ゴミを減らす&小さくする方法。買い方、捨て方を見直すと暮らしの質が上がる

家庭ゴミ

最近、耳にすることも多くなったSDGsというキーワード。世界中の人々が豊かで幸せに暮らせるように、地球環境をはじめとしたさまざまな問題に取り組んでいこうとする、世界共通の開発目標のことです。そう聞くと、私達の生活からはほど遠いことのようですが、家庭でできることもいろいろあります。

ライフオーガナイザーで整理収納のプロ・田川瑞枝さんは、「家庭ゴミを減らすことで、暮らしの中にSDGsを取り入れています」と話します。地球環境への配慮は、同時に暮らしやすさにもつながるそう。田川さんが実践している取り組みを教えてもらいました。

家庭ゴミを減らす3つの心がまえ

レジ袋の有料化など、プラスチック製品の削減を目指すことも、SDGsの取り組みのひとつです。そして、家庭でのプラゴミを減らすことでも、海に流れ出るマイクロプラスチックを減らせて、SDGsが掲げる目標のひとつ、「海の豊かさを守る」ことにもつながります。

個人でできることはほんのささいなことかもしれませんが、この積み重ねも大事な一歩だと実感しています。

家庭ごみ

わが家で出る家庭ゴミは、生ゴミを含む燃やせるゴミと燃やせないゴミ、リサイクルできる資源ゴミなど。なるべくどのゴミも減らしたいので、ものを買うときなど、なにかを新しく家に入れるときから意識することが重要です。

ものを買う前の判断が大切

なにに使うのか、本当に必要かを考えてから、筆者はものを購入するようにしています。TVやSNSで話題だからと評判だけで買っていると、家の中はすぐにものであふれてしまいます。

調味料の瓶

たとえば、ドレッシングやタレなどの調味料。冷蔵庫の中にいろんな味や種類のものが入っていて、そもそもいつ買ったのかさえ忘れているなんてこともありがちです。

私は、食べきれる、使いきれると自信をもてるものだけ、覚悟を決めて買います。ムダに買って廃棄するのは、お金を捨てているのと同じだからです。

買い方を工夫する

そして、買った以上はそのものがゴミになるまで責任をもつこと。同じアイテムでも、プラスチック容器入りとビン入りがあるなら、ビン入りを選ぶことで、プラスチックゴミの削減に貢献できます。

紙パックの食品

たとえば、納豆やヨーグルトなどは紙容器入りを選ぶことで、ゴミ自体の存在はもちろん、洗浄して捨てる、という手間もなくなります。

緑茶

飲み物なら茶殻が出ないように粉末タイプを選んでいます。これだけで、茶殻という生ゴミの存在がなくなり、あと始末も格段にラクになります。生ゴミを減らすことで、燃やすときにかかる清掃工場の発電エネルギーを減らすことができ、ゴミ捨てに使う指定ゴミ袋を節約できます。

不用なものは潔く断る

ゴミを減らすための行動として、3R(リデュース・リユース・リサイクル)はよくいわれていますが、それにプラスして5R(リフューズ・リペア)という言葉があります。5Rのなかの「リフューズ」は、日本語でいうと「断る」の意味。これを実践するために、ゴミの元になるものをもらわないように心がけています。

使い捨てのカトラリー

たとえば、お弁当を買ったときについてくる割り箸。「なにかのときに使えるかな」ともらっておくこともできますが、「家で食べるのなら不要」と自分の心に断りを入れ、潔く断るようにしています。

かさを減らす工夫でゴミ捨てをラクに

プラゴミ

コンパクトにまとめたプラごみ

プラゴミをゴミ袋にポイ捨てすると、ゴミ袋にムダな空間ができてしまうので、袋の中に隙間をつくらないように、半分に切って重ねるなどしてゴミ袋の中に収納するように詰めています。こうすると、ゴミのかさは格段に小さくなります。ゴミ袋自体も小さなものですみます。

