庫、そしてキッチンへとつながる回遊性ある間取りです。

子ども室には室内窓を設けて風通しも採光も確保

室内窓のある子ども部屋

リビングと子ども室の間には、光と風が通り抜けるように、開閉できるすべり出しの窓を設置しました。配管の関係でLDKの床は1段高くなりましたが、子ども室は高さを揃えないことでコストダウン。

風通しのいい間取り

子ども室は長男が大きくなっても違和感なく使えるようモノトーンで統一しています。「おもちゃがカラフルなので、空間はシンプルにまとめました」と妻。

引き戸の先はウォークインクロゼット、さらにその先の寝室までがひとつながりになっていて、建具をすべて開け放てば、北側から南側のバルコニーまで風が通り抜けます。

玄関まわりは白で統一してゆったりした空間に

玄関横には室内窓付きの寝室

天井まであった下駄箱を撤去したことで、玄関ホールと廊下にはゆとりが生まれました。床材にはナラの無垢材をチョイス。玄関横にある寝室はなるべく明るくしたいと、廊下側にも窓を設けました。

玄関横の土間収納には、長男の自転車やスケートボードなどを収納。カーテンの奥には、可動式の棚が設置されています。玄関と土間収納との間には、あえて建具を入れないことでコストダウンを実現。そのぶん、アーチ壁を取り入れて空間のアクセントにしました。

白×淡いグリーンで爽やかさを演出

さわやかなグリーンのサニタリー

洗面室や寝室のクロスは、明るく爽やかな色づかいにしたいとグリーン系に。「洗面ボウル横の作業スペースも十分な広さで、洗濯物や着替えなどを一時的に置くのに便利です」と妻。洗面室のちょっとしたスペースにも、可動式の棚を取り付けて有効活用しています。

2年半暮らしてみて、「好きなものを飾り、囲まれて過ごす何気ない日常が、とてもうれしい!」と妻は話します。また、音楽が共通の趣味である夫妻は、ソファでくつろいでビールを飲みながら、テレビで好きなアーティストのライブ映像を見たり、サッカーの試合を観戦したりするのが、至福のひとときだと話してくれました。

設計・施工 アネストワン
撮影/飯貝拓司
※情報は「リライフプラスvol.31」取材時のものです

Source: 日刊住まい

モダンさと温かみを併せ持つ北欧風キッチンのある家

ダイニング

東京・江戸川区にあるMさんの家の敷地は、もともとは隣接する妻の実家の庭の一部でした。娘夫婦が家づくりを考えていると知り、両親がうちの庭先に建てたらどうかと申し出てくれたといいます。両親の家の南側は魅力ある立地で、川と両岸を含めた豊かな緑地帯がすぐ目の前に広がっています。

全体から細部に至るまで 数々の夢を盛り込んだ家

ダイニング親子

横長の腰高窓から明るい光が差し込むダイニングで、ランチタイムが始まります。Mさん一家は共働きの夫妻、4歳の長男、 8か月の長女の4人家族です。現在、育休中の妻は学生時代には住居学を専攻し、百貨店でインテリア関係の仕事に就いているという、いわばインテリアのプロです。それだけに、知識も情報も豊富で、家づくりに際してかなえたい夢がたくさんあったといいます。

全体だけでなく、細部にも様々な要望が盛り込まれています。例えば、ホールとLDKを仕切る木枠のパーティションはお気に入りのカフェ、2階の十字窓はファブリックショップのイメー ジを生かしたものだそう。

キッチンはタイルから棚まで 好きなものに囲まれて

親子キッチン

キッチンにも妻のこだわりが満載です。Mさんの家のキッチンは対面式で、ダイニングとの間をカウンターで適度に仕切ったセミオープンスタイルです。「アイランドキッチンみたいに常に丸見えよりは少し閉じた部分も欲しいけど、カウンター越しに家族の様子が見え るようにしたかった」と妻。

手元はカウンターでほどよく隠し、生活感を感じさせない工夫をしています。木のカウンターは北欧風のインテリアとも馴染みがいいですね。

キッチンタイルベージュ

キッチンのベージュのタイルはアドヴァンのもの

キッチン棚

ショールームを何軒も回って吟味した壁面のタイルはコンロ側と背面カウンター側で色を替える一方、壁には家を新築中に見つけたというアアルト・デ ザインの棚を設置しました。

キッチンパントリー

連続するパントリーを経由して奥に抜けられ、キッチンを中心に回遊できるので、動線もスムーズ。冷蔵庫や家電も奥のパントリーに収まっているので、表からは雑多なものが見えず、妻の理想のインテリアを保っています。

カウンター収納

キッチンの背面に造り付けた作業台兼食器棚です。通路幅を確保するため奥行きは浅いですが、食器の出し入れがしやすそう。

食洗機

妻のたっての希望で、ミーレの60cm幅の大容量の食洗機をビルトイン。大量の食器や鍋類も一気に洗えて便利だそう。

玄関ホールまで及ぶ2階からの光

玄関ホール

ホールの壁に用いたのは、夫がどこかに使いたいと熱望した大谷石です。妻好みの北欧デザインとケンカしないか心配でしたが「夫婦の折り合いはすべて建築家の東端桐子さんがうまく調整してくれました」

階段子ども

玄関からホールの見通し。モルタルの土間や外灯のような照明と相まって、空間全体に外部空間のような大らかさが生まれました。

洗面所

人造大理石のカウンターに大きなシンクを組み合わせた洗面室。横使いのボーダータイルが美しいですね。

洗面所床

洗面室の床は繊細な模様入りのタイルは平田タイルの製品。当初はホールと同じモルタルの予定でしたが、少し表情を変えてやさしい雰囲気を出したいと妻が選んだといいます。

トイレ

トイレの壁面は緑がかったグレー。同じグレーでも場所によって微妙に色合いを替えているのも、妻のこだわりです。

実家の庭だった敷地に 借景を生かして建てる

裏の川

すぐ裏手を川が流れ、向こう岸には桜並木が続く緑道があるだけでなく手前にも細長い余地があり、区が管理する多様な樹木が植わっています。建築家の東端桐子さんは実家の日当たりをできるだけ損なわず、かつ恵まれたこの借景を生かすべく、川に面した南側ぎりぎりに高さを抑えた建物を配置しました。

ルーフバルコニー

寝室の西側にあるルーフバルコニー。ここからも緑が存分に眺めらます。手前は敷地内の既存の桜が植えられています。

寝室

正面窓がルーフバルコニーに面した2階の主寝室。右手の壁の塗装は夫妻によるDIYで、英国FARROW &BALL社の塗料を使用しています。

和室引き戸

ほの暗く、こもれる部屋が欲しいという夫の願いをかなえた和室です。子どもの遊び場やゲストルームとしても使えます。こちらの濃紺の壁も自塗装しました。

ルーバー引き戸

和室の入り口をリビング側から見たところ。 木製ルーバーの羽根は可動式で風を通し、空間をつなぐこともできます。

「いつかこんな家を建てたいと、ずっと心に残っていました」と妻は家づくりを振り返ります。妻が結婚前に旅したヘルシンキで見学したという、フィンランドの巨匠アルヴァ・アアルトの自邸が住まいの理想のイメージでした。

明るくモダンながら木の温かみも感じられる空間は、確かに北欧デザインに通じるものがあります。

プロデュース/OZONE 家 design
設計/東端桐子(ストレート デザイン ラボラトリー)
撮影/桑田瑞穂
※情報は「住まいの設計2017年5.6月号」掲載時のものです。

Source: 日刊住まい