成約ボードの花に危険な秘密!マンション販売業者に騙されるな

不動産会社の営業マンは、接客のプロ。巧みにお客さんの心情を読み取って、希望に沿った物件を紹介します。
しかし一方で、お客さんの希望ではなく、自分たちの希望の物件を申し込むように、上手に誘導することも。そのために、マンション事業者はどのようなことを密かに行っているのでしょうか。

その舞台の裏側を教えてくれるのは、『不動産屋は9割ウソをつく』(三笠書房)の著者である現役不動産仲介営業マン・関田タカシさんです。

1. マンションギャラリーの「花」

契約書

ふじよ / PIXTA(ピクスタ)

マンションギャラリーに行ってみると、「分譲中の部屋の一覧表」が壁一面に貼られていることがあります。そして、成約した部屋番号のところには「花」が飾られています。
選挙のテレビ中継を思い浮かべると、分かりやすいでしょうか。政党本部では、当選した人の名前に赤い花の造花やシールを貼っていきます。あのような状態がマンションギャラリーでも見られるのです。

マンションギャラリーをお客さんが訪れるときは、あらかじめ予約をします。予約の電話をする際には、希望の間取りを聞かれ、伝えておくことになると思います。

そうすると、販売業者の間でこんなやり取りが行われることがあるのだそうです。
(営業)「次にくるお客さんは?」
(アシスタント)「3LDKのお部屋が希望です」
(営業)「じゃあ、3LDKの○○号室以外は、花を付けておいて」

そして、お客さんが来場すると…
(営業)「いらっしゃいませ。ご希望は3LDKのお部屋でしょうか。お蔭様で大好評でして。ただ、○○号室だけはキャンセルの連絡がありまして、申し込みが可能です。○○様、ツイていらっしゃいますね!」
と、紹介します。

そして、お客さんが申し込みを躊躇するようだったら「こちらの物件も、すぐに申し込みが入ってしまうと思いますよ」と追い打ちをかけるのです。

2. 物件が残っているのに、なぜほかの部屋を勧めないの?

モデルルーム

旅人 / PIXTA(ピクスタ)

物件が残っているにも関わらず部屋を絞って紹介するのは、ズバリ、早く申し込みしてもらうためです。

あれこれ物件を紹介すると、お客さんは迷ってしまい、申し込みに時間がかかることが多いです。
そのために、あらかじめ、マンション販売業者のほうで物件を絞り、申し込みを「する」「しない」の二者択一にし、早期に申し込みをもらおうとするのです。

営業マンとしっかりコミュニケーションをとっていないと、言われるがままに希望とは異なる部屋を申し込んでしまい、後悔することになりかねません。

3.まとめ

マンション

Ken Galbraith / PIXTA(ピクスタ)

マンションギャラリーは実際のマンションとは別の場所にあり、ギャラリー内のモデルルームを彩るグレードの高い家具や内装も手伝い、お客さんは夢見心地になりがちです。
そんな状況の中で「残り1部屋です」と言われると、「すぐに申し込まなくては」「この物件を逃したくない」という気持ちが湧いてきます。

さらに、マンションギャラリーに貼り出されている「分譲中の部屋の一覧表」に付けられている花。この花が、視覚的にも「申し込み」の方向に気持ちをあおります。

見学に行く前に、自分たちの希望する設備などの条件を優先順位をつけてリスト化するなど、準備していくことが大切です。そうすれば花の誘惑に惑わされず、冷静な判断ができるでしょう。

関田タカシ(セキタタカシ)
1982年東京都生まれ。宅地建物取引士。大学卒業後、大手流通不動産流通業者にて売買仲介の経験を積む。その後、収益不動産専門の売買仲介業者へ転職。ヘッドハンティングされ、現在は投資用不動産専門の売買営業担当として従事。著書に『現役営業マンが明かす不動産屋のぶっちゃけ話』『現役不動産仲介営業マンがこっそり教える最強の初心者向け不動産投資』『超実践 不動産投資のプロ技』(以上、彩図社)がある。

Source: 日刊住まい