お手本みたいなキッチンプランを紹介。料理はもちろん、読書や会話をするにも心地いい

シンプルなオーダーキッチン

使いやすくて、しかも、居心地がいい。そんなお手本みたいなキッチンプランをご紹介します。

今回訪れたのは、集合住宅に暮らす、建築家・駒田由香さんのお宅のキッチン。メーカーでシステムキッチンの開発に携わっていた経験もあって、使いやすくて合理的なスペースになっています。キッチンプラン、動きやすさ、収納の配置など、参考にしたいアイデアがいっぱい!

国産メーカーのガスコンロ

魚焼きグリルを使いたかったので、ガスコンロは国産メーカーのものを選択。

天井までの高さを生かした食器収納スペース

天井までの高さを生かした食器収納スペース。壁面に凹凸が生まれないよう、扉には指が入るサイズの穴を開けて取っ手代わりに。

キッチンは家族やスタッフとのコミュニケーションが生まれる場所

駒田邸の間取り

21年前に自ら設計した賃貸集合住宅の一室に家族3人で暮らす駒田さん一家。大きな窓越しに明るい日差しが差し込むキッチンには、TOTOでシステムキッチンの設計に携わっていた由香さんの知識とこだわりがちりばめられています。

「当時の日本のシステムキッチンではなく、シンプルなオーダーキッチンをつくりたかったんです。シンプルだけどディティールにはこだわりましたね」と由香さん。冷蔵庫や炊飯器などの家電はキッチンには必要不可欠なものですが、主張が強く目立ってしまうものでもあります。

一般的な国産のシステムキッチンの奥行きは65㎝で冷蔵庫の奥行きは70㎝。並べたときにどうしても冷蔵庫が飛び出してしまうので、冷蔵庫を設置する側のキッチンの奥行きは冷蔵庫に合わせて70㎝に決めました。

炊飯器もオリジナルの可動ワゴンを制作してそこに収納。キッチン下に設けたオープンスペースに置いているので、使わないときはまったく視界に入りません。

また、存在感が出やすいレンジフードは埋め込み式に、壁つけしたエアコンにはルーバーをつけるなど、視界から上手に隠すことで空間に馴染む工夫が施されています。

L字のキッチンにプラスして、手前にキャスターつきの作業台を配置し、たっぷりとした作業スペースを確保しました。

「ここではもちろん料理もするんだけど、雑誌を読んだり、携帯を充電している家族がいたり。融通の効く空間があるっていいですね」

普段から事務所のスタッフを交えてここで食事をすることも多いという駒田さん。

「キッチンを介したコミュニケーションは心地よいし、人と人の関係をスムーズにしてくれます。リラックスして自然に会話が生まれる場所なのかな、と思っています」

炊飯器や土鍋などが収納できる可動ワゴン

炊飯器や土鍋などが収納できる可動ワゴン。「ご飯を炊くときだけ手前に引き出して使えるので便利です」。

水栓はデンマーク・vola社製

すっきりとしたフォルムの水栓はデンマーク・vola社のもの。見た目の美しさはもちろん、蛇口が左右180度回転するので使い勝手も抜群。

コーナー収納は可動域が広い折り戸を採用

コーナー収納の扉は可動域が広い折り戸を採用したので、調理器具の出し入れがスムーズに。

駒田さんの得意料理拝見!

駒田さんの得意料理

左/肉じゃがは駒田家の定番メニュー。結婚当初から使っている圧力鍋でじっくり煮込んで。
右/盛りつける器を選ぶのも楽しみのひとつ。肉じゃがに合わせて、温かみのある器をセレクト。

My Favorite Kitchen Item!

weckのガラス製キャニスター

weckのガラス製キャニスターは中身がひと目でわかって便利。

木工作家・吉川和人氏のウォールナット材のトレイ

木工作家・吉川和人氏のウォールナット材のトレイ。どんな料理にも合わせやすくてお気に入り。

スウェーデンのダーラナホースがモチーフの鍋敷き

スウェーデンのダーラナホースがモチーフの鍋敷き。焦げ目は長年愛用してきた証。

漆塗りの皿

駒田さんの曽祖父が営んでいた旅館で使われていた漆塗りの皿。取り皿に最適。

銅製の鍋と鉄製のスキレット

銅製の鍋と鉄製のスキレットはどちらも結婚当初に購入して30年以上愛用中。

駒田邸DATA

駒田邸

住所/東京都葛飾区
家族構成/夫(50代) 妻(50代) 子ども(10代)
専有面積/100.94㎡ (30.53坪)
竣工/2000年3月

●駒田由香さん/建築家
夫の駒田剛司氏とともに駒田建築設計事務所を2000年に設立。賃貸集合住宅「西葛西APARTMENTS」を皮切りに、集合住宅、戸建て住宅、商業施設、リノベーションなどを手掛けている。

撮影/山田耕司 ※情報は「リライフプラスvol.41」取材時のものです

Source: 日刊住まい

趣味や仕事スペース、ライブラリーも!在宅時間が楽しい、家族の気配が感じられる家

オープンキッチンの正面

在宅の時間を楽しく過ごせる家。そんな家づくりをしたいという人が増えています。今回紹介する事例は、趣味のスペースやワークスペース、ライブラリーコーナーを備えたお宅。パブリックな部分も、パーソナルな部分も充実したつくりの住宅です。

設計したのは、一級建築士の俵谷知英子さん。建築費は2160万円、今どきのニーズに合った住宅と、そこで暮らし始めたMさん一家の様子をレポートしてくれました。

キッチンを中心に家族みんなが集まるLDK

住まい手であるMさん夫妻は、「ぜいたくは好きではないけど、こだわるところはこだわりたい」という主義の持ち主。

夫はイギリスに住んだ経験があり、その時に日本の文化のよさを改めて感じるように。盆栽や苔を育てたり、三味線をひいたりすることが趣味になったそう。

「昔ながらの日本の文化を楽しんだり、自分の時間を持ったりしつつ、家族と気軽にコミュニケーションがとれるようなお家にしたい」。そんなMさんの要望をかなえることになりました。

LDKに集う親子

こちらは1階のLDK。できるだけ広くスペースを取っています。どこにいても家族の気配が感じられる部屋に。「無垢材の床材は、裸足で歩くととても気持ちいいです」とMさんからも好評です。

「夫婦はダイニングチェアのまま、子どもはソファに移って、食後はみんなでおしゃべり。会話が弾みます。それに、そばにいるという安心感があるのか、子どもがひとりでもおとなしく遊んでくれますね」(Mさん)

オープンなキッチンに家族が集う

LDKのシンボルは対面キッチン。朝食や少し軽く食べたい時などは、つくったものをすぐに渡せます。片づけも、受け渡しがスムーズなので快適です。

コミュニケーションが取りやすいのもメリット。キッチンでお絵描きや人形遊びをしている子どもが、Mさんに楽しげに話しかけてくるそう。

「ものが多くないので、背面収納は腰までの高さにしました。壁にあるオープンな棚に食器を飾るように置けてお気に入りです」(妻)

耐震性を柱で確保

住まいのデザインや見た目も大切ですが、長く住むことを考えたら、耐震性は重要な課題。もともと震災や大雨の影響を受けた旧家の建て替えだったこともあり、耐震性は法令上の最高等級の耐震等級3を満たすようにしました。真ん中に移っている柱は構造上大切な柱です。

キッチンをお気に入りの照明が照らす

こだわりの間接照明を、LDKを引き立たせる大事なアクセントに。「コスト調整のため採用できないかもしれなかったけど、実現できて本当によかったなと思います」(Mさん)。

趣味の部屋にライブラリコーナー!家にいる時間が楽しい

和室コーナーで三味線を嗜む夫

畳コーナーは、夫のお気に入りの場所。障子のデザインと窓の高さにこだわりました。家の中にこだわりの場所がひとつでもあると豊かな気持ちを味わえるものです。趣味の三味線を弾いたり、盆栽を飾ったり。充実した時間を楽しんでいるそう。

小さな子どもがいる家庭なので、お昼寝の場所にも活用。また、LDKと一体的に使うこともできます。お仏壇を置いていて、法事の時には親戚で集まるそう。多目的に使える部屋です。