生ゴミ

ジッパーつき袋にごみを入れる

とくに生ゴミのニオイが気になる夏場は、捨て方にもひと工夫しています。生ゴミなどを入れた袋を、ジッパーのついた食品のあき袋に入れます。

ジッパーつき袋にごみを入れる

さらに、それらをいくつかまとめて大きめのジッパーつきビニール袋に入れます。こうすると、次回のゴミ捨てのタイミングまで、生ゴミ臭を気にせず保管することができます。あき袋も有効活用できるので一石二鳥です。

資源ゴミ

食品トレーやペットボトル、缶などは、スーパーの回収ボックスに持ち込んでいます。そうすると、家にゴミを置いておかずにすむうえ、ゴミ袋を使って捨てる必要もなくなるので、ゴミ袋の節約にもなります。最近は、回収時にポイントがつくところもあるので、探してみるのもいいですね。

100均のファイルケースをごみ箱に

こうした工夫を重ねることで、生ゴミもプラゴミも本当に少なくなりました。おかげで、ゴミ箱自体も100均のファイルボックスで十分に。ゴミ捨て作業が格段にラクになりました。

子どもとゴミについて考えることも大切

ゴミの始末を大人だけがやっていると、子どもはなにをどう分別していいか覚えないうちに大人になってしまいかねません。未来を担う子どもにこそ、ゴミの捨て方を身につけてほしいので、一緒に作業するのがおすすめです。ゴミ捨ても家事シェアすることで、だれかがやってくれるのではなく、自分ごととして取り組むようになります。

片づけ作業で一気に不用品を処理すると、暮らしやすくなりますが、地球はゴミ箱ではありません。最終的にゴミになるようなものは、初めから家に入れない。そのことで、片づける必要も手間もなくなり、結果的に暮らしの質が向上します。捨てるものを買うのではなく、使うものを買うことで、家計費の節約にもなります。今一度、ゴミの捨て方から見直してみませんか?

●教えてくれた人/田川瑞枝さん
ライフオーガナイザー、整理収納アドバイザー、ファイリングデザイナー。モノの片づけを通して、生き方の整理整頓を伝える「思考の整理収納塾」代表。時間管理、書類の整理、家計管理、住育、防災片づけ、ワークライフバランスなどのアドバイスも。ブログ「思考の整理収納塾~Sapporoちょこ*スタイル~」を更新中

Source: 日刊住まい

財布と環境にやさしい暮らしのコツ9つ。捨てるものを減らしたり、手軽に再利用したり

シリコン蓋

最近よく耳にする、サステナブルという言葉。地球の未来のために、資源を大切に使い、環境にやさしい暮らしを目指そうという考え方です。SDGs「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」という取り組みをご存じの方もいるでしょう。

小さなステップかもしれませんが、家庭でも取り組めることはいろいろあり、実際に始めている人も多いようです。今回は、インテリアブログを主宰するワトコさんが実践していることを紹介してもらいました。

よく使うものほど使い捨てをやめる

ラップの代わりにシリコンのフタを使う

IKEAのシリコンフタ「クロックレン」

当たり前のように使い捨ててきたラップも、シリコン製のフタを使えば洗って繰り返し使うことができます。これはIKEAで販売されている「クロックレン」というシリーズのもの。

耐熱温度は220℃なのでフライパンにも使えるし、容器にのせて上から押せば密閉できるので、サラダ用ボウルなどにも使えます。たとえば、出かける前にサラダの野菜をカットして、帰ってから食事の支度をするときも、ラップいらずになりました。

食品保存用袋の代わりにガラス容器を使う

ガラス製の保存容器

食品保存用袋もかわいいデザインが増え、ついつい欲しくなってしまいますが、ここもサステナブルな意識をもち、できるだけガラスなどの容器を使うようにしています。

密封型のものや、フタをしたまま電子レンジにかけられるものなど、いくつかそろえておくと便利。入れるものに合わせて使い分けると、調理時の手間を省くことができます。

プラスチックゴミ袋の代わりに紙箱を使う

紙製のゴミ入れ

ゴミ箱にセットするゴミ袋の代用に、とレジ袋を買っている人も多いのでは。

わが家では洗面所にゴミ箱を置くのをやめ、チラシでつくった紙のゴミ入れに切り替えました。時間のあるときにたくさん折っておきストックしています。洗面所くらいならこの小さなゴミ入れで十分!たまったらそのまま捨てられるところも気に入っています。

