コーディネート例:予算50万円、中古マンション購入を機に、カフェ風インテリアに

中古マンションのリビングダイニングをカフェ風のインテリアにする

「こんな暮らしがしたい!」という要望を聞き、家具やカーテン、照明などの幅広い知識を駆使して、かなえるのがインテリアコーディネーターの仕事。タクミさんのもとにも、さまざまな相談が届きます。

今回紹介するのは、中古マンションの購入・リフォームを機に、家族4人でカフェ風のインテリアにしたい!というお部屋のコーディネートです。

カフェ風のインテリアをベースに、小さな子どもも安心して過ごせる部屋づくりを、CGをまじえて解説をします。

まずは要望を整理。掃除のしやすさも考慮した、カフェのような空間に

依頼を受けたマンションの間取り

こちらが新しい家となる間取りです。12.5畳のLDKのインテリアを提案していきます。

まず、相談者からのご要望と、インテリアコーディネーターとして心がけたポイントを整理しましょう。

相談者からの要望

  • 予算は40~50万円
  • ナチュラルな印象の、明るいカフェ風にしたい
  • 子どもが小さいため、掃除がしやすいアイテム
  • グリーンが映える空間
  • 西日を強く遮光しながらも、暖かな光も感じたい

心がけたインテリアのポイント

  • やわらかなナチュラルカラーをベースに
  • 子どもが安心して過ごせるよう、角の丸いインテリアをセレクト
  • ソファやラグを汚しても、ご自宅の洗濯機で洗える機能性を重視

育ち盛りの2人のお子さんがいるため、掃除のしやすさも考慮して提案することにしました。
機能性も重視しながら、カフェのようなくつげる空間にしていきます。

自然の素材感を大切に。ナチュラルカラーで優しいアイテムを選ぶ

カフェ風のインテリアにするために使う家具や照明

こちらは要望に沿って選んだアイテムリストです。ナチュラルなカフェを演出するために、木の素材感を楽しめるようなアイテムをベースにしました。

またアクセントカラーとして、ブルーのソファを取り入れています。ブルーには心を落ち着かせる効果があり、清涼感ある空間になります。

グリーンとブルー、木の質感で、落ち着けるさわやかな部屋になった
光の入らない部屋では冷たい印象になっていますが、リビングに大きな掃出し窓があるので、その心配もありません。
グリーンとブルー、木の質感で、落ち着けるさわやかな部屋になりました。

子どもが汚しても大丈夫!ソファカバーとラグは洗濯できるものに

ブルーのソファの詳細
育ち盛りの子どもがいる家庭では、きれいな状態で部屋を維持しやすくするために、家で洗濯ができるカバーソファとラグを選びました。

ソファカバーとラグは洗濯できて、お手入れもラク

毛足が長いラグはクッション性に優れていますが、汚れやホコリがたまってしまうデメリットがあります。

そこで今回は、肌触りに優れているマイクロファイバー製の、毛足が短いラグを選ぶことにしました。軽く掃除機をかけるだけで、きれいにお手入れすることができます。

遮熱&遮光のカーテンで、光を取り入れながら冷暖房効率アップ

夕方になると西日が入るLD(リビングダイニング)の窓には、遮熱効果のあるレースカーテンと、遮光タイプのドレープカーテンを提案しました。

遮熱カーテンは遮光カーテンよりも室内の気温上昇を防ぐ効果があります。UVカット機能もついているため、日の光を取り入れながら冷暖房効率をアップすることができます。

遮光には等級があるので、どの程度光を入れたいかライフスタイルにあわせて判断しましょう。

遮光カーテンの等級と光の目安

遮光カーテンの性能

※遮光専門カーテン「フクロウのカーテン」より

小さなお子さんがいる家庭では、デザイン性だけでなく清潔に保てるメンテナンス性の高い素材を選ぶと、掃除がとてもラクになります。

ソファカバーやラグ、カーテンが洗濯できるか、汚れが落ちやすいかなど、素材選びにもこだわることも、インテリアコーディネートの大事なポイントです。

●教えてくれた人/タクミさん
インテリアコーディネーター、カラーコーディネーター2級。インテリアショップにて5年間勤務後、リフォーム/リノベーションのコーディネーターに。男性目線のブルックリン、インダストリアル、西海岸風のインテリアセレクトを得意としている

Source: 日刊住まい

工事費500万円でリノベ。アンティークが似合うアカシアフローリングの住まい

自転車も置けるLDK

住宅ローンの金利が低いうちに家を購入したい、と結婚を決めると同時に家づくりを始動したHさん夫妻。アンティークの家具や雑貨が好きなふたりは、新築ではなくリノベーションを選択します。

リノベーション事例が集まった本で「ツバメクリエイツ」というリノベーション会社を知り、自分たちの好みに合うデザインや会社の立地に魅力を感じてリノベーションを依頼。千葉県柏市にある築年数19年のマンションを購入し、工事費500万円(税・設計料込み)をかけてアンティークが似合う空間をつくり上げました。