和室コーナーからLDKを眺める夫

「三味線をひいて自分の時間に没頭している時でも、ふとリビングの方を見ると妻と子どもの姿が目に入ります。自分の時間を大切にしつつ、家族の気配が感じられて気に入っています」(夫)

ちなみに、畳スペースはLDKよりも高さを30cm上げています。座っていても、畳スペースからリビングの様子がわかりやすい仕掛け。畳下の空間は収納になっていて、ふだん使わない布団や家電などを収めています。

階段室途中のライブラリコーナー

こちらは、2階に続く階段スペースを生かした本棚。家族の本や絵本を置いています。2階にあがる時に、大人も子どもも好きな本を選んで、自分の部屋に入るのが習慣。常に目がいくところにあるので、家にどんな本があるかわかりやすいですね。

「娘がもう少し大きくなったら、保育園や学校でつくった工作や絵を飾りたいなと思います」(Mさん)

2Fホールにあるワークスペース

家族の成長に対応した、機能的な工夫がいっぱい

2階のホールは、夫のパソコンスペースに。窓をたくさん設けたことで、風通しもよく明るい空間になりました。

家族が通る場所をパソコンスペースにしているので、みんなが気軽に会話できます。仕事はテレワークではないので、あえて個室にはしませんでした。

広い洗面室

広々とした2階の洗面室。ぬくもりを感じる木の洗面台を造作しました。洗面台は幅広に。お出かけ前にふたり同時に並んでも、広々使えます。女の子がいる家庭なので、将来おしゃれをしたくて洗面室を使う時間が長くなっても安心ですね。

庭に面する窓

この洗面室には、坪庭に面した窓が。わずか1畳弱の坪庭ですが、2階のホールに光を届けます。

子ども部屋で親子が楽しくお絵かき

2階の子ども部屋には、黒板クロスを使用しました。チョークで描いた絵は、濡らしたタオルで消すことができます。イラストレーターの妻は、絵がとても上手。親子でお絵描きは楽しいですよね。

玄関に佇む家族

玄関周りの様子。「植栽は自分で植えました。解体する前の家にあったものや、祖母のお庭から持ってきているので思い出が残りますし、手を入れながら住む住まいが気に入っています」とMさん。

間取図

平面図

建築費:2160万円
設計/hito coco一級建築士事務所
撮影/松本匡司

●教えてくれた人/俵谷知英子さん
「hito coco一級建築士事務所」主宰。一級建築士でありインテリアコーディネータであることを強みに、設計当初から提案の中にインテリアの要素を加えることが得意。住む人に寄り添った住宅をデザインすることを心掛けている

Source: 日刊住まい

街の文化を子どもたちに引き継ぐために。築100年以上の古民家を改修して暮らす

LDKから見たギャラリースペース

能登半島の中心部に位置する石川県七尾市。「この街の風景と伝統文化を守りたい」と築100年以上の古民家を購入し、大規模改修した森山さん夫妻。家とともに町の文化も次の世代へ引き継ごうと考えています。

写真はLDKから見た、伝統行事「人形見」が行えるギャラリースペース。「人形見」の際には正面の窓を外すことができます。外部に直接面しているため、障子、サッシ、格子戸を組み合わせて寒さ対策をリノベーションの際に行いました。

100年前の商家を購入し、面影を残しつつ快適にリノベ

森山さんの家 石川県 家族構成/夫37歳 妻37歳 長男3歳 長女1歳
設計/岡田翔太郎建築デザイン事務所

この家のこだわりポイント

  1. 柱や梁、建具なども極力残して改修
  2. 土蔵に残された道具をインテリアなどに再活用
  3. 伝統の祭り仕様の間取りと面影を感じさせる外観
  4. エネルギー効率を考慮して、断熱性、気密性をアップ

森山さんの家の外観

ひときわ存在感を放つ外観。外壁は鎧壁と漆喰で仕上げ、購入時にはなかった格子戸を入れました。この格子戸の内側の部屋に人形が飾られ、町の人々にお披露目されるそうです。

開放的な吹き抜け

玄関を入ると開放的な吹き抜けが現れます。2階の床を抜き、2階の壁も腰高にしているので外部からの明るい光が階下まで差し込みます。

町の風景と伝統の祭りを守る、社会的にも意味のある家

「100年前に建てられた町家づくりの古民家ですから寒くて暗いし、そのまま住むには厳しい。現代の暮らしに合うような快適な家に改修したかった」と話すのはこの町で生まれ育った森山さん。

「この町に古くから伝わる祭りを存続していくきっかけにもなる家にしたかったんです」

この街には重要無形民俗文化財にも指定された、青柏祭(せいはくさい)という古くから続く祭りがあります。祭りでは「でか山」と呼ばれる大きな山車(だし)に人形を飾ります。その人形を山車に乗せる前に、道行く人にお披露目する「人形見」という行事があり、その家は「人形宿」と呼ばれます。

「だからこの家の改修は、人形宿をいずれ受け入れるような家にしたかったんです」

とはいえ、これから住み続けるためには住宅の質を向上させるのも重要なテーマ。そのため建物は骨組みの状態まで戻した、大規模な全面改修となりました。

大きな課題は、暑さ寒さを緩和しエネルギー消費を抑えることと、家の中心部に光や風を通すこと。断熱処理や吹き抜けをつくることでこれらを克服し、可能な限り既存のものを生かして、昔の面影を残しながら祭り仕様の家に仕立て直されました。

「人形宿ができる家になったうえ、住宅性能も上がったのでとても満足です」

この家では土蔵の中に残されていた古い道具が日常生活にも生かされています。そんな暮らしぶりからもわかるように、この家では現代の生活に古いものが自然なかたちで溶け込んでいるのです。

昔の面影を残しながら、住宅としての質は担保する

中庭に面したダイニングキッチン

中庭に面したDKは2室の仕切りを取り払って広々とした空間に。構造材や天井はそのまま残しながら、壁を珪藻土クロスで仕上げています。家じゅうを漆喰塗りにすると予算が膨らむため、空間ごとに漆喰とクロスに分けてコストコントロール。キッチンは使いやすいL字のオープンタイプ。

玄関

玄関のたたきは床を10㎝ほど下げ既存の柱が露出した部分は、上に合わせて塗装し直しています。

ホール正面

ホール正面の味わいある薬タンスは隣家の元薬局からゆずってもらったもの。上には友人の描いた書が飾られ、古さとモダンがバランスよく同居。

住宅としての機能性を上げて、子どもの代まで暮らし継げる家に

この建物はかつて旅館、その後は下宿屋や住宅として使われていて、その時代の名残でさまざまな増改築が繰り返されていました。

昼でもうす暗い1階の部屋に、細かく仕切られた2階の個室。昔は独立していた土蔵には、増築された部屋が連結しているような状態です。

森山さんは、改修設計を依頼した建築家の岡田翔太郎さんや地元の施工者と綿密な打ち合わせを繰り返しながら、地域のシンボルにもなるような古民家の改修を進めていきました。東に面した玄関は2階の床を取り払い大きな吹き抜けにし、格段に明るくなりました。壁全面には断熱材を充填し、その上を漆喰やクロスで仕上げています。

窓のない部屋にはトップライトを新設。古いまま残された柱や梁、天井との統一感を持たせるように、床には古材のような風合いに加工されたクリのフローリングを。道に面した部屋の外壁には格子戸をはめ込み、人形見が行える部屋に変更しました。

「土蔵に残されていた家具などもインテリアや収納に再利用しました」(森山さん)

こうして築100年を経た家は、この先100年でも住み継げる家へと変貌をとげたのです。「私も古い家で暮らすことへの抵抗はありませんでした。むしろ自然なことかなと思います。親戚や友人知人など様々な人が集まるこの家で、子どもたちにもいろいろな経験をしてもらいたい」と隣県出身の妻。

