オーダーキッチンの引き出しと扉はどのタイプがいい?家具のプロが解説

オーダーキッチン

キッチンをオーダーする場合、素材や設備、サイズなど、決めなければならないことがたくさんあります。

たとえば引き出しや扉ひとつ取っても、好みのデザインのハンドルやツマミを付ける方法もありますし、手掛けだけにしてスッキリとさせることもできます。

キッチンの通路幅が少し狭くなってしまう場合などは、出っ張ってしまうハンドルやツマミをつけるより、フラットに納まる手掛けや、押すだけで開くプッシュ式にする方法などもあり、実に様々な選択肢があります。

それぞれの引き出し・扉のメリットとデメリットについて、数多くのオーダーキッチンを手掛けてきた家具工房「フリーハンドイマイ」の代表、今井大輔さんに教えてもらいました。

手掛けだけの引き出しはスッキリ見えるけれどデメリットも

ハンドルのある引き出し

あるお客様から、出っ張りの少ないキッチンにしたいので、引き出しにはハンドルをつけず、引き出しの一端に手を掛けて開けられるようにしたい、という要望をいただいたことがありました。

もちろん、手掛けだけの引き出しにすれば出っ張りの少ないスッキリとした印象になりますが、料理中は手が汚れていることが多いものです。結果、引き出しが汚れることが気になって、気を使って開け閉めすることが多くなってしまいます。

手掛けだけの引き出し

ですので、このタイプの引き出しを選ぶ際は、調理中に開け閉めに気を使うことと、次にお伝えするように、年齢とともに指先に力が入りにくく感じるときが来ることを知っておくといいと思います。

ソフトクローズレールだとさらに力が必要

上下に手掛けのある引き出し

最近の引き出しの金物は、手を途中で放してもゆっくり自然と閉まるソフトクローズレールという金物を使うのが主流です。

ソフトクローズレールは閉まっていく動作も美しく、閉め忘れもありません。また、中に収納されているものが大きく揺れにくいのもメリットです。

ただ、ゆっくり閉まるためにバネが入っているので、開ける時には普通の引き出しよりも少しだけ力が要るのです。そうなると指だけで開けるのに、より力が必要だと感じる場合があります。

手掛けで引き出しを開ける

とくに年を重ねていくと力が弱くなってくるので、このバネの力が思ったよりも強く感じられる場合があります。

そこで、それを軽減できるように、指先の力だけで開ける形になる引き出しの上端のみの手掛けではなく、手全体で開けられるような下端の手掛けも加えて、上下どちらでも使う人が開けやすいほうで開け閉めできるように工夫した形にしております。

また、最近の金物メーカーさんはそのあたりも考慮されていて、引く時は軽くて、それでもきちんとソフトクローズするものが出てきています。

以前、すっきりした手掛けでキッチンをつくらせていただいたお客様から、10年近く使い続けてきてだんだんと開け閉めすることに不便を感じている、とご連絡がありました。ですので、後からハンドルをつけさせていただきました。

後付けできるのはオーダーの魅力ですが、やはり手掛けのデザインにハンドルをつけると少し中途半端に見えてしまうこともありました。

せっかく使いやすい金物を使って、出っ張りの少ないキッチンを実現しても、使っていると指が疲れてしまってはその人にとっての使いやすいキッチンにはなりにくいです。

ですので、良い形を見つける一番の近道は、きちんと実物を見て触って確認して、自分の今とこれからの暮らしの中でそのキッチンがどうあってほしいか見つめることだと思うのです。

プッシュ式専用の蝶番は開きすぎる!?

プッシュ式の扉

引き出しの手掛けと同じように、すっきりとしたデザインを求めるうえで、プッシュ式の扉や引き出しにするという方法もあります。名前の通りに押せば開くので、ツマミをつけることもなく、フラットでモダンなデザインにできます。

小さなお子さんがいる家庭では、ハンドルやツマミだとお子さんが頭をぶつけやすいので採用したい、というリクエストをいただくこともあります。

このプッシュ式ですが、昔から「プッシュしてもそれほど出てこないから開けにくい」「押してもちょっとしか開かないから、結局もう一度引き出しを引っ張り出さなければならない。二度手間に感じる」とお客様から言われることが時々ありました。

「押してもちょっとしか開かないから結局もう一度引き出しを引っ張り出さなければならい。二度手間に感じる」といった声を反映してできたのが、プッシュ式専用の蝶番です。

通常のスライド蝶番とは逆にバネが入っているので、プッシュすると45°近く軽く開きます。これが大変軽く開くので、「これは使いやすい」と当時は私も膝を打って喜んだのですが、その後、とあるお客様からご意見を頂く機会がありました。