ゴミを減らす工夫で節約にも貢献

ペットボトルの代わりにマイボトルを使う

ホームコーディのマルチボトル

暑い時期の水分補給は大事。こまめにコンビニでお茶を購入するという方も多いと思いますが、マイボトルを使えば節約にもなります。気軽に買えるリーズナブルなものからこだわりの極小サイズまでいろいろ販売されているので、自分のスタイルに合わせて選んでみるのも楽しいですよね。

私はイオンの「HOME COORDY(ホームコーディ)マルチボトルスクエア」を愛用しています。

ティーバッグの代わりに茶こしつきポットを使う

茶こしつきティーポット

私は緑茶が好きでよく飲みます。以前はティーバッグを使っていました。こちらも使ったあと、即ゴミになってしまうもの。ステンレスの茶こしつきポットを使うようにして、ゴミを減らしています。

電池を充電池に変える

充電池

電池も「使う→捨てる」から「使う→充電」へ。災害用に置いてある一般的な乾電池以外は、すべて繰り返し使える充電式のものに変えました。一気に変えるのは大変という方は、よく使う大きさのものだけ変更するのでもよいかもしれません。

捨てる前にリサイクル・リメイクを考える

フリマサイトでリサイクル

リサイクルを考える不用品

買ったものの使う機会がなかったものや、わが家では不用品だけどまだ出番がありそうなものなどは、捨てる前に一度、リサイクル・リメイクを考えるようにしています。簡単なのはフリマサイトでの販売。慣れれば数分で出品作業が終わり、プチ収入にもなって手放せるので一石二鳥です。

紙袋をブックカバーにリメイク

紙製のブックカバー

不用な紙袋はゴミ袋に使ったり、だれかにものを返したりするときなどに使いますが、それでも余ることが多いです。そんなときはブックカバーにリメイクしてみるのも楽しいです。これなら気軽に取り替えられて、簡単に気分を変えることもできます。

衣類やタオルは掃除用クロスにリメイク

ダスターにリメイクしたタオル

くたびれた衣類も、捨てる前にひと働きさせてから。掃除用クロスにしてストックしておいてもいいですし、クロスがたまってしまうのがいやな場合は、即使ってしまうのがおすすめ。普段あまりふかないようなところをサッと掃除するよい機会になります。窓のサッシやドアのレール、洗濯機の溝部分など、見逃しがちなところをふき上げて処分します。

毎日のなにげない習慣のなかにも、少しの工夫で「環境によいこと=サステナブル」につながることはいろいろあります。ものや資源を大切に使うシンプルな暮らし、楽しんでみませんか?

●教えてくれた人/ワトコさん
WEBライターとしてインテリアや収納に関する執筆を行う。「ワトコさんのDIYでカフェインテリア」で、インテリアにまつわる情報を発信中

Source: 日刊住まい

建てるのは今、待った方がいい?「ウッドショック」で遠のくマイホームの夢

伐採された丸太

深刻な需要の逼迫により木材が高騰。「ウッドショック」が起こっています。建築業界のプロだけでなく、多くの人にまで大きな影響が。たとえば、マイホームをこれから建てる方。いよいよ工事契約となっていたのに工務店から「影響で着工がいつになるかわからなくない」と言われることも。

3月くらいから起こった「ウッドショック」の実態とは?いつになったら収まるのか?そして、いちばん気になる、今は家を建てるべきタイミングなのか?

