コロナ禍のショールーム見学は先手必勝で。オンラインも組み合わせて効率よく

ショールームがあるビル

家づくりのプロセスで欠かせないのが、建材や住宅設備のショールーム見学です。夫婦+小学生の子ども2人の4人家族で暮らす日刊住まいライターは、上の子どもが小学校高学年になったタイミングで、横浜市内に家を建てることを決意。

でも、家づくりの時期とコロナの流行時期が重なってしまい、最初はなかなか思うようにショールーム見学ができない事態に。そこで、早めに予約をしたり、オンライン見学も利用したりするなど工夫することで、納得のいく建材・設備選びができました。

今振り返り、ショールーム見学でやっておいてよかったことや後悔したことを語ります。

ショールーム見学は、契約前にひとりで行ってもよかったかも

スケジュール帳

ハウスメーカーとの契約までは、土地探しやハウスメーカー選びに全力投球。土地の引き渡しを経て、着工までは約3か月半。その3月半の間に、できるだけ効率よくショールーム見学をしたいと思っていました。

わが家がショールーム見学をした時期は2021年の春。コロナの影響で多くのショールームが完全予約制になってしまい、また平常時より予約人数を絞っていたため、なかなか予約が取れません。

とくに、土日休みの夫に合わせて予約をしようとすると、行ってみたいショールームの予約が取れるのは1か月後、2か月後に…。

今思えば、ハウスメーカーとの契約前に見学しておいてもよかったのかな、と後悔しています。また、なんとなく「夫婦で決めた方が早いし、あとからの変更が少なくて済みそう」という理由で夫婦で見学していました。でも、自分ひとりでもどんどん行ってみればよかったのかも、とも思います。

ショールーム見学はやはりメリットが大きい

キッチンやユニットバス、トイレ、外壁、床材、クロスなど、注文住宅で選ぶべき建材・設備は多岐に渡ります。わが家が訪問したのは以下の6社です。

  • クリナップ(キッチン)
  • TOTO(キッチン、トイレ、ユニットバス、洗面化粧台)
  • DAIKEN(床材、建具など)
  • YKK AP(玄関ドア、サッシなど)
  • ニチハ(外壁)
  • KOIZUMI(照明)

さらに、オンライン相談でサンゲツ(クロス)のショールームも利用しました。

床材のサンプル

ショールームに行くメリットは、実物を見て確かめられることだけでなく、カタログを見ているだけではわからないことを、スタッフの方に直接質問できること。自分たちの好みに合ったセレクトのコツなども聞くことができ、とてもためになりました。

「相談したいこと」がはっきりしているならオンラインもアリ

オンライン面談のイメージ

最初のうちは、なるべくたくさんのショールームに行きたい、とつい張り切ってしまいがちですが、小さい子ども連れでの移動はなかなか大変です。そこで、クロス選びは「サンゲツ」のオンライン面談を利用してみました。これがとってもラク!

そのオンライン相談で、わが家がお願いしたのは以下の2点でした。

  • スタディースペースと寝室のアクセントクロス選び
  • 水回りに合ったクロス選び

いずれも、事前に図面を送っておき、メインで使うクロスや建具の色を伝えながら意見をもらいました。また、希望のクロスを貼るとどんな雰囲気になるのか、といったことについて相談。面談後に、気になるクロスのサンプルを送ってもらいました。結果は大満足。ほかのショールームもいくつかはオンラインにすればよかったと思ったくらいです。

オンライン面談の場合、「実際に見て触ってみたい」「全体をじっくり見てまわりながらイメージをつかみたい」というニーズには合わないかもしれません。逆に、「相談したいこと」「見てみたいもの」がはっきりしている場合は、実際に足を運ぶよりずっと手軽。リアルの訪問とオンラインをうまく組み合わせれば、もっと効率良く回れたのかも、と少し後悔しています。

何度も行くより一回一回を「濃い訪問」にする工夫を

実際にショールームに行ってみて、とくによかったなと思うのは、DAIKENとニチハ。どちらも小さな面積のサンプルはハウスメーカーの担当者から見せてもらっていました。でも、DAIKENでは施工された床を見て質感をじっくり確かめることができ、建具との相性などもチェックできました。

また、ニチハでは、選んだ外壁に屋根やサッシ、玄関ドアも組み合わせて3Dパースをつくってくれたので、より立体的な外観イメージをつかむことができ、納得のいく選択ができました。

ショールーム見学をしてみて感じたのは、早い段階でスケジュールを立てることの大切さ。場合によってはオンラインも組み合わせることで効率よく回れると思います。

また、やみくもに何度も行くより一回一回を「濃い訪問」にする方がいいということ。事前に図面を送っておくのはもちろん、キッチンやユニットバスであれば標準仕様をあらかじめ確認しておく、オプションにいくらくらい使えるのか予算を伝えておく、など先にこちらの情報を伝えておくと、自分に合った情報が得られやすいと思いました。