LDKにはダイニングテーブルを置かずに余白を

アカシアフローリング

寝室などの個室は狭くてもいいから、リビングをできる限り広くしたかったというHさん夫妻。リビングに隣接していた和室や押し入れを撤去したことで、ゆとりある空間が生まれました。

当初はフローリングをオークにしようと考えていましたが、予算内ではリビングのみに張るのが精いっぱい。そこで、設計担当の方から「これなら全室フローリングにできる」とアドバイスをもらい、見た目も気に入ったアカシアを採用しました。

テレビボードと夫愛用のギター

テレビボードの横にはディスプレイかのようなさりげなさでギターが置かれています。ずっと音楽活動を続けている夫のもので、今は気兼ねなく演奏できる地下室を練習の場にしているのだそう。

開放感のあるリビングとピクチャーレールに飾ったドライフラワー

解放感あるリビングにはダイニングテーブルをあえて置かず、余白を残しました。飾ってあるアンティークの家具や雑貨は、柏のアンティークショップで購入したものが多いそう。もともと付いていたピクチャーレールに飾ったドライフラワーが、真っ白な壁をやさしく彩ります。

そしてパッと目を惹くグリーンのアームチェアは、リサイクルショップでなんと800円で見つけたという掘り出し物。個性的なフォルムがインテイリアのアクセントになっています。

廊下から玄関に光を届けるリビングのガラス入りドア

廊下から玄関に光を届けるリビングのガラス入りドアはツバメクリエイツのオリジナル。開けておくと家じゅうに風が通り抜け、1階ということで心配していた湿気も気にせずに生活できています。

地下室へ続く階段。

また、リビングには階段室があり、地下室へと続きます。街灯のようなデザインの照明器具がアクセント。階段は既存をそのまま利用し、手すりのみナラ集成材のものに付け替えました。

猫の「ぽてこ」はこの階段を上り下りすることがいい運動になっているそう。

カフェ風のグレイッシュなキッチン

カフェ風のグレイッシュなキッチン

キッチンの腰壁にサブウェイタイル、奥の壁にはブルーのアクセントクロスを貼ってカフェのような雰囲気に。1枚ごとの微妙な色ムラがあるタイルによって複雑さが加わり、味わい深く。

カウンター風に奥行きを深くした天板には、妻の手製の果実酒やビネガーが楽しげに並びます。

木目調の使い勝手の良いシステムキッチン

当初はオーダーキッチンを希望していましたが、コストを抑えるために手ごろな価格で使い勝手がよいシステムキッチンをチョイス。木目調の面材を選ぶことで、インテリアに馴染ませました。

床材には六角形の塩ビタイルを採用。水に強く掃除もラクで、タイルの床と比べてものを落としたときに割れにくいのもメリットです。

譲り受けた店舗の什器を再利用

システムキッチンとセットの背面収納は設けず、譲り受けた店舗の什器を置いて食器や食材、家電を収納しています。「収納が多いとものも増えてしまいがちなので、この方がいいんです」と妻。結果としてコスト削減にもつながりました。

玄関と個室を内窓でつないで光と風を

玄関には土間を作り、大きな姿見で奥行き感を演出。

以前は間口が90cm程度と狭かった玄関には、友人が遊びに来たときも靴を置きやすいようにと土間を新設。大きな姿見は外出前の全身チェックに便利で、玄関の奥行き感と明るさが増して見える効果も。靴の収納棚もツバメクリエイツによるオリジナルです。

toolboxのすべり出しの内窓

玄関土間に面した個室には、toolboxのすべり出し窓を内窓として設置し、採光と通風を確保しました。ショップのようにディスプレイされたクローゼット

その個室にはクロゼットに入りきらない洋服やバッグがショップのようにディスプレイされています。夫妻はアンティークの家具を好むのと同じように、洋服は古着を愛用しているのだそう。

ブラウンタイル×白目地がシックなサニタリー

アンティーク調ミラーの洗面室

ダークブラウンのタイルとアンティーク調のミラー、レトロ感のある水栓などテイストを揃えた洗面。洗面ボウルにはシンプルで深さがある、TOTOの「病院用流し」を選びました。

衣類やスニーカーのつけ置き洗いをする際にも重宝しているのだとか。収納は洗面台の下に設け、上はミラーのみにしてスッキリ見せました。

ナチュラルで落ち着いた印象のトイレ

トイレにはブルーグレーのアクセントクロスをあしらい、棚やペーパーホルダーを木製のものにしてナチュラルで落ち着いた印象に仕上げています。「おしゃれすぎて自分たちが疲れてしまうのは嫌だ」と、落ち着きある空間を求めていたHさん夫妻。

アカシアの無垢フローリングをはじめ、好きな素材に囲まれて暮らせる幸せを実感しているのだそう。「柏にはおいしいご飯のお店も古着屋さんもたくさんあるので、出かけても楽しい街なのですが、くつろぎすぎて外出しない週末もあるほどです」と妻は話してくれました。

設計・施工/ツバメクリエイツ
撮影/山田耕司
※情報は「リライフプラスvol.31」取材時のものです

Source: 日刊住まい