森山さんの古民家改修は、自分たちが快適に住むためだけではなく、地域の持続性にも貢献したいという、熱い思いが実現した家なのです。

新しく施工した部分にも古い家の質感と一体感を持たせる

最新式のキッチンで調理する親子

最新式のキッチンで調理する妻と長男。「やはりキッチンは新しくて使い勝手のいいもののほうが便利ですよね」(妻)。

居間

ギャラリーとダイニングに挟まれた居間。正面の造作工事でつくられたようなテレビ台として使っているタンスは、土蔵の中で見つけたものをはめ込んだだけ。「不思議なことに高さと左右がぴったり合ったんです。でも奥行きがちょっと不ぞろいで、奥に落ちてしまったおもちゃは取り出せない」のだとか。

ギャラリースペース

現在は子どもの遊び場として使われている「人形見」ができるギャラリースペース。壁に設置された面出し本棚以外は置き家具。

居間から玄関ホールを見たところ

居間から玄関ホールを見たところ。新しい建具などは既存の柱や天井の質感に合わせて統一感を出しました。DK、居間、ギャラリーが1列につながった間取りになっています。

柱も梁も天井も昔のまま。古くて新しい家で、子どもものびのび

2階のホール

2階のホール。長い廊下へと続きます。この家では床も既存のように見えますが、古材のように加工された新しいクリ材を使い、柱や天井の色味に合わせています。

内窓やトップライトで電力消費を抑制する

家族全員の寝室

将来的には2室に分割できる子ども部屋。現在は1室空間で家族全員の寝室として使っています。子ども部屋として使うことを考慮して、壁と天井を珪藻土クロスに貼り替えました。

トップライトを設置

2室に分けたときはどうしても窓のない部屋ができてしまうため、その部屋にはトップライトを設けて自然光を落とし込みます。

東の廊下側の室内窓

東の廊下側の室内窓。その外側は既存の廊下になっています。廊下が空気層になっているので、夏の暑さも冬の寒さも和らぎ、エネルギー消費も抑制できます。

不要とみなされた古い道具もインテリアや日常生活で命を与える

土蔵の入り口

何度かの改修で室内から出入りできるようになっていた土蔵の入り口。ガラスで仕切られ、土蔵の壁に掛けられた書がまるで現代アートのギャラリーのような雰囲気。

土蔵の中

土蔵の中。広いうえ防音性にも優れているので、音楽室やAVルームなど様々な使い方ができそうです。

構造柱が表しになった2階の廊下

構造柱が表しになった2階の廊下。日本建築に見られる昔ながらの真壁づくりがよく分かる空間です。これほど長い廊下なら、子どもが走り回るのにも最適。

ダイニングの上にある2階の和室

ダイニングの上にある2階の和室は、大きな用途変更はせずそのまま残しました。細かい意匠が施された味わいのある建具はそのまま使いながら、壁は珪藻土クロスに貼り替えています。ここは中庭に面した明るい空間。

来客時などに使用する2階の予備室

来客時などに使用する2階の予備室。この部屋にはもともと窓がなかったので、新たにハイサイドライトを設けました。

間取り

森山さんの家の間取り

DATA

敷地面積/239.76㎡(72.65坪)
リノベーション面積/283.27㎡(85.84坪)
1階/154.52㎡(46.82坪)
2階/128.75㎡(39.02坪)
用途地域/近隣商業地域
建ぺい率/80%
容積率/300%
構造/木造軸組工法
リノベーション竣工/2017年10月

素材

[外部仕上げ]
屋根/瓦葺き
外壁/杉板、漆喰、ガルバリウム鋼板
[内部仕上げ]
1階 床/クリ
壁/漆喰、珪藻土クロス
天井/既存現し、スス竹半割張り、クロス
2階 床/クリフローリング
壁/漆喰、珪藻土クロス
天井/既存現し、クロス

設備

厨房機器:TOTO
衛生機器:TOTO
窓・サッシ:YKK AP

設計/岡田翔太郎(岡田翔太郎建築デザイン事務所)

撮影/松井 進 ※情報は「住まいの設計2021年10月号」取材時のものです

Source: 日刊住まい

RC造のモダンな3層住宅をリノベ。都心でも緑を楽しめるインナーガーデンが快適!

ベンチソファを造作した明るく広々としたLDK

建築家の事務所と自宅を兼ねた建物だったという、築25年、RC造3階建ての一戸建てを購入した林さん夫妻。家族5人がのびのび暮らせる住まいへ変えるべく、リノベーションをおこないました。

RC造ならではの大空間には、つくりつけのベンチソファなど、楽しい仕掛けがいっぱい。3人の子どもがいるにぎやかな林邸におじゃましました。

住まいの中心はLDKのある2階。広い空間を階段でゆるく間仕切り

階段で手前のリビングと奥のDKをゆるく間仕切り

傾斜地に建つ林邸は、道路の高さに合わせた2階に玄関があります。2階にはLDKも配置して住まいの中心に。木とスチールの黒のコントラストが印象的な階段を中心に、手前のリビングと奥のダイニングキッチンがゆるく分けられた開放的な住まいです。

モールテックス仕上げのキッチンがあるDK

無垢のオークフローリングと、モールテックス仕上げのキッチンが調和するダイニングキッチン。東向きの窓から朝のすがすがしい光がたっぷり入ります。

コミュニケーションがとりやすい対面式キッチン

対面式キッチンは「子どもとコミュニケーションしやすいです」と妻。ペニンシュラ型のスタイリッシュなキッチンはオリジナル。

ラワン材で造作したキッチンの背面収納

ラワン材で造作した背面収納。扉を閉めると壁のように空間に溶け込みます。大容量のこの収納のおかげで、キッチンはいつもスッキリ。

扉の開閉がしやすい背面収納

背面収納は、子どもを抱っこしていても開閉がラクにできるように扉の開き方にもこだわったとか。

【この住まいのデータ】

▼家族構成
夫(30代)妻(30代)長女(幼稚園児)長男(幼児)次男(乳児)

▼リノベを選んだ理由
家族5人でゆったり暮らせる家を探していたときに、元・設計事務所兼住居という戸建て住宅と出会い、夫がRC造の建物が好きだったこともあって即決。リノベで自分たち仕様の住まいに変えるべく、納谷建築設計事務所に設計を依頼した。

▼住宅の面積やコスト
延床面積/146.28㎡(1階:61.79㎡ 2階:61.79㎡ 3階:22.70㎡) 工事費/3600万円(税込み・設計料別)

L字型のベンチソファがある広々リビング。同フロアには回遊式の玄関も

L字型にベンチソファをつくりつけたリビング

こちらは、L字型にベンチソファをつくりつけたリビング。ソファは座面が広く、大人数でもゆったり過ごせます。床は肌触りのいいカーペットに。子どもたちが走り回っても安心です。

間接照明を仕込んだつくりつけのベンチソファ

ベンチソファは床の段差を活用したもので、下部に間接照明も仕込みました。窓のアールと対になるように、ソファにもゆるくアールをつけて。冬も快適に過ごせるように、床暖房も設置しています。

LDKに隣接する回遊式の玄関土間

LDKに隣接する回遊式の玄関土間。ラワン材仕上げの壁の内側はトイレで、ぐるっと回遊できるつくりになっています。ふだんは奥のシューズクローゼット側から室内にアクセス。

採光のため壁面にガラスを採用した玄関土間

収納たっぷりで、多目的に使える玄関土間。北側からの安定した光が取り込めるように、壁と玄関ドアにはガラスを採用しています。

1階にはケヤキの木が伸びるインナーガーデンが!

