ハンニバル・レクター博士の元ネタ殺人鬼のドキュメント! Netflix『コンフェッション・キラー 疑惑の自供』が今だから判明する事実の連続だった

『羊たちの沈黙』や『ハンニバル』に登場する殺人鬼ハンニバル・レクター博士。トマス・ハリスを知らなくとも、レクター博士の名前は知っているという人も多いだろう。

そんなレクター博士にはモデルとなった殺人鬼が何人かいるのだが、その1人であるヘンリー・リー・ルーカスのドキュメントが2019年12月6日にNetflixで公開されている。本人映像や関係者への緻密なインタビュー、そしてDNA検査などを経て判明していく事実は衝撃の連続。これは今だからこそ作れるドキュメントだ

・トップクラスのシリアルキラー

アメリカのシリアルキラーの中でも、トップクラスの有名人であるヘンリー・リー・ルーカス。彼の名前をネットで検索すると、ズラーッと出てくるまとめには、「300人以上を殺害した殺人鬼」「自供での殺害件数は3000件以上」などの言葉が目につく。

事実、大量殺人鬼として知られる人物のため、パブリックイメージはそんなところだろうと思うが、同時にこうも語られている。「ヘンリーには虚言癖があった」と。

・“シリアルキラー” ヘンリー・リー・ルーカスの誕生

Netflixの『コンフェッション・キラー 疑惑の自供』では、この虚言癖の部分がクローズアップされている。母親の殺害で1960年に刑務所に入り、情緒障害で釈放されているヘンリー・リー・ルーカス。そんな彼の名が知れ渡るのは、15歳の恋人ベッキーと82歳の老婆ケイト・リッチを殺害した容疑で再び逮捕された1983年だ。

『コンフェッション・キラー 疑惑の自供』が追うのは主にこの1983年の逮捕から。ケイトの殺害容疑の罪状認否で「殺人罪の容疑を理解しているか?」と判事に問われたルーカスは、突然こう答える。「判事……残り女性100人の殺人は?」と

当時の映像が流れるその裁判のシーンはまさに混乱と呼ぶにふさわしい。判事は目を剥き、取材に来ていた新聞社は一斉に報道、特捜本部も結成される。“シリアルキラー” ヘンリー・リー・ルーカス誕生の瞬間だ。

・全米が揺れる

彼の悪名は知れ渡り、全米全土から未解決事件を追う刑事がルーカスの元に集まりだす。その刑事たちに、ルーカスは次々と殺人を自白。日本のメディアが取材するひと幕では「日本にも行ったことがある」と発言している。これが「300人以上を殺害した殺人鬼」「自供での殺害件数は3000件以上」の元だ。

ところがどっこいドキュメントの内容は、この時点で半分にも到達していない。ここで出てくるのが前述の虚言癖の部分である。ルーカスの自白に矛盾を感じた検事フィーゼルは事実の調査に乗り出す。

一方で、ルーカスの自白により、全米未解決事件を次々と解決するヒーロー的存在となっていたテキサス州の保安官たちは自白が嘘だったらヤバイ。そのため、フィーゼルと対立する形に。やがて、ルーカスを挟んでの検事 vs 政府の戦いへと発展していく。

・もうめちゃくちゃ

現在のフィーゼルや元テキサス州の保安官が当時のことを語っているのだが、今でもお互いを疑っているのがリアルだ。正直、歴史的事件の関係者から、ここまで赤裸々に本音を引き出したNetflixは天晴と言う他ない。

さらに、後半では、最初に死んだはずのベッキーが登場したり、ルーカスが自白を覆したりもうめちゃくちゃ。一体どこまでが事実でどこまでが嘘なのか

・今だからこその新事実

なぜ、40年くらい経った現在であっても、いまいちハッキリ決着していないのかと言うと、2001年に服役中のルーカスが老衰で死亡してしまったから。全ては墓の中……。

と思いきや、本ドキュメントは、ルーカスが自白した犯罪についてのDNA鑑定の結果をもって締めくくられている。まさに今だからこそ判明する事実。今だからこそできるドキュメントだ。

大量殺人鬼というイメージの裏に隠れた闇を糾弾する『コンフェッション・キラー 疑惑の自供』。ガチさがビンビン伝わって来る内容は、突き刺さるようにとんがっている。さすがNetflix。これが海外ドキュメント。1話40分で、全5話とシリーズものとしては長くはないので、予定のない1日に一気見がオススメ。

参照元:Netflix『コンフェッション・キラー 疑惑の自供』
執筆:中澤星児


Source: ロケットニュース24