プッシュ式の引き出し

「イマイさん、あのプッシュ式扉はとても使いやすいのですが、開きすぎちゃうんです」

よく聞きますと、そのご家族のみなさんは、この扉が「プッシュ式」と理解して使っているから不便はないのですが、お客様を招いてみんなでお料理をつくる時に、お客様はそのことを知りません。

プッシュ式の扉や引き出しに腰やひざが軽く触れただけでフワーっと開いてしまって、 それが開いていることに気が付かなくてぶつかっちゃうんです、とのこと。

このお客様については、普通の蝶番に変更し、その後は不便なく使って頂いておりますが、「これが使いやすい、便利だ」と感じ、良い方向になると思って選んだ結果、却って不便を感じる原因になってしまう、ということもあります。

キッチンや家具をオーダーする時は、すべてを実物で確認できることは難しく、同じ形のキッチンでも間取りや動線によって使う環境も異なりますので、その形にするときの、その場所で使う時のメリット、デメリットをきちんと伝えることが、家具屋として一番大切だと感じています。

●教えてくれた人/今井大輔さん
暮らしに寄り添うオーダーキッチンやオーダー家具を手掛ける家具工房「フリーハンドイマイ」代表。神奈川県高座郡に工房とショールームがある

Source: 日刊住まい

システムVSオーダーキッチン、タンクレスVSタンク付きトイレ…。どっちがいい? 設備選び究極の選択

マンションリノベは決断の連続 !

中でも究極の選択ともいうべきテーマについて、不動産、設計の両方に精通するEcoDecoの岡野真弥さんに聞いてみました。

今回は「設備編」です。

システムキッチンVSオーダーキッチン

おしゃれなキッチン

kou / PIXTA(ピクスタ)

せっかくリノベをするなら、キッチンも素材や大きさ、設備にこだわってオーダーしたい、という方が多いです。

最近は市販のシンプルなキッチンをベースにしつつ、好みの設備を組み込んだり、面材などをカスタムして造作キッチンに仕上げる方法も。

一方でシステムキッチンの優れた点は、収納力です。

上位モデルにはデザイン性が高く機能的なキッチンが多く、オーダーするより高価格な場合も。

間取りを考えるうえでキッチンの大きさや形に制約があるなら、オーダーした方が空間を無駄なく活用できますよ。

 

ユニットバスVS在来工法浴室

ユニットバス

PHOTO NAOKI / PIXTA(ピクスタ)

シンプルなデザインで床の防水効果も高いユニットバスを選択する方が多い一方で、バスタイムにこだわりたい方には在来工法浴室が人気。

ただ、どうしても費用的に高くなります。

予算調整が必要な場合には、ハーフユニットバスという選択肢も。

バスタブと洗い場、壁の下部分だけがユニットバスのようにセットになっていて、壁の上部分と天井はタイル貼りにするなど自由に組み合わせられます。

ユニットバスの防水性を保持しつつ、好みのデザインや素材で仕上げることができます。

 

タンクレストイレVSタンク付きトイレ

タンクレストイレ

びわっち / PIXTA(ピクスタ)

空間を広く見せるならタンクレストイレがおすすめ。

ただ、トイレ内に手洗い器が必須なのであれば、別途手洗い場を設置しなければならないので、大きさや取り付け場所によっては逆に狭く見えてしまうことも。

その点、手洗い器付きのタンク付きトイレなら、トイレ本体のみで完結して両サイドはスッキリします。

また、最近は廊下に洗面台を設ける方も増えています。

トイレには手洗い器はつけず、廊下の洗面台を使って手洗いをするという選択肢もありですね。

 

洗面化粧台VSオリジナル洗面

おしゃれな洗面台

ふじよ / PIXTA(ピクスタ)

弊社でリノベをする方のほとんどはメーカーの洗面化粧台ではなくオリジナル洗面で水まわりを好みの空間に仕上げています。

「オリジナルだと高そう…」と思う方もいるかもしれませんが、洗面台はコスト調整しながら理想的な空間を作りやすい場所。

洗面ボウル、鏡、収納、タイルなどを好みのもので揃えつつ、暗くこもりがちな洗面脱衣所をお気に入りの空間にリノベしちゃいましょう。

間取りの都合に合わせて形や大きさを調整できるのも、オリジナル洗面のよい点だと思います。

【取材協力】

岡野さん

EcoDeco 岡野真弥さん

中古マンションリノベのワンストップサービスのパイオニア。全コーディネーターが不動産探しから設計まで一貫して担当できる不動産と設計のプロとして、知識と経験を併せ持つ。内見時には両方の視点からアドバイスができスピード感があると好評。

東京都渋谷区広尾1-15-7 アドビルディング3F  telephone*03・6450・2842 

Source: 日刊住まい