シンボルツリーが伸びるインナーガーデン

1階には、前オーナーが植えたケヤキを生かしたインナーガーデンが! デッキを張ってベンチをつくりつけ、アウトドアリビングとして使えるようにしました。

室内とフラットにつながるインナーガーデン

室内とフラットにつながり、気軽に出入りできるインナーガーデン。もとは庭だったスペースで、ウッドデッキにしたことで裸足でのびのび遊べます。「夏は子ども用のプールを出したり、バーベキューをしたり、いろいろな形で楽しみたい」と夫。

ガラスの引き戸で仕切った開放的な寝室

1階に2部屋ある寝室のうち、北側のほうの寝室。手前のユーティリティとの間は大きなガラスの引き戸で仕切り、開放的な空間に。

インナーガーデンに面した窓から光がたっぷり入る寝室

寝室にはインナーガーデンに面した窓からたっぷり光が入ります。内装は、ボルドーパイン材の床と白の塗装壁で仕上げてごくシンプルに。

シンプルな内装の主寝室

南側の主寝室もシンプルな内装に。インナーテラスを眺めながらリラックスして過ごせます。

各階をつなぐ、勾配をゆるやかにしたスチール階段

各階をつなぐ、勾配をゆるやかにしたスチール階段。広くとった階段のある空間はユーティリティスペースで、衣類の収納や子どもたちのプレイスペースとして活用しています。階段の奥は主寝室。

水回りと寝室に隣接するユーティリティ

寝室のほか、水回りにも隣接するユーティリティ。水回りの白い引き戸を閉めると壁のように溶け込みます。

水栓が2つある造作の洗面台を備えた水回り

2人同時に使えるように、造作の洗面台には水栓を2つ設置。浴室の間仕切りにガラスを採用したので、奥まで見通せて実際の面積よりも広く感じられます。トイレは洗濯機の奥に設置しました。

大きなケヤキが住まいと一体になった外観

大きなケヤキが住まいと一体になった外観

ケヤキを生かしたインナーガーデンのある建物の南側。いずれはワイヤーの根元に植えたアイビー(ヘデラ)が成長し、グリーンカーテンになる予定。

傾斜地に立つRC造のモダンな外観

傾斜地に立つモダンな外観。3階バルコニーにも小さな庭があり、前オーナーが植えた植物が生い茂っています。

道路に面した2階に設けたエントランス

北側の道路に面した2階に設けたエントランス。1台分の駐車スペースも確保できました。RC造のモダンな外観も購入を決めた理由のひとつだったそう。

リビングのベンチソファと林さん親子

家じゅうからインナーテラスのケヤキが眺められ、心地いい光と風も取り込める林邸。建物の個性と立地をうまく生かして、家族5人が楽しく快適に暮らせる住まいになりました。

間取り(リノベーション前後)

リノベーション前の間取り図

リノベーション前

リノベーション後の間取り図

リノベーション後

設計/納谷建築設計事務所
1993年設立。住宅を中心に店舗、集合住宅、保育園まで幅広く手掛ける。兄の学さんは1961年秋田県生まれ。黒川雅之建築設計事務所、野沢正光建築工房勤務を経て独立。弟の新さんは1966年秋田県生まれ。山本理顕設計工場勤務を経て独立

撮影/小川 聡 ※情報は「リライフプラスvol.41」取材時のものです

Source: 日刊住まい

ダイニングとワークスペースがひとつに。建築家が住む築53年のマンションリノベ事例

和紙シェードがアクセントのダイニング

こちらは築53年のマンションをリノベーションしたOさんの住まい。建築家である妻の設計事務所も兼ねていて、約半分が事務所スペースとなっています。

昔ながらの田の字型に細かく分かれていた個室の間仕切りを撤去して、キッチン・ダイニング・ワークスペースをひと続きの空間に配置しました。既存の柱や梁が空間をゆるやかに分け、オンオフの切り替えもスムーズです。暮らしと仕事が心地よく共存する住まいを見せていただきました。

ダイニングとワークスペースを同じ空間に

ワークスペースのあるワンルームのようなLDK

イサムノグチのデザインによる和紙シェードが目をひくダイニング。その隣に設けたワークスペースとの間には、仕切りをあえて設けませんでした。

「ひと続きの空間ではありますが、事務所とプライベートスペースを分けているので、オンとオフのが切り替えやすいです」(妻)

パソコン2台を置けるワイドなワークデスク

ワークスペースには幅2.8mのワイドなデスクを配置。パソコンやプリンターなどを置き、2人が並んで座っても、まだゆとりがあります。「デスクが広いので、作業がしやすいです。ダイニングで気軽に息抜きできるのも気に入っています」とOさん夫妻。

木工作家の友人作の書棚

デスクの隣には、どっしりと構える書棚が。木工作家の友人にオーダーしたもので、ほかにもダイニングテーブルやパソコンデスクなどをオリジナルでつくってもらったそうです。

【この住まいのデータ】

▼家族構成
30代夫婦

▼リノベを選んだ理由
建築家である妻の設計事務所を兼ねた住まいをつくるため。

▼住宅の面積やコスト
専有面積/61.25㎡ 築53年(1969年築)

光と緑がまぶしいダイニングキッチン

存在感のあるイサムノグチのデザインによる和紙シェード

大きな窓からたっぷりの自然光が差し込むダイニング。その中心に置いた大型のダイニングテーブルは、普段の食事以外にもホームパーティで人を招くときや、クライアントとの打ち合わせ時にも活躍しています。

日当たりのいいダイニングに大きな観葉植物を置いて

日当たりのいいダイニングの窓側には、大きな観葉植物を。

お気に入りの素材や雑貨はチェストの上が定位置

チェストの上にはお気に入りの素材や雑貨を並べています。

ステンレス作業台を置いたキッチン

壁づけキッチンの手前には、業務用のステンレス作業台を配置しました。ここで食事をとることもあるそう。キッチンは既存のつり戸棚を撤去したことで、ダイニングとのつながりがよくなりました。壁のタイルは既存をそのまま生かしています。

寝室は和室にすることで居間の役目をオン

カーテンでやわらかく仕切った和室

キッチンの横には、カーテンでゆるやかに仕切られた和室が。「和室がある家もいいなと思って」(妻)、プライベートスペースをあえて和室にしました。

寝室兼居間として使っている和室

和室はおもに寝室として使用していますが、リラックスできる居間としても活用中。

ウッドデッキ仕立てのバルコニー

和室からは広くて開放的なバルコニーに出られます。仕事の合間にひと息つく空間としても活用しています。

LDKは柱や梁を生かしてゆるやかにエリア分け

和室の前からLDKを見たところ。床には白っぽい仕上がりになるオイルで仕上げたオークの無垢材を採用し、上質感とラフさを演出しています。

光がたっぷり差し込む明るいダイニング

サニタリーやキッチンの一部は既存を生かしてリノベーションすることで、上手にコストコントロールも叶えたOさん夫妻。仕事と暮らしが自然に共存する明るい住まいでの暮らしを、気負わずに楽しんでいるようです。

間取り(リノベーション前後)

リノベーション前の間取り図

リノベーション前

リノベーション後の間取り図

リノベーション後

設計/ono design studio
設計事務所勤務を経て2015年に独立。新築一戸建て、店舗、オフィスからマンションのリノベーションまで、住まいの設計を得意とする。使いやすさと気持ちのよさを兼ね備えた「美しい建築」をモットーとしている

撮影/小川 聡   ※情報は「リライフプラスvol.41」取材時のものです

Source: 日刊住まい

猫が家じゅうでのびのび。「キャットウォークがインテリア」の団地リノベ事例

LDKでくつろぐMさんとパートナー

室内のあらゆる場所につくられたキャットウォーク、畳を敷いた小上がり、躯体現しの壁。見どころいっぱいのMさんのお宅は、築50年の団地をリノベーション。パートナー、そして2匹の猫とともに暮らしています。入居前は2LDKだった間取りをワンルーム+収納に。LDK、寝室、仕事場の空間すべてがひとつに集約された、機能的なスペースにつくり替えました。

キャットウォークをインテリアの一部に

小上がりで猫と遊ぶMさんとパートナー

壁面、天井のあらゆる場所につくられたキャットウォークは「インテリアに違和感なくなじませたかった」というМさんの希望で、木とワイヤーを組み合わせたおしゃれなデザインに。取り外しも可能です。

畳を敷いた小上がりは収納を兼ねた寝室スペース。昼間はくつろぎのスペースとして活用しています。足を伸ばせる空間はふたりのお気に入り。

キャットウォークを駆け上る猫

2匹の猫が自由に動き回れるキャットウォーク。

猫ドアを通る猫

各所にある猫ドアは、丸みをつけて全体に統一感を持たせました。

キャットウォークから下を見下ろす猫

木と鉄を上手に組み合わせてインテリアの一部に。

キャットウォーク4

階段状のデザインや、猫が顔を出せる箱状の造作物など遊び心満載。

【この住まいのデータ】

▼家族構成
本人30代 パートナー20代

▼リノベを選んだ理由
リビングを広くして、猫も人も暮らしやすい家にしたかったから。特に、リビングの天井をぐるりと囲むように配置したキャットウォークにはこだわった。