写真/PIXTA(4枚目)

Source: 日刊住まい

編集部が気になる住まいのショールームに行ってみた!たすかけ「吉祥寺ラボ」編

人工芝を壁、天井、床に貼ったインパクトのある空間
家づくりの参考になるショールームを編集部が訪問!今回取材したのは、コラボレーションリフォームを手掛けるたすかけの「吉祥寺ラボ」ショールームです。スタイルにとらわれない空間づくりが得意とし、建築家や家具ショップなど、各分野のプロと協働し、住む人の感性に響くコラボリフォームを手掛けています。

コラボリフォームの魅力を体感できるたすかけのショールーム

アイデア豊富な空間や設備の展示を見るほどに期待感が高まります

たすかけ「吉祥寺ラボ」ショールーム
人工芝を壁、天井、床に貼ったインパクトのある空間。卓球台をコンセプトにしたテーブルに黒板塗装したり、イームズや学校の椅子を置いたり。発想の柔軟さが伝わります。

ここは東京・吉祥寺にある「たすかけ」のショールーム「吉祥寺ラボ」。マンション一戸をまるごとリフォームしたショールームは、アイデアがいっぱい詰まった空間。「たすかけ」の世界観を肌で感じることができます。人工芝を内装材に用いた遊び心あるスペースや、海外のヴィンテージ品を扱う家具ショップとコラボレートした、カフェのような非日常的な空間などが見られます。

さらに、既存の間仕切りを生かしてリフォームした点にも特徴が。もともとキッチンのあった場所にオリジナルキッチンを造作するなど、リフォーム後のイメージがつかみやすいように配慮されています。ほかにも建物内に、打ち合わせ兼ショールームの「ギャザリング」があり、空間展示や多数の建材サンプルが見られます。

詳しい説明や相談を希望する場合は事前の予約がおすすめですが、カフェにふらっと立ち寄るような気分で気軽に訪れてみるもよし。その際、間取図やイメージ写真があれば、より具体的な相談が可能に。

素材の妙も味わえて見ごたえ十分

感性豊かな内装デザインにインスピレーションがわく!

天井にステンレスを用いた斬新な発想の空

天井にステンレスを用いた斬新な発想の空間。天井の写り込みによって吹き抜けのような広がり感が生まれます。床材は紫檀(したん)。

本や小物類を見せて収納できるように造作した壁のボード

壁のボードは、本や小物類を見せて収納できるように造作したもの。木材を「+(たす)」「×(かける)」状に組み、デザインに社名を取り入れた演出に。

濃いグレーの床はモルタル製

濃いグレーの床はモルタル製。型枠に使った杉板の形が表面に映り、表情豊かに空間を彩ります。

ハンギングディスプレーやポケット収納に

ハンギングディスプレーやポケット収納など、使い方は自由自在!

水回りや収納などの造作家具もセンスが光ります

アートな仕上がりの設備などはデザインや使い勝手も確認可能

手洗い台

無垢の一枚板を天板と前板に切り分け、木目を合わせて組み上げた手洗い台。鏡をくりぬいて水栓を取り付けるなど、手の込んだつくりです。壁は珪藻土仕上げ。輸入雑貨ショップとコラボレートした照明も参考になります。

造り付けの吊り収納と黒板塗装の壁

造り付けの吊り収納や、マグネットも使えるオーガニック黒板塗装の壁。

オーダーキッチン

家具ショップとコラボレートしたオーダーキッチン。

ココも見どころ!打ち合わせ兼ショールームの「ギャザリング」も活用を!

打ち合わせ兼ショールーム

木製タイルやOSB(集成材)を用いた床仕上げをはじめ、天然石を貼った造作テーブルや格子デザインの吊り式テレビボードなどの展示が参考に。ここでは、モニターに映し出された図面を見ながらリフォームの相談ができ、来場できない場合はweb会議の場にもなります。

【商品の問い合わせ先】
たすかけ「吉祥寺ラボ」ショールーム
〒180-0004
東京都武蔵野市吉祥寺本町3-20-11
カーサ・エスポワール103
0422・56・8727
営業時間/10:00~18:00
休/水
https://tasukake.tokyo/

※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、来場の際はマスク着用、手指の消毒、検温を実施しています
※スタッフは、マスク着用での案内となります。打ち合わせの際は、アクリル板パーテーションを使用しています

取材・文/坂本ひろみ 撮影/佐藤周哉

Source: 日刊住まい

建築設計事務所にも「ショールーム」があるって、知ってました?