こうした疑問に、一級建築士で森林インストラクターでもある、古川泰司さんが答えます。

ウッドショックの影響は、現場によってはっきり分かれる

まずは住宅の設計者である筆者の周辺、工務店や材木屋さんから聞いた状況をお伝えしましょう。じつは、ウッドショックの影響をほとんど感じていない現場と、大変困っているという現場で、明確に意見が分かれました。

国産の木材を中心に使っているところには影響が小さかったのに対して、輸入木材を中心に使っているところでは大きな影響が出ていたのです。

上棟骨組み

まず知ってほしいのは「ウッドショック」はアメリカ発であり、輸入木材の話だということ。そして、やはりコロナ禍の状況が、それを引き起こしたということです。

アメリカでは新型コロナウィルスで60万人(2021年6月)の方が亡くなられています。これにより、アメリカの産業は、大きくストップ。結果として、木材を海外に輸出する余裕がなくなりました。アメリカからの輸入木材(ベイマツとベイツガ)が日本に入ってこなくなったのです。

さらに、空前の住宅ブームが追い打ちをかけます。アメリカでは、コロナ禍からの経済回復の目玉として住宅政策を大々的に行いました。木材の国内需要が加速度的に増えたのです。ますます海外に向けて木材を輸出する余裕はなくなりました。

アメリカから輸入されていたベイマツもベイツガも、日本の木造住宅を支える「骨組み」の材料として欠かせないものです。これが「仕上げ材」であれば、ほかの材料に変えて工事を始めることも可能なのでしょう。しかし、骨組みの場合には、そう簡単に変更することはできません。

木造住宅の要となる「骨組み」の材料が手に入らない。そして、それが回復するメドが立たないために、工事に着手できない。これが「ウッドショック」の実態です。

しかし、冒頭でも触れましたが、国産材を使っている方々には、今回のことはショックでもなんでもないのです。ではなぜ「ウッドショック」が社会全体に大きなインパクトになっているのでしょうか?それは、日本の木造住宅の多くが輸入材に依存しているからです。

日本の森林率

日本は森林大国です。国土の面積の66%が森林という、フィンランド、スウェーデンに次ぐ世界第3位の森林率を誇る国です。しかし、驚くべきことに木材の自給率は、現在38%と低迷しています。森林大国なのに木材の自給率が低いというのは変な話です。

日本の木材自給率

なぜ、日本で木材の自給率が低迷しているでしょうか。森林の地形が欧米に比べて急峻で複雑であることが、その理由のひとつ。海外に比べて丸太の生産がどうしても安定せずコストがかかるから。木材の流通を担う商社としてみれば、同じ木材であれば、安定して安価に手に入る海外の木材を選ぶのは自然の選択です。

高性能林業機械

ただ、この日本の木材が安定的に供給できないという問題はこれから変わっていくと思います。高性能林業機械などの採用が著しく進んでいて、生産性はどんどん上がっているからです。

まさに今、日本の林業は国際社会の中で生き残っていくすべを身につけ始めているといえます。ただし、すぐに安定供給ができるかというと、それにはまだ時間がかかるのも事実なのです。

ウッドショックは第二段階へ。家づくりは待ったほうがいい

そして今、「ウッドショック」は第二段階に入ってきています。ベイマツやベイツガの代わりに国産材を使うという動きが出てきたために、国産材の奪い合いが始まったからです。一方では投機目的の丸太の買い占めも始まっていると聞きます。その結果、価格も2割から5割くらいはね上がる事態に。

一軒の住宅に使う木材の総額は200万円前後です。2割で40万円、5割で100万円。住宅の建設費はここに来て全体的に上がっているのです。「ウッドショック」は、国産材の世界にも大きく影響し始めたのです。

この第二段階のウッドショック(国産木材価格の高騰)はしばらくすると収まると思いますので、それまでは家づくりを待ったほうがよいでしょう。

では、もともとの「ウッドショック」はいつ終わるのでしょうか?そう簡単には終わらないと私は考えています。国産材の安定供給には時間がかかりますし、アメリカの経済活動もそう簡単には元には戻らないだろうからです。

また、「ウッドショック」が終わったとしても、木材の価格は高止まりのまま落ち着いてしまうと思います。今まで通りの価格では、もう家は建たなくなると考えていたほうがよいでしょう。