▼住宅の面積やコスト
専有面積/60.59㎡ 築53年(1967年築) 物件価格/2700万円 工事費/1300万円(税・設計料込み)

クールなコンクリートと木の風合いが融合した住まい

躯体現しにした古い団地特有の壁面が味わい深いリビング

躯体現しにした古い団地特有の壁面が味わい深いリビング。壁のトーンに合わせたインダストリアルかつ硬質なインテリアがよくマッチしています。

キッチンでくつろぐMさんとパートナー

白い壁とタイル貼りの床でキッチンとリビングの場を分けています。収納はオープンシェルフを利用し、全体のトーンに合わせています。家電もモノトーンでそろえてすっきりとした印象に。

キッチンに立つパートナー

キッチンは、とにかく使い勝手のよさを重視したかったといいます。

ワークスペースで作業するMさん

リビングの一角にはワークスペースを設けました。手前の小上がりは寝室、日中はベンチとして気分によって活用法を変えられるのが魅力。

構造壁の凹凸を利用して洗面スペースに

構造壁の凹凸を利用した洗面スペース

Мさん自身が「感動した」というリノベポイントが、構造壁の凹凸を利用した洗面スペース。デッドスペースになりがちな隙間を有効活用してスタイリッシュで生活感を排したインテリアに。

玄関土間に設けた靴収納

玄関横にあった部屋は広々した土間とウォークインクローゼットに。玄関土間にはたっぷりの靴収納も。荒々しくはがされたままの躯体現しの壁と天井がラフな雰囲気を演出しています。

ウォークインクローゼットで片づけをするパートナー

ウォークインクローゼットには、2人分の衣類を収納。除湿機を完備し、ランドリールームとしても活用しています。

廊下から玄関への眺め

廊下から玄関への眺め。ストレージや廊下、洗面回りなど一部の壁には「カオチン」という塗料を使用しました。モルタルに近い質感でありながら、扱いが簡単で低価格なのが魅力。

ストレージの入口はアーチ型の垂れ壁で「秘密の小部屋風」に

ストレージの入口は、アーチ型の垂れ壁で「秘密の小部屋風」に。

ストレージには仕事道具や趣味の愛用品を収納

ストレージには仕事道具や趣味の愛用品を収納しています。

壁際の凹凸を利用してディスプレイ棚に

壁際の凹凸を利用してディスプレイ棚にするなど、随所にスペースを有効活用する工夫がされています。

以前はサニタリースペースと直結していたトイレを分離して使いやすく

以前はサニタリースペースと直結していたトイレを分離して使いやすく。

拡張したサニタリーには、愛猫用のトイレや収納を確保

拡張したサニタリーには、愛猫用のトイレや収納を確保しました。この空間は多目的に活用できるので重宝しているそう。

生活スペースと収納を分けたことで、整理整頓がしやすくなったというMさん。細部にまでこだわったリノベーションで猫と一緒に心地よく暮らせる住まいを手に入れました。

設計・施工/リノベる。
物件探しや住宅ローンの相談、設計・施工、インテリアコーディネートの相談まで、専属スタッフがトータルサポート。累計3000戸以上の住宅設計・施工実績を有している。北海道から九州・沖縄まで全国に展開するショールームは、リノベのイメージをつかみやすいと好評。

撮影/相澤利一 ※情報は「リライフプラス vol.38」掲載時のものです

Source: 日刊住まい

通勤時間が長くても、自然に囲まれて暮らしたい!子育て30代夫婦の大屋根の家

玄関からアプローチと土間を見たところ

「子どもには、自然を身近に感じてほしい」「室内にいながら、戸外ののびのびとした雰囲気を味わいたい」…。そんな建主の要望をかなえた注文住宅をご紹介します。

山も海も眺められる絶好のロケーションが気に入って、住まい手が購入したのは、山の斜面に擁壁を築いて造成された高低差のある敷地。一見マイナスに思える要素を逆手に取り、のびのびと子育てできる大らかな住まいを建てました。

写真は、玄関からアプローチと土間を見たところ。前庭にモミジなどの樹木を植えることでプライバシーを確保。樹木の成長を考慮して設けた屋根のスリットから、木漏れ日が降り注いでいます。

自然を身近に感じながら、ストレスなく子育てしています

呉屋さんの家 愛知県 家族構成/夫30代 妻30代 長女幼稚園児 次女幼稚園児 長男幼児
設計/鈴木貴之建築製作所

《この家のこだわりポイント》

  1. 大きな吹き抜けが開放的なLDK
  2. リビングから出られる庭
  3. 落ち着いた雰囲気の畳スペース
  4. LDKと一体化するオープンな子ども部屋

敷地南側の芝生の庭からの眺め

敷地南側の芝生の庭からの眺め。高低差のある敷地を大きな屋根によって包み、左手の道路側から徐々に腰壁を立てて建物へとつなげています。

右側の擁壁の一部と車庫、左手の階段は残した

左隣の住宅と同じように道路側に設けられていた高さ3mほどの石積みの擁壁を撤去。右側の擁壁の一部と車庫、左手の階段は残し、コストを軽減しつつ周囲の街並みに溶け込ませています。既存の車庫は物置として利用。

広い土間や吹き抜けも緑との一体感を演出

道路まで伸びた大屋根が印象的な呉屋さんの家。緑の小道のような階段を上ると木々が屋根を突き抜けている前庭があり、窓と腰壁で囲われた玄関土間につながります。

土間と一体化したLDKは、吹き抜けを持つ大空間。光を反射し風に揺れる天井の布も、内と外との一体感を強調しています。

「緑はもちろん、遠くに海が見えたり、飛んでいる鳥が見えたりと、室内にいても外とのつながりが感じられるので、子育てでストレスがたまりそうなときも気持ちが落ち着きます」(妻)

建物は道路面よりも高いうえ、大屋根と植栽でカバーされているので視線は気にならず、庭でも室内でも、子どもたちをのびのび遊ばせることができます。

「通勤時間が多少長くなっても、自然に囲まれた暮らしがしたい」との思いから、山の斜面を造成した敷地を購入した呉屋さん夫妻。古家が建っていた敷地には高さ3mの擁壁があり、閉鎖的な印象でした。

「普通の工務店では難しいと思ったので」(夫)と、設計を依頼された建築家の鈴木貴之さんは、道路側に築かれていた既存の擁壁を半分ほど撤去。片流れの大屋根を架けてプライバシーを確保しつつ、庭や街、風景と緩やかにつながる住まいをつくり上げました。

当初は模型を見てビックリしたという夫妻。でも、吹き抜けや仕切りのないオープンな空間など要望したことがすべて盛り込まれており、緑に囲まれた暮らしに大満足だそうです。

戸外の緑、光、風…存分に楽しむためにこだわったポイントは?