キッチンやバスなどの設備機器やフローリングなどの建材のショールームは、実際に見て触れて、デザインや性能などを確認できるのは皆さんもご承知の通り。
ハウスメーカーなら住宅展示場にモデルハウスがありますよね。

実は注文住宅を手掛ける設計事務所でもショールームを構えているところがあるのです。
そこでは家づくりへの考え方やデザイン、空間の心地よさを実際に体感できます。

その一例が、2020年春にオープンした杉坂建築事務所の「SUGISAKA STUDIO」。
どんなショールームなのか、実際に訪れてみました。

本物志向の家づくりを体験できるショールーム

杉坂建築事務所のショールーム「SUGISAKA STUDIO」

「SUGISAKA STUDIO」は、杉坂建築事務所のショールーム。

杉坂建築事務所は、古民家を原点とした木造建築に先進技術を融合させ、現代的な快適さを備えた「本物志向の家づくり」に取り組む建築設計事務所です。

ショールームは木造2階建て。和モダンテイストに仕上げられた建物が街並みにしっくりと馴染じんでいます。
入り口の木製サッシや、アプローチに張られた色とりどりの孔雀石、外壁の漆喰なども立派な展示物。
また外と内とが緩やかにつながることで、室内に広がりをもたらす工夫などもプランの実際として体感できます。

内外装や建具、構造、オリジナル家具など、見どころが満載

吹きの抜けのあるショールーム1階

屋内に入ると、ダイナミックな吹き抜けやそこに渡された太い梁、自然素材を用いたリビング、キッチンなどを見ることができます。キッチンのデザインはもちろんオリジナル。

他にもオリジナルデザインの建具なども展示され、素材感や意匠美、使い心地などを体感できます。

1階にはウォールナットのローボード、2階の階段ホールには調度品を飾る収納など、造り付けられています。いずれも造作家具の参考になりそうです。

チークフローリングを張ったコーナー

土足で歩けるチークフローリングや、チークの無垢板を天井に張ったリビングダイニングの展示。木製サッシで造作したコーナー窓などは実際に開閉してみてください。
また出窓を確認するときはぜひ椅子に座って外を眺めてみて。
窓の景色もいい家をつくるための大切な要素と考える、同社の思いを感じることができるでしょう。

松の太い梁のある吹き抜け

8寸角もある檜無垢材の大黒柱に、松の太鼓丸太の梁を架けた吹き抜け。大黒柱と梁がぴたりとつながる様に、日本の伝統技術の継承を見ることができます。天井は珪藻土塗り。

細かい細工のされた建具

丁寧な職人技と格子のデザインが美しい建具。

余った木材で作ったテーブルと椅子

構造柱の余った部分を使った天板に、鋳物の脚を組み合わせたテーブル(右)や、自然樹の曲線を生かしたオリジナルの椅子など、一点物の家具も展示しています。

玉砂利洗い出しの通路

屋外のなにげない小砂利洗い出しも、左官技術を生かした展示例のひとつ。

リアルなサイズ感やアイデアが間取りの参考に

杉の無垢材を使った勾配天井

勾配天井や天窓によって開放感が味わえる2階の空間展示。杉の無垢材を張った天井も仕上げの参考になります。

2階のミニキッチン

木製カウンターにシンクや水栓、IH調理器を組み合わせたミニキッチン。障子のように見える建具の内側は収納になっています。小さなスペースでも工夫をすれば、使いやすい間取りを実現できそう。

ミニキッチンの建具を閉じたところ

木製格子とワーロンを組み合わせた建具を閉じれば、キッチンが隠れてしまう仕掛け。

小屋裏への梯子

小屋裏収納の使い勝手も実際に体感してみて。

象策家具の仕上がりを見られる洗面室

手洗いコーナーでは、丁寧につくられた仕上げや造作のカウンターなどを見ることができます。

町家を彷彿とさせる外観デザイン

外壁を漆喰で仕上げた外観

漆喰のコテ押さえでシンプルに仕上げた外壁をはじめ、軽量瓦を用いた下屋やガルバリウム鋼板を葺いた2階の屋根の建物は、和の風情を融合させたモダンな外観。
入り口のサッシは木製でも断熱性に優れているそうです。

杉坂建築事務所の設計による、暮らすほどに深まる心地よさや空間の表現力を実感できるショールーム。家づくりを決めたら様々なショールームを訪れたいですね。

【SUGISAKA STUDIO】
東京都世田谷区若林1-23-3 電話番号 03・3414・8141
営業時間 10:00~17:00 ※見学は要予約

撮影/八杉和興
※情報は「住まいの設計2020年6月号」取材時のものです

Source: 日刊住まい