アメリカの住宅ブームが落ち着くと少しは回復するという言う人もいます。しかし、それはコロナ禍が始まる前に戻るだけの話。アメリカの復活には時間がかかりそうです。国としての生産力が上がらないで需要が変わらないとすれば、アメリカの木材産業の余力は、減少したまま、しばらくもとに戻らないでしょう。

ウッドショックが、SDGsへの取り組みと家づくりを見直すきっかけに

日本の資源となる森の木々

実際に今回の「ウッドショック」の影響で夢見たマイホームが遠のいてしまった方々も少なくありません。その事実を真摯に受け止めながら、私はこの「ウッドショック」が、これからの日本の家づくりを考え直すチャンスなのだと考えます。

今まで私たちは家を手に入れるときに、多くの方はそれが木造の場合に「どこの木」を使っているのかに関心がなかったと思います。その結果、日本の住宅産業が輸入材に依存するようになっていったわけです。

しかし、これはだれが悪いわけでもありません。今までの経済の自然な流れなのです。そうした過去を否定するのではなく、これからの日本の家づくりはどうあるべきかを、みなさんと一緒に考えていくことが大切です。

今までは、国産材は生産コストがかかるため割高だったのですが、「ウッドショック」で輸入材のほうが高いということも逆転現象が起こってきています。先の説明のように、日本の林業も合理化がどんどん進んで、生産コストが下がることも見えてきました。そうしたら、どこの木を使うかに関心をもつ余裕が、私たち消費者にも出てきます。

そのときに、地域の木材、地域の森を守っている生産者がいることに注目してほしいのです。地域の木を使うことは、私たちの次の世代のための森を育てることにつながります。日本の森を守リ、育てている人の木を使うことこそが、このような「ウッドショック」を二度と起こさないことになるのです。

使うほど木材の需要は安定するものです。安定した需要の先に、安定した生産が生まれます。SDGsが注目されているように、持続可能な社会が求められている今、森林資源は再生産可能なかけがえのない資源なのです。

「ウッドショック」をきっかけに、みなさんには、日本の森のことに関心を持ってほしい。そして一緒に、日本の林業を応援していくことができればと考えています。

●教えてくれた人/古川泰司さん
1963年新潟県生まれ。武蔵野美術大学、筑波大学修士課程修了。アトリエフルカワ一級建築士事務所主宰。設計で大切にしていることは「森とつくる いっしょにつくる」。森と木を生かした「森とつながる建築」をつくり住宅医の資格を持ち、中古住宅の診断、耐震改修、断熱改修、生活改善を提案。DIYのサポートも。近著に『木の家に住もう。』(エクスナレッジ刊)がある

Source: 日刊住まい

ペットボトル回収率は97%。ノルウェーで体感するサスティナブルな暮らし

「サスティナブル=持続可能」のイメージイラスト

最近サスティナブル(Sustainable)、という単語を耳にする機会が増えています。「サスティナブル=持続可能」という意味であり、自然環境を維持するための地球に優しい暮らしを推奨する考え方です。SDGs(持続可能な開発目標)という言葉もよく聞くようになりましたが、SDGsとはSustainable Development Goalsの略称です。
ノルウェーは2020年1月に駐在員が選ぶ環境先進国ランキングで、環境・サステナビリティランキング1位に評価され、現在もトップ5に君臨し続けています。(2021年3月現在)。
ノルウェー在住で大学院に在籍中のイラストレーター・スズキカホさんは、それを日々の暮らしの中でも実感しているといいます。具体的にどんな理由でそう感じるのか、詳しく語ります。

ノルウェーはリサイクルのハードルを下げるアイデアが豊か

不要品を入れる巨大なボックス
ノルウェーではいらなくなったものをむやみに捨てず、必要な人や場所に回す、という考え方が大切にされています。

世界トップレベルに物価の高いノルウェーでよく見かけるのが、中古品を扱ういわゆるセカンドハンドショップ。洋服や食器、家具、家電などいらなくなった日用品を誰でも気軽に持ち込むことができます。また、市民から持ち込まれた不用品を無料で提供するガレージのような場所もあります。