POINT 1 前庭の植栽と大屋根でプライバシーを確保

前庭の植栽と大屋根でプライバシーを確保

一部を残して既存の擁壁を撤去し、圧迫感をなくしつつ片流れの大屋根を架けています。

片流れの大屋根

大屋根は背景の緑と調和する色に。前庭の植栽も道路からの視線をやわらげています。

POINT 2 斜面のアプローチも季節の変化を楽しむスペースに

大屋根のおかげで、雨の日も駐車場から濡れずに家に入れる

駐車場横の階段にはグラウンドカバーにダイコンドラを配し、その上の前庭にはモミジなど季節を楽しめる樹木を配置。大屋根のおかげで、雨の日も駐車場から濡れずに家に入れます。

POINT 3 リビングから行き来できる芝生の庭

既存のクロガネモチの木を生かした南の庭

既存のクロガネモチの木を生かした南の庭は、庭石も再利用。芝生を張り、リビングから直接出て遊べるスペースに。「子どもを外に連れていかなくてもいいので助かります」と妻。

POINT 4 LDKと外部空間とを緩やかにつなぐ土間

腰壁によって適度に視線をカット

LDKの西側に配された土間は、外と内とをつなぐ中間領域。LDKと一体の空間でありながら、腰壁によって適度に視線をカットしています。

LDKの西側に配された土間は子どものかけっこにも最適

ここは、子どものかけっこの場にも。

POINT 5 緑に囲まれたガラス張りのLDK

大きな開口部により、緑とつながるLDK

大きな開口部により、緑とつながるLDK。土間側には前庭の緑、正面は芝生の庭とその向こうの街並みや海まで眺められます。また、キッチンからは家全体も見渡せます。

POINT 6 床や壁などの仕上げには緑と相性のいい木を多用

床や壁には木を使用

夫妻の要望により、床や壁には木を使用。窓の外の緑との相性も抜群です。

外側は家と一体に見えるように、外壁に合わせてグレーに塗装

壁は、部屋側から見ると木そのものの色ですが、外側は家と一体に見えるように、外壁に合わせてグレーに塗装されています。

POINT 7 2階からも吹き抜けを介して緑を堪能

吹き抜けでつながる1・2階

「でっかいワンルームのよう」との夫の言葉どおり、吹き抜けでつながる1、2階は、大らかな空間。吹き抜けに面した2階の子ども部屋からは、1階の窓越しの緑も眺めることができます。

POINT 8 天井に吊るした布が光や風、緑の心地よさを増幅

日よけなどに用いられる屋外用の布を天井から吊るす

天井には日よけなどに用いられる屋外用の布をつるすことで仕上げを省略。布に光が反射したり、風で揺らいだり、緑が映えたりと、より自然を身近に感じられます。

どこにいても緑を感じられて快適です

吹き抜けにより2階とも一体化するLDK

土間を介して外の緑を感じ、吹き抜けにより2階とも一体化するLDK。天井の布も外とのつながりを強調し、仕上げを省くことでコストダウンも実現しました。布の内側には照明を配し、配線を隠しつつ布を通したやわらかな光を伝えています。

油跳ねを考慮して壁側にIH調理器を配置したキッチン

オープンなキッチンは油跳ねを考慮して壁側にIH調理器を配置。左手の腰壁の向こうは玄関なので、買い物から帰って荷物をしまうのもスムーズ。子どもたちが帰ってきたらすぐに顔を見られます。

食器などを収納したキッチンカウンター。子どもも自分で出し入れができる。

キッチンカウンターのダイニング側は食器などの収納に活用。子どもも自分で出し入れができます。

リビングから一段下がったところに設けられた畳スペース

手前のリビングから一段下がったところに設けられた畳スペースは、扉を閉めると個室になり、シアタールームにもなる多目的な空間。子どもがおもちゃを広げて遊ぶのにも最適で、左手の畳ベンチは腰掛けても、寝ながら映画を観てもOK。

洗面・浴室やトイレなどを配した1階東側からLDKを見たところ

洗面・浴室やトイレなどを配した1階東側からLDKを見たところ。明るさがぐっと抑えられており、開放感あふれるLDKとのコントラストも印象的です。

東側の小さな庭を眺めながらくつろげる浴室

東側の小さな庭を眺めながらくつろげる浴室。コンパクトな空間ですが、手前の脱衣スペースとの仕切りはカーテンのみなので広がりが感じられ、家族が一緒にお風呂タイムを楽しめます。

広いカウンターを備えた洗面スペース

浴室の手前側には、広いカウンターを備えた洗面スペースを配置。左手は階段下を利用した収納になっており、奥には洗濯機も配されています。

日当たりがよく、冬でも昼間は暖房いらず

LDKとつながる2階子ども部屋と、その奥の寝室を見たところ

LDKとつながる2階子ども部屋と、その奥の寝室を見たところ。吹き抜け側には、3人の子どもたちが並んで勉強できる長いデスクをつくりつけ。反対側には3人それぞれのベッドなどを置くスペースとロフトが設けられています。将来はカーテンなどで仕切ることも可能。

ロフトからの眺め

ロフトからの眺めも抜群。左手(東側)の高窓からは隣接する公園の緑が見えます。

天井までの窓が開放感をもたらす寝室

天井までの窓が開放感をもたらす寝室。クロゼットも扉のないオープンなスタイル。

ロフト上部の高窓から光が降り注ぐ子ども部屋

ロフト上部の高窓から光が降り注ぐ子ども部屋は、子どもたちのお気に入りのスペース。机の落書きやロフトの壁に貼られた子どもたちの作品も、楽しい雰囲気を演出しています。

1階にいる家族との会話も可能

1階にいる家族との会話も可能。吹き抜けの大空間は風通しも抜群で、エアコンはLDKの1台+サーキュレーターでOK。「冬は日当たりがいいので暖かくて、昼間は暖房を使いません」と夫。

間取図

呉屋さん邸の間取図

DATA

敷地面積/251.19㎡(76.12坪)
延床面積/101.57㎡(30.78坪)
1階/67.91㎡(20.58坪)
2階/33.66㎡(10.20坪)
用途地域/市街化調整区域
建ぺい率/60%
容積率/200%
構造/木造軸組工法
竣工/2017年10月

素材

[外部仕上げ]
屋根/アスファルトシングル
外壁/針葉樹合板+塗装、ガルバリウム鋼板小波
[内部仕上げ]
1階 床/フレンチパイン
壁/針葉樹合板、ラワン合板
天井/針葉樹合板、布
2階 床/チェリー
壁/針葉樹合板、ラワン合板
天井/針葉樹合板、布

設備

厨房機器/オリジナル(寿々源)
衛生機器/LIXIL
窓・サッシ/オリジナル、LIXIL

施工/豊中建設、スタジオハルガ
設計/鈴木貴之建築製作所

撮影/松井 進 ※情報は「住まいの設計2021年8月号」取材時のものです

Source: 日刊住まい

家族が増えたら、もうひと部屋つくれる!30代夫婦、子どもと成長する団地リノベ

リビングでくつろぐ石井さん家族

長女の誕生を控えていた石井さん夫妻は、実家から近い立地と周辺環境に魅力を感じ、両親から受け継いだ築50年以上の団地をリノベーションしました。2室をつなげてLDKが広く取れるように間取りを変更。床は無垢のタモ材、壁は調湿・消臭効果のある漆喰で仕上げています。

LDKの奥には子ども部屋をつくり、将来子どもが成長して個室が必要になったときも、家族のコミュニケーションが自然と取れるような工夫がされています。

素足でも気持ちがいい無垢材の床

リビングで子どもと遊ぶ父と子

LDKを中心にして、「子どもの成長が見守れるように」間取りを見直した石井邸。既存の洋室と居間をひと続きにして広々としたリビングダイニングを実現しました。

上階の配管が通る天井は組み直して防音性と断熱性を向上。床にオモチャなどが散らかってもすぐに片づけられるように、壁面収納や扉つきのクローゼットをつくり、子どもが元気に遊び回れる安心・安全な空間ができ上がりました。

ワークスペースの椅子で遊ぶ子ども

テレビボードの隣には、ワークスペースとして活用できるデスクを造作。妻がメイクをするときや、ちょっとした作業にも大活躍しています。

収納の下に照明を設置

収納の下に照明を設置して、使い勝手をアップ。

室内窓とニッチ

隣室に設けた採光用の室内窓とニッチがアクセントに。好きなものが飾れるように壁面には飾り棚を取りつけました。

雑貨などを飾ったニッチ

好きなものを飾るためにつくったニッチ。

ナチュラルなカーテンレール

カーテンレールはインテリアに合わせてナチュラルなものを選びました。

【この住まいのデータ】

▼家族構成
夫30代 妻30代 長女

▼リノベを選んだ理由
木をふんだんに使ったナチュラルな雰囲気と、広々した空間で子どもの成長を見守りたかったから。

▼住宅の面積やコスト
専有面積/65.00㎡ 工事費/750万円(税・設計料込み)

子どもに目が届きやすいL字型の対面キッチン

木の温かみが感じられるキッチン

スペースを広めに取ったキッチンは、木の温かみが感じられるカフェのような雰囲気。キッチンからはリビングダイニングが見渡せ、調理や片づけなどの作業中でも子どもに目が行き届くよう、L字型の対面式としました。

センスよく並べられたキッチンツール

コンロ側の壁面はサブウェイタイルで仕上げ、カフェのような雰囲気に。キッチンツールもセンスよく並べられています。

木で仕上げたキッチンの腰壁

室内のイメージに合わせてキッチンの腰壁も木で仕上げました。

デッドスペースにストック用の収納を造作

キッチンと窓の間にあるデッドスペースにストック用の収納を造作。

可変性のあるLDK

家族が増えたときにもうひと部屋つくれるように、LDKの位置と広さが考えられています。

リビングと室内窓でつながる、将来の子ども部屋

LDKの奥に配置した子ども部屋

子ども部屋はLDKの奥に配置し、壁に室内窓を設けて光と風が取り込めるようにしました。将来子どもが大きくなって個室が必要になったときにも、「自然と親子が顔を合わせられるように」という思いが込められています。壁の間には通気層を設けて結露対策もバッチリ。

ワークスペースで作業する夫

在宅ワークが増えたため、子ども部屋を一時的に夫のワークスペースとして活用。「個室なので家の中でもオンとオフの切り替えがしやすいです」(夫)。

デスク上の収納棚

デスクの上には収納棚を造作し、必要なものがすぐ手に取れるようにしました。正面に設置した有孔ボードは、小物などをフックに掛けて収納できます。

オリジナルの洗面台

モールテックスの質感が印象的なオリジナルの洗面台はヘキサゴンタイルで遊び心をプラス。トイレ側の壁の厚みを利用して造作したニッチで収納も確保しました。

清潔感を重視したトイレ

清潔感を重視したトイレはスペースを広げてゆったりと使えるように。「デザインはもちろん、小さな部分までこだわり、自分たちが思い描く住まいをつくり上げていく。その楽しさがリノベーションのいちばんの醍醐味だと思います」と石井さん。お気に入りの空間だからこそ、きれいに保ちたいという気持ちも自然と生まれ、今まで以上に片づけや掃除もするようになったそうです。

間取り(リノベーション前後)

リノベーション前の間取り図

リノベーション前リノベーション後の間取り図

リノベーション後

設計・施工/フレッシュハウス
神奈川県横浜市に本社をおく総合リフォーム企業。キッチン、トイレ、バス、洗面台、リビング、収納棚、収納庫、エクステリア、介護リフォームまであらゆる空間・ジャンルに対応可能。マンションリノベはリニューアル事業部が担当窓口。

撮影/相澤利一 ※情報は「リライフプラス vol.38」掲載時のものです

Source: 日刊住まい

食堂みたいなキッチン、アスレチックコーナー、テントが張れるテラス…親子で大満足の戸建て実例

畳敷きの寝室と、その上部にスタディスペースを配置

子どもたちが成長する「10年間」は、家族が密に過ごす時間。そう考えた一家がつくり上げた新築戸建を紹介します。コンセプトは楽しい思い出を育む家。食堂みたいなキッチン、アスレチックコーナー、アウトドアの雰囲気いっぱいの2階テラス…。親子のコミュニケーションが活発になる仕掛けがいっぱいです。家事と子育て、仕事もストレスなくこなせる住まいになりました。

上の写真は、キッチンからの眺め。正面に畳敷きの寝室と、その上部に子どもたちのためのスタディスペースを配しました。スタディスペースの南向き窓から光が差し込み、LDK全体が明るさと広がりを得ています。

キッチンと子どもスペースを吹き抜けでつなげた3階建て

Oさんの家 東京都 家族構成/夫40代、30代、長男10歳、長女8歳、次男6歳
設計/伊達宏晶(エキップ)

この家のこだわりポイント

  1. 子どもが手伝いやすいカウンターキッチン
  2. 親子の会話がはかどるレイアウト
  3. ストレスフリーなコンパクト家事動線
  4. 仕事と趣味の両方に没頭できる書斎
  5. 玄関からダイレクトにつながるウォークインクローゼット

子どもを見守り、声がけできる家族で囲む“街食堂”キッチン

リビングから見たキッチン

リビングからの眺め。「街の食堂のようなキッチンにしたい」という希望をかなえた、カウンターキッチン。親子で料理をするスペースでありつつ、家族みんなで囲む食卓も兼ねています。

右手に見える黒いのぼり棒とボルダリング壁は子ども部屋につながっている

キッチンからリビング方向への眺め。右手に見える黒いのぼり棒とボルダリング壁は子ども部屋につながり、上下の移動を毎日楽しめるアスレチック遊具です。

コンパクトながら片づけやすいキッチン

キッチンはコンパクトながら、システムキッチン収納と造作の収納で、片づけやすさに配慮しました。木製サッシの窓は屋外テラスとつながります。

洗濯機を収納する小部屋

LDKの一角に、洗濯機を収納する小部屋を設置。料理をしながら洗濯機を回し、上部スタディスペース脇のバルコニーに干す、という家事動線の簡略化を図りました。

家族の様子がいつも分かる司令塔のようなキッチン

「家族が密に接する10年間をみんなで楽しみ、そして子どもたちが各自の家庭を持ったとき、自分が生まれ育った環境を愛おしく感じられる環境にしたかった」とOさん。毎日笑顔で暮らせて、ストレスが少ない家を求めました。

そのメインとなったのがキッチン。「キッチンから子どもたちとコミュニケーションを取りたい」と希望して、2階にワンルームのLDKをつくり、オープンキッチンを設置。その正面に子どもたちのスタディスペースを設けて、料理をしながら会話ができるようにしました。

造作のカウンターで囲ったキッチンはダイニングテーブルとしても使用。コンパクトなスペースですが、かえって動きが少なくてすみ、調理、盛りつけ、配膳などの動線がスムーズです。

また、リビングの一角に洗濯機を設置するスペースを完備。「普通、洗濯機は洗面室などの水回りに置くと思いますが、わが家の洗面室は1階。毎日の家事を考えると、キッチン近くに設置するのが便利だと思いました」と妻。

1階には、夫が使う書斎を設置。仕事柄、早朝出勤、深夜帰宅が多々あることから、家族に迷惑を掛けないように配慮したプランです。その奥には夫妻で共有する大きなクロゼットを設け、出かける際の身支度や帰宅後の着替えがここで完結するようにしました。

家時間が多くなった今、楽しい要素と家事ラクを盛り込んだO邸には、お手本にしたいヒントが詰まっています。

時間を気にせず使える玄関すぐのオープン書斎とウォークインクローゼット

玄関土間の脇に設けた夫の書斎

1階の玄関土間の脇に設けた夫の書斎。個室にはせずオープンにして、昼間は上階の家族との声かけがしやすいようにしています。

夫妻が共用する大きなウォークインクロゼット

玄関を入っていちばん奥まった場所に、夫妻が共用する大きなウォークインクローゼットをつくりました。日々の洋服をはじめ、コートなどのかさばる季節ものまで一手に収納し、上階の居住スペースをすっきり保てるようにしています。

書斎、水回り、ウォークインクロゼットは1階に集約

玄関土間からの眺め。書斎、水回り、ウォークインクロゼットは1階に集約しました。

階段下のデッドスペースを生かしてシューズクロゼットを配置

玄関土間に、階段下のデッドスペースを生かしてシューズクローゼットを配置。

人工芝を敷いた書斎にテレビを設置

人工芝を敷いた書斎にテレビを設置。「テレビを見たりして、くつろげる玄関にしたかったんです」という夫の希望をかなえました。長男が上階で勉強に集中しているときは、下の2人の子どもたちは邪魔をしないようにと、ここでテレビを見たりゲームをして過ごしています。