また、街中に写真のような不要品を入れる巨大なボックスが置かれていて、ここに入れられたものはリサイクルや寄付に回されます(入れる物の種類やサイズには制限があります)。

どんなに小さな物でも最後まで大切にする文化や、リサイクルのハードルを下げるアイデアの豊かさにはいつも感心しています。

レジ袋もひとつの「プラスチック製品」

日本では昨年からレジ袋有料化が本格的に導入されましたが、北欧では以前からレジ袋は有料が当たり前です。各スーパーがオリジナルのエコバッグをレジ横で販売しているのもお馴染みの光景。

市民はそうしたエコバッグやマイバッグを常備していたり、手荷物の中に入れて持って帰るのが一般的です。量が少なければ購入した商品をそのまま手に持って帰る人もいます。

中にはレジ袋を購入する人もいますが、なるべく再利用できるバッグを使おうとする意識が多くの人に浸透しています。ちなみに物価の高いノルウェーのレジ袋の値段は、お店やサイズにもよりますが、日本円でだいたい1枚20〜40円ほどで日本の倍以上はします。

レジ袋もひとつの「プラスチック製品」なのだと考えさせられるこの値段設定も、人々の環境意識を高めることに一役買っているのかもしれません。

ペットボトル回収率97%を可能にしたPant (パント)

Pant(パント)という容器回収システム
筆者が最も好きなリサイクルシステムが「Pant(パント)」。これはノルウェーのみならず北欧全体で一般的な容器回収システムです。

ノルウェーのペットボトルや缶の飲み物にはあらかじめPantと呼ばれるデポジットのようなものが金額に含まれています。これは、後日空の容器をスーパーに設置された回収マシーンに通すことで、お買い物時に使用できる割引券になって返ってくるというなんとも画期的なシステム。

1Pant=1ノルウェークローネ(約13円)なので、500mlのペットボトルが平均2Pant=約26円ほどということになります。つまり、そのまま捨てるのはお金を捨てるのと同じことになるのです。

ノルウェーの人たちはこのPant付きの容器をたくさんためて一気に回収に回すのが一般的で、大きな袋を抱えてマシーンの前に並ぶ人たちをよく見かけます。

このシステムのおかげで、ノルウェーでのペットボトル回収率は97%なのだそうです。このように目に見える形で市民に還元されるリサイクルならば、進んで参加したくなりますね。

美しい自然を守りたいという気持ちがあるから環境意識が高い

スーパーの割引コーナー
近年ノルウェーでもとくに意識されているのがフードロス問題。これを解決するための取り組みもまた、身近な所で目にすることができます。

代表的なのが、スーパーの割引コーナー。日本でも閉店間際になるとお惣菜や賞味期限が近い食品が割引になることは一般的ですが、ノルウェーでもそういった割引商品が店頭に並びます。

しかし日本との違いは、賞味期限が切れた食品もしばらくの間売られていること。そう聞くと不安に感じる方もいるかもしれませんが、売られているのは基本的にパッケージされた加工品など比較的日持ちのする商品です。

お店によっては傷んでしまった野菜や果物専用の割引棚を設けていることもあります。もちろん、それらを買うかどうかは消費者次第ですが、ノルウェーの人々は積極的にこの割引商品を利用していると感じます。

また、閉店間際もしくは賞味期限の近い食品を割引価格で販売する飲食店情報を提供するアプリ「Too Good To Go」もフードロス対策として注目されています。

デンマーク発祥のこのアプリはノルウェーでも利用されており、近隣のお店を調べ、オンラインで割引商品を購入後、お店に受け取りに行くという流れです。

こうしたエコに対する意識の高さは、ノルウェー人が美しい自然をこよなく愛し、それを守りたいという気持ちから来るものだと感じています。食べ物を捨てることをできるだけ避けようとするノルウェー人の暮らしを目の当たりにしたことで、筆者も食に対する価値観が変わりました。

Source: 日刊住まい