子どもたちの好奇心を高める立体的なアスレチックプラン

収納を兼ねる小上がりを設置

子ども部屋の一角に、収納を兼ねる小上がりを設置。隠れ家のようなこぢんまりしたスペースで、来客時にはゲストルームとしても使います。

のぼり棒とボルダリング壁で子どもたちの運動不足を解消

2階LDKと3階の子ども部屋を行き来できる、のぼり棒とボルダリング壁を設けました。「家にいる時間が長くなったときに、子どもたちの運動不足やストレス解消に役立つアスレチックアイテムになっています」と夫。

アスレチックアイテムを使って上下階を移動

上下階の移動に楽しさを盛り込むことで、家時間を充実させています。

子どもたちのスペース

3階すべてを占める子どもたちのスペース。壁の一部にホワイトボードのようなボンデ鋼板を用いて、落書きができるようにしています。

子ども部屋は個室

子どもたちそれぞれの個室スペースを完備しました。3室ともに、ベッドと収納をつくりつけただけのシンプルなプランですが、長男は青色、長女は紫色、次男は黄色と、各自が好きな色をアクセントカラーに配しました。

スタディスペース

スタディスペースは、2階LDKと3階子ども部屋との中間に位置します。子どもたちの個室スペースへは、デスクからよじ登ってのアクセスも可能。

テラスやフロントヤードで家を外に開放してボーダーレスに

窓を介してキッチンとつながる2階テラス

2階テラスは、窓を介してキッチンとつながります。キッチンから食材などの手渡しが簡単で、アウトドア気分を満喫する「外食堂」として、Oさん家族は頻繁に活用。ときには、テラスにテントを張ってキャンプ気分も味わっています。

のぼりロープで遊ぶ子どもたち

フロントヤードにのぼりロープを設置し、子どもたちの安全な遊び場にしています。「ご近所のおじいちゃん、おばあちゃんが声をかけてくれたりして、周囲の方々とのコミュニケーションの場にもなっています」と夫。

2階テラスやフロントヤードによりボーダレスも住まいと外部をつなぐ

「外食堂」として楽しむ2階テラスや「フロントヤード」によって、住まいと外部をボーダーレスにつなぐO邸。

間取り図

O邸の間取り図

DATA

敷地面積/86.73㎡(26.28坪)
延床面積/136.44㎡(41.35坪)
1階/50.73㎡(15.37坪)
2階/44.16㎡(13.38坪)
中3階/9.37㎡(2.84坪)
3階/32.18㎡(9.75坪)
用途地域/第1種住居地域
建ぺい率/60%
容積率/160%
構造/木造軸組工法
竣工/2019年3月
本体工事費/3600万円

素材

[外部仕上げ]
屋根/ガルバリウム鋼板縦ハゼ葺き
外壁/モルタル、ガルバリウム鋼板縦ハゼ葺き
[内部仕上げ]
1階 床/モルタル、タモ、塩ビタイル、塩ビシート
壁/クロス、塗装、ラワンベニヤ
天井/クロス、塗装
2階 床/タモ、塩ビタイル、新畳、樹脂製ウッドデッキ(外食堂)
壁/塗装、タイル
天井/塗装
中3階 床/バーチ
壁/塗装、シナベニヤ
天井/塗装
3階 床/バーチ、新畳、塩ビタイル
壁/塗装、シナベニヤ、ホーローパネル
天井/塗装

設備

厨房機器/LIXIL
衛生機器/パナソニック、オリジナル
窓・サッシ/LIXIL、タミヤ

施工/オダ建設
設計/伊達宏晶(エキップ)

撮影/水谷綾子 ※情報は「住まいの設計2021年8月号」取材時のものです

Source: 日刊住まい

オリジナルの壁面収納とワークデスクでリビングを快適なワークスペースに

窓側を向いたワークスペース

外へと視線が抜けるLDKの一角に設けたワークスペース。リビングにぽつんと置かれたデスクは、天板に床材と同じアッシュ無垢材を用いたことで、空間にすっとなじませました。リビングの壁には端から端まで収納とディスプレイ棚を兼ねた大型の壁面収納を造作。スッキリとものを収めることで、リビングでも快適に仕事をこなせます。マンションリノベーションで快適なワークスペースを手に入れたSさんのお宅を訪ねました。

ワークスペースとくつろぎスペース、ふたつの役割をもつリビング

テレビボードを兼ねた大型壁面収納

リビングにはデスクと大きなソファ、そして壁面収納には本や雑貨がずらりと並び、まるで応接間にお呼ばれしたかのよう。テレビが目立たないように、全体的にダークなトーンでまとめました。

窓側には子どものおもちゃ、ワークスペース側には仕事用の資料や書籍を収納。ひとつの空間に家族のくつろぎスペースとワークスペース、ふたつの役割をもたせています。

フローリングと素材を合わせたワークデスク

ワークデスクはオリジナル。奥行を深めにしたことで、大量の資料や本を広げやすく、仕事効率がアップ。デスクの下にはコンセントを設け、配線を最適化してすっきりさせています。「長い時間を過ごす場所なので、デスクは壁付けではなく、窓側へ向けたかった」(夫)。

ワークスペースに飾ったアート作品

ワークデスクの背面の壁には、いろいろなタイプのアート作品が。ピクチャーレールを設けたので、サイズの違うアート作品をバランスよく飾って楽しめます。

【この住まいのデータ】

▼家族構成
夫30代 妻30代 長男幼稚園児

▼リノベを選んだ理由
「子どもとの時間」と「夫婦の大人の時間」をどちらも楽しめる家にしたかったから。また、家事の中心となるキッチン、サニタリー、収納の動線を整理し、家事の時短をはかりたいという希望もあった。

▼住宅の面積やコスト
専有面積/90.13㎡ 工事費/1400万円(税・設計料込み)

キッチン→パントリー→サニタリーまで一直線につながる

作業スペースの広いⅡ型キッチン

コンロ側のタイルとオブジェのようなブラックの水栓が印象的なキッチン。つり戸棚とカウンター前の面材はツヤのあるブラウンで統一しました。

キッチンから水まわりまでの回遊動線

キッチン→パントリー→サニタリーまで一直線につながる便利な動線。パントリーとサニタリーとの間は引き戸で仕切ることもできます。

キッチンとつながる水まわり

パントリーの先にはサニタリーがあります。「できるだけ生活感が出ないようにしたい」という思いから、サニタリーは高級ホテルをイメージ。また、洗濯物もたためるように、カウンターはゆったりとした広さに。

水まわりの床は耐久性の高いシートタイル

床にはオフィスや店舗などで使用されることが多い耐久性の高いシートタイルを採用。グレーなので汚れが目立たず、速乾性があり掃除がしやすいのだそう。

LDKからの光がこぼれる玄関ホール

既存のタイル床を生かした玄関

玄関は既存のタイル床を生かしました。壁面には飾り棚やフックをつけて使いやすさを向上。玄関にはシューズクローゼットがあって、靴や長男の外遊び用のグッズなどをたっぷりと収納できるので、玄関はいつもスッキリ。

廊下沿いの建具にはシートを貼ってイメージ一新

廊下とLDKを仕切る扉はガラス入りで、玄関までしっかり自然光が届きます。

光と視線を通すガラス入りリビング扉

既存の扉にシートを貼って、コストをおさえながらにイメージを一新させました。

ホテルライクなトイレ

廊下沿いに設けたトイレもサニタリーと同じくホテルライクに。アクセントとして貼った個性的なクロスは妻が選んだものです。

アッシュ無垢材のフローリング

デザイン性にも生活動線にも、そしてワークスペースにもこだわったS邸。「いずれはキッチンカウンターをバーカウンターのように使って、夫婦でくつろぎたいですね」と夫。楽しみながら仕事と暮らしを両立できる住まいとなりました。

間取り(リノベーション前後)

リノベーション前の間取り図

リノベーション前

リノベーション後の間取り図

リノベーション後

設計/ブルースタジオ
中古購入+リノベーションのパイオニア的存在。不動産と設計のプロが組み、街探しから始まるリノベーションをワンストップでサポートする。団地リノベや街のブランディングなどの実績も豊富で幅広い。定額制セレクトオーダーの「TOKYO*STANDARD」も好評。

撮影/小川 聡 ※情報は「リライフプラスvol.41」取材時のものです

Source: 日